日本人にとってキリスト教とは何か 遠藤周作『深い河』から考える (NHK出版新書 662 662)
- NHK出版 (2021年9月10日発売)
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感想 : 15件
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784140886625
作品紹介・あらすじ
神とは、信仰とは、どういうものか? 霊性と宗教は矛盾しないのか?
批評家、随筆家、そしてNHK「100分de名著」で最多の指南役を務める著者が、自身と共通点も多いキリスト教文学の大家の作品から、「日本人とキリスト教」を考察する意欲作。本書の軸になるのは、遠藤最後の長編『深い河』。著者はこの作品を「遠藤周作一巻全集」と呼ぶべきもので、遠藤の問いがすべて凝縮されている重要作と語る。神、信仰、苦しみ、霊性、死について……。それら一つ一つを章タイトルに据え、登場人物の言動を丹念に追いながら、そこに『沈黙』や他作品を補助線として用いることで、遠藤や著者自身はもちろん、多くの日本人キリスト教者が追究した大テーマ「日本的霊性とキリスト教の共鳴」を可能にする。
はじめに 日本的霊性とキリスト教
第1章 神について
第2章 死について
第3章 出会いについて
第4章 信仰について
第5章 告白について
第6章 苦しみについて
第7章 愛について
おわりに 復活について
みんなの感想まとめ
神、信仰、霊性について深く考察する本書は、特に遠藤周作の『深い河』を中心に、日本人とキリスト教の関係を探求しています。著者は、キリスト教の教えが日本的霊性とどのように共鳴するのかを、明確な言葉で丁寧に...
感想・レビュー・書評
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神とは、死とは、信仰とはどういうものか?NHK出版新書「日本人にとってキリスト教とは何か~遠藤周作『深い河』から考える」が9月10日に発売です。|株式会社NHK出版のプレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000370.000018219.html詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読み始めてから気づいたが、遠藤周作の「深い河」を読むことが必須の本だった。本来であれば、深い河を読んでから、が正しいのだろうが、致し方なし。結果的には、深い河を読まずにこちらを先に読んだことは私にとっては良かったと思う。
いつもさらっと読んでしまう私。こんなに深く読むことができるのか、本を読むとはこういうことなのか!と恥ずかしくなる。そして、益々、深い河を読まねば!という気持ちが強まる。
若松英輔さんの本を続けて読んで、言葉のニュアンスを少しずつ掴んできたと思う。理解しやすい言葉、はっきりとした口調、でも穏やかな文章。私に欠けているもの全てがある。2025年は若松英輔さんの著書をたくさん手にしたいなと思う。 -
これは霊性論、あるいは霊魂論だと思う。いま、専門の先生を囲んでアリストテレス『霊魂論』の勉強会を行っているのだけれど、その議論と深く交差するところが多く、一気に読了した。霊性に、本来日本的(あるいは仏教的)もキリスト教的もあるはずがないというのが論理的に導き出される結論かもしれないが、現実には異なる。霊性や霊魂とは、身体や身体が属する文化歴史を離れては生きながらえることができないものではないか。アリストテレスの霊魂論の精確な理解のためにも、本書は優れた参考図書だと思う。
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「深い河」を、より深く理解するための良書。
繰り返し読んで理解を深めたい。
キリスト教の知識があまりない人は、
・キリスト教入門(岩波ジュニア新書)
・名画と読むイエス・キリストの物語(中野京子 著)
辺りをとっかかりとして。
次に、イエスの生涯(遠藤周作)→深い河→本書の順で読むと理解しやすいかもしれません。♪
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西洋人と関わる中で、その社会の中核にあるキリスト教の理解を避けては通れなくて、関連本を読んでいる。遠藤周作の本は、「日本人の心に合うようなキリスト教」という視点で語られている。
"生活と人生は共にあり、分けて生きることはできない。しかし生活する事だけに埋もれてしまうと、「大切な何か」を見失い、「人生」が見えなくなる。"
人生を深めるための「大切な何かとは?」を「深い河」から読み解き、人生に向き直る。
人生を見過ごさないようにしなくては!
