蔦屋重三郎と浮世絵 「歌麿美人」の謎を解く (NHK出版新書 734 734)
- NHK出版 (2024年12月10日発売)
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感想 : 15件
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784140887349
作品紹介・あらすじ
大河ドラマ「べらぼう」の近世美術史考証者がオールカラー図版で迫る決定版!
2025年大河ドラマ「べらぼう」のモデルは蔦屋重三郎。江戸時代中期、数多ある版元の中で、なぜ蔦重だけがこれほど注目を集めたのか。蔦重が歌麿に描かせた「ポッピンを吹く娘」はなぜ名作と言われるのか。話題を呼ぶ浮世絵を次々に手掛け、江戸を騒がせた蔦重の独自の仕掛けとはーー。
本書は蔦屋重三郎のビジネス上の足跡に沿って代表的作品から知られざる名画まで多くの作品を取り上げ、オールカラー図版を実際に見ながら、その歴史的意味やインパクトを明らかにしていく。大河ドラマ「べらぼう」の近世美術史考証者である著者が、‟コンテンツビジネスの風雲児・蔦屋重三郎”に迫る決定版。
みんなの感想まとめ
江戸時代中期の浮世絵とそのビジネスの舞台裏を探る本書は、蔦屋重三郎の影響力とその作品の魅力を深く掘り下げています。大河ドラマ「べらぼう」の考証者である著者が、蔦重の成功の理由や歌麿とのコラボレーション...
感想・レビュー・書評
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2025.11.9大河は蔦重と歌麿がたもとを分かつ部分。それで歌麿のその部分が知りたくて読んでみた。
別な本では「青楼十二時」が蔦重との最後の仕事、とある。(「Art of 蔦重」笠間書院p97)
副題に「歌麿美人の謎を解く」とあるので、全編歌麿の絵のことが描いてあり。折々にはさまれる絵はカラー。
メモ
第一章 歌麿のリアリズム
p19 歌麿大首絵の革新性
「歌撰恋之部 物思恋」寛政5~6(1793~94)
11.9大河で歌麿の蔦重への恋心を蔦重がまったく気づかない、と描く。そこで
「歌撰恋之部」・・これはドラマでは、女性が物思いにふける絵を何点か蔦重に出し、これはなんだ?わかんねえな。と言われると「恋心です」と答える。この絵が、この「歌撰恋之部」だった。ドラマではこの絵の最初の下書きが示された。
第二章 なぜ「歌麿」だったのか
p56 屋号と署名の上下関係
上下の印刷位置は東洋の文芸の世界では明確だった。
p57 ちなみに第一章で最後に紹介した寛政6年刊行の「青桜十二時」シリーズは、すべて蔦屋のマークの下に「歌麿筆」とある。これは蔦重がアートディレクションとして歌麿に描かせたという蔦屋優位を世間に示すものです。当時、これを見た人々は驚いたといいます。
まだ売れていないうちならいざしらず、人気が出れば版元優位とはいえ、歌麿は我慢ならなかったのでしょう。「青楼十二時」や「歌選恋之部」が刊行された頃から彼は蔦屋以外の版元でも美人画を出し始めるのです。
・・ここらが、11.9大河で描かれていた
若狭屋、岩戸屋、近江屋、村田屋、松村屋に鶴屋。寛政6~7年に伊勢屋孫兵衛から出した「北国五色墨」をはじめ、なかには高く評価されている作品もあります。しかし、絵画的な表現技法でいうと、やはり蔦重と組んでいた頃~天明末から寛政6年までが本当の意味での歌麿のピークだろうと思います。
〇寛政:天明の後、享和の前。1789年から1801年までの期間を指す。この時代の天皇は光格天皇。江戸幕府将軍は第11代、徳川家斉。 寛政6:1894 「青桜十二時」刊行
第五章 出る杭は打たれても出る 蔦重と筆禍
p133 歌麿の躍進と離反
自宅に寄宿させていた歌麿が、美人大首絵シリーズで大ブレイクし、蔦重は錦絵の版元として不動の地位を手中にします。しかし第二章で詳述したとおり、人気絵師となった歌麿は、他の版元からも美人画を出すようになります。蔦重のアートディレクションがなくても、自分が描く絵は天下一品。蔦重専属の殻を破った歌麿は、やがて自身の画力の高さを作中で猛烈アピールするようになります。
第六章 写楽のリアリズム 蔦重の誤算
p150 いまだに「写楽は謎の人物」という人がいるようですが、阿波徳島藩主・蜂須賀家お抱えの能役者、斎藤十郎兵衛(1763~1820)に間違いありません。
p151 特定の門下に入ると、よほどの個性や才覚が無い限り、師の画風から抜け出すことはかなり難しい。歌麿は、狩野派に絵を学んだとされる烏山石燕に指示したとされ、同門には恋川春町や栄松斎長喜もいますが、歌麿の絵に石燕の影響はほとんど見られません。
つまり歌麿は、既存の画派・画風の色に染まっていない絵師だったのだす。浮世絵制作が本業ではない写楽も同様です。だからこんな規格外の絵を描くことができたのです。
2024.12.10第1刷 図書館詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大河ドラマ『べらぼう』のおさらいとして。
著者が、ドラマの近世美術史考証者なので、
ドラマの内容に沿っていてわかりやすい。
歌麿の写生画 絵本虫撰は、すごいリアル。
蔦重と歌麿がタッグを組んで世に出した作品は、
どれもエッジが効いていて、素晴らしい。
しかし、歌麿が、蔦屋と袂をわかってからは、
これまでの焼き回しのようになってしまったと。
日本人の情報リテラシーは、
蔦重の登場で大きく変わったと言える。
江戸時代中期、日本人の識字率は、世界でもトップクラスだったが、それも蔦屋重三郎の
貢献度が高い。
吉原の情報を絵本や戯作で、市中に発信。
蔦重の新刊読めば、何が世間で流行っているか
がわかる。ニュース性、一過性のメディアだからこそ、蔦重のリアリズムが生きた。
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松島雅人著『蔦屋重三郎と浮世絵 「歌麿美人」の謎を解く』の感想です。
大河ドラマは見ていませんが、書店でたまたま見かけて、豊富なカラー図版に惹かれて購入。
本書でクローズアップされている、喜多川歌麿の美人大首絵シリーズを手掛けたのは、蔦屋重三郎のキャリア終盤のこと。
1792年(寛政四年)で、逝去する五年前です。
このあたりの時系列は、前提知識がまったくなかったので少し戸惑いました。
浮世絵の作家のサインと版元の印の上下の位置関係は、そのまま力関係を表しているそうです。今後、浮世絵を見るうえで役に立ちそうです。
蔦重がネットワークを築く上で大いに役に立った狂歌界は、当時の「悪ふざけサークル」のようなものでしょうか。階級に関係なく楽しく悪ふざけしていたようすが、ペンネームからも分かる気がします。
それにしても、吉原の人気遊女を紹介する目的で作られていたという吉原細見には、現代のソシャゲに通ずるものがあるなと思わされました。男というものはいつの時代も、女をコレクションしたがる生き物なのでしょうか。
・蔦屋重三郎は、蔦屋という屋号の商家に引き取られたのち、耕書堂という店(貸本屋)を開いた。
・吉原細見の改めをきっかけとして、狂歌本などの出版業界で活躍したのち、浮世絵の美人絵(歌麿)や役者絵(写楽)を手掛けた。
・歌麿は、心情描写(枕絵/春画)や写実描写(狂歌絵本三部作)に優れていたため、蔦重が目をつけたのではないか。その背景には、ライバルの西村屋与八&鳥文斎栄之(ちょうぶんさいえいし)への対抗心があった。
・美人絵では、蔦重から離れて他の版元からも出版するようになった歌麿に、他の画家では画力で勝てず。役者絵では、東洲斎写楽は「見たまま」を描きすぎて当時のニーズを捉えきれず、歌川豊国に完敗。
・幕府の締め付けが強まる中で、山東京伝に頼って戯作を作っていた。
・さらにその後継として曲亭馬琴、十返舎一九、葛飾北斎(勝川春朗)を発掘したところだったが、脚気で逝去。