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遠藤を通して、そして遠藤の著作『深い河』を読み解くことを通して、キリスト教を日本人の感性でどう感じて信じていくのか、信仰とはどういう心の動きか、さらには生きるとは、人生とはという問いに迫ることができる良書。
キリスト教に、イエスに出会って生きるとはどういうことかを知ることができる。 -
先に『深い河』を読んだ方が良かったのか、先に読んだから良かったのか、、
兎に角読み進めながら『深い河』を読みたい衝動にかられました。
暫く遠藤さんにハマりそうです。
気に入った言葉集
人生的〇〇、生活的〇〇
恐れと畏れ
魂とたましい
読むべきときに読む。
どんどん読めるようなときは、あえてページを閉じる。
好奇心で読み進めることは可能だが、読み深めることは難しい。
思い、憶い、懐い、念い
共苦 -
信仰するとは何かを知りたくて手に取ったが、少し違った。キリスト教についての知識がないので、理解するのが大変だった。
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「うめきは、姿を変えた祈りだと言うのです。自分以外の誰かのうめきを聞くことができた時、私たちは、それまで自分がうめくほかなかった試練の意味も、その時同時に感じるのかもしれません。」
「大津にとってキリスト教は思想ではなく、「道」でした。思想であれば、自分の実感と異なるものであったとしても、それを理解し、受け止めることができます。しかし、「道」の場合はそうはいきません。人はそこにあるものを単に考えるのではなく、生きることを求められるからです。大津は人生を賭してキリスト教を生きようとする。そうせざるをえない経験が彼にはある。しかし、その道の道しるべとでも言うべき進学は、彼と神ーーーすなわちイエスとの関係を強く否定するものだったのです。」
「私が痛くて思わず手をぐっと握ると、相手もぐっと握るんです。すると変なもんで、この人は俺の痛みをわかってくれているんだと思うとね、痛みが収まるんです。心理的に静まるんです。痛い、痛いよー、と思っていたのが、だんだん収まっていく感じになるんです。
その後良くなってから私は考えて、どんな痛みでも苦しみでも、そこに孤独感が含まれているんだとわかりました。」
「阿頼耶識は我執と苦しみの母胎でありながら同時に、救済の現場でもある。闇は罪の淵源でありながら、救いの源泉でもあると言うのです。罪業か救いかの二者択一ではなく、罪業はそのまま救いの土壌になる。罪業と救いは一体だと言ってよいかもしれません。」「罪は罪のままでありながら、救いの契機であり、闇は闇でありながら、それゆえに光への道になる。」
「人は普遍に開かれていけばいくほど、その人はより深くその人になる」
「妻が亡くなってしばらくして、彼は本を通して、アメリカで前世研究と言う学問領域があるのを知ります。世界には前世の記憶を持ったまま生まれてくる子供が少なからずいる。それを調査している研究者に手紙を出して、転生者の情報を得ようとします。磯部は研究者から、インドにその可能性がある少女がいると言う情報を得る。
インドでは「占い師」にも会い、磯部は、ある手がかりを得ます。しかしその一方で、妻が誰か他の人になって転生してくると言うことに、抑えがたい違和感を覚える。目に見える、転生者を探そうとする彼に、ありありと迫ってきたのは、妻と出会った意味と妻が何気なく語った言葉の重みだったのです。」
「玉ねぎ(イエス)は、昔昔いなくなったが彼は他の人間の中に転生した。2000年近い歳月の後も、今の修道女たちの中に転生し、大津の中に転生した。
人間は、私を経て誰かの中に復活する。それも複数の、ある意味では無尽の人々のうちに復活する。死から復活したイエスは、目には見えない形で、すべての弟子たちに現れることも可能でした。
そして復活をめぐる事実として、何よりも重大なのは復活のイエスを経験した誰もが、かつて肉体を持って生きていたイエスに劣らないほどの近く、確かにその存在を感じ得ていることなのです。」
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若松英輔の作品