・なお、浮世絵が流行っていた同じ頃、京では円山応挙、池大雅、伊藤若冲(じゃくちゅう)らの肉筆の本画が繚乱していた。
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「蔦屋重三郎と浮世絵」松嶋雅人著、NHK出版新書、2024.12.10
206p ¥1,265 C0270 (2025.11.23読了)(2025.11.21借入)
【目次】
はじめに
第一章 歌麿のリアリズムー浮世絵美人画の旋風
第二章 なぜ「歌麿」だったのか
第三章 蔦重のリアリズムーはじまりは吉原
第四章 飛躍のカギは「狂歌ネットワーク」
第五章 出る杭は打たれても出るー蔦重と筆禍
第六章 写楽のリアリズムー蔦屋の誤算
第七章 貫かれた蔦屋イズム
おわりに
蔦屋重三郎関連年表
掲載図版一覧
参考文献
☆関連図書(既読)
「べらぼう(一)」森下佳子作・豊田美加著、NHK出版、2024.12.20
「べらぼう(二) 蔦重栄華乃夢噺」森下佳子作・豊田美加著、NHK出版、2025.03.25
「べらぼう(三) 蔦重栄華乃夢噺」森下佳子作・豊田美加著、NHK出版、2025.07.25
「平賀源内(学習漫画・日本の伝記)」蔵持重裕立案・古城武司漫画、集英社、1988.11.23
「稀代の本屋 蔦屋重三郎」増田晶文著、草思社、2016.12.21
「蔦屋重三郎」鈴木俊幸著、平凡社新書、2024.10.17
「栄花物語」山本周五郎著、新潮文庫、1972.09.20
「田沼意次と松平定信」童門冬二著、時事通信社、2000.06.30
「喜多川歌麿女絵草紙」藤沢周平著、文春文庫、1982.07.25
「歌麿の世界」渋井清著、日経新書、1968.05.23
「歌麿殺贋事件」高橋克彦著、講談社ノベルス、1988.04.05
「写楽殺人事件」高橋克彦著、講談社文庫、1986.07.15
「写楽 江戸人としての実像」中野三敏著、中公新書、2007.02.25
「浮世絵」瀬木慎一著、潮新書、1972.05.25
「浮世絵」高橋鉄著、カッパブックス、1969.07.05
「謎解き 広重「江戸百」」原信田実著、集英社新書、2007.04.22
(「BOOK」データベースより)
2025年大河ドラマ「べらぼう」主人公のモデルは蔦屋重三郎。江戸時代中期、数多ある版元の中で、なぜ蔦重だけがこれほど注目を集めたのか。蔦重が歌麿に描かせた「ポッピンを吹く娘」はなぜ名作と言われるのか。話題を呼ぶ浮世絵を次々に手掛け、江戸を騒がせた蔦重の独自の仕掛けとはー。本書は蔦屋重三郎のビジネス上の足跡に沿って代表的作品から知られざる名画まで多くの作品を取り上げ、オールカラー図版を実際に見ながら、その歴史的意味やインパクトを明らかにしていく。大河ドラマ「べらぼう」の近世美術史考証者である著者が、“コンテンツビジネスの風雲児・蔦屋重三郎”に迫る決定版。 -
近々東博に行く予定なので、予習がてら読んだ。
久しぶりの紙の本。やっぱ紙はいいなぁ。
プロデューサー、ブランディング、ビジネスモデル等々、蔦重のお仕事はカタカナにすると収まりがいい。 -
摂南大学図書館OPACへ⇒
https://opac.lib.setsunan.ac.jp/iwjs0021op2/BB50380885 -
大河ドラマ「べらぼう」がもっとよくわかり楽しくなる。
関連する浮世絵の展覧会もちらほらやってるので、絵を見るときの参考にもなる。
蔦屋重三郎のビジネスは、成功続きでは無かったようだが、ときどきエポックメイキングな事をしでかして名を馳せたのだな。ドジョウの下を何回も狙おうとする執着心も人間臭くて良い。才人であったのは間違いないだろうけど、そのモチベーションはやはりドラマのように、生い立ちとか吉原に対する思いいれだったのだろうか。 -
2025.3.3
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浮世絵が豊富に取り上げられている。
著者プロフィール
松嶋雅人の作品
