集中講義! 日本の現代思想 ポストモダンとは何だったのか (NHKブックス)

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レビュー : 52
  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140910726

作品紹介・あらすじ

1980年代、「ポストモダン」が流行語となり現代思想ブームが起きた。「現代思想」は、この国の戦後思想をどのような形で継承したのか。海外思想をどのように咀嚼して成り立ったのか。なぜ80年代の若者は「現代思想」にハマったのか。丸山眞男や吉本隆明など戦後思想との比較をふまえ、浅田彰や中沢新一らの言説からポストモダンの功罪を論じる。思想界の迷走の原因を80年代に探り、思想本来の批判精神の再生を説く。沈滞した論壇で唯一気を吐く鬼才による、異色の現代思想論。

感想・レビュー・書評

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  • 21世紀も間近になった頃に大学入学、研究を本格的にはじめたのは2000年代後半というな私は、日々「なんでこんなことになっちゃってるの!?」と叫びたくなるような哲学・思想(と社会との関係)に関する問題にぶちあたることが多かった。――たとえば、「どうして浅間山荘に閉じこもった連合赤軍は仲間同士で殺し合ったのか?」とか「なんで『総括』という言葉がリンチを指すようになったのか?」とか、「なんでこんなに現代思想は、ライトなノリで明るくたのしく語らなくちゃいけない感じになっちゃったのか?」とか。
    本書は、そうして日々ぶつかりながらも、その答えを見出す術同市もなく、喉にささった魚の小骨のようになってしまった問題たちを、一気に溶かしてくれた感じがする。
    私と同世代の、研究者の卵たちは、いろいろな現代思想の本を読み、それを吸収して、自分の研究にいかしながらも、それらの思想の位置づけなどを把握するのにものすごく苦労しているんじゃないかと思う。私自身もまさにそんな最中にある。そういう「地図」も持たずひとりさまよい歩き続けてきた私にとってはとてもありがたい本だった。

  • 仲正による「日本の現代思想」。第一次安倍内閣が立った時のもので、あとがきに当時の著者の、本人らしい所感が印象的。

    内容としてはかなり情報量は多いけども、世界の情勢と思想とかかわりながら、日本の情勢、思想がどのように推移してきているかがよくわかる。

    ざっくりとニュアンスででしかとらえきれていないが、戦後マルクス主義が69年の学生運動にて挫折すると、ポストモダンの時代に突入。レヴィ=ストロースの構造主義とそれすらも相対化させたデリダやドゥルーズ、フーコーらによるポスト構造主義の思想ブームが起こる。日本もこれらの影響を受けながら、それがアカデミックな分野というよりもメディアミックスされた論壇においてのパフォーマティブなものとして影響を与え、80年代、浅田彰、柄谷行人、中沢新一らが活躍、90年代に入り宮台真司や東浩紀などが現れ現代にいたる。サマリーにもなってないが、僕の頭の中は今こんな感じ。

    ただ、今の人文系の論調がユルフワさをもって自嘲するような隘路で乾杯してる理由を考えるにおいて、時代整理の道筋が見えたのが幸い。もう一度は読み直さないと整理されないとは思うが、読み直すかな・・


    17.8.14

  • 明晰でよかった。ポモ思想の内在的な解説ではなくて、歴史的な話をきっちり説明してくれているからありがたい。翻訳、輸入の過程にはタイムラグも当然あるし、全部翻訳されるわけでもないし、受容のプロセスみたいなところはおさえておかないといかんよね。仲正先生の本をちゃんと読むのは初めてだったが、真っ当な解説という印象で、ほかの本とか、界隈での評価とかは詳しくないが、生産性がすごい。修論博論も厚い本にされているが、研究的な話はどうなのだろう。

  • 日本のポストモダンのごちゃごちゃした感じをすっきりと位置づけてくれるのである程度関連や位置関係が見やすくなる日本のポストモダンの総ざらい。柄谷、吉本、中沢、浅田などの有名所の言説と歴史的な背景、課題など含め書いてある。読みやすい。

  • 右派思想にも左派思想にも鋭く切り込み、現代の日本社会の思想の在り方に警告をならす。筆者が描く戦後マルクス主義者たちの系譜はギャグマンガのようである。が、大変ためになる。頭の中におぼろげながら戦後の知識人たちの見取り図が描けるようになった。

  • 知識量理解力がすごいらしい。現代思想の勉強に。ゲンロン0のようなライトな本でなく、本気で学びたい人向け

  • 日本におけるマルクス主義以降の思想・哲学状況を概観するのに最適。やはり、そうだったのだという納得感が読むうちに漲ってくる。その時々の自分の考えが世界の大きな流れの部分であったという感覚、類としての自分を確認出来る分析である。してみると今、足元の混沌状況も世界の知性がそうなっているからなのであろう。自分の思考状況の客観的位置付けを空間的に確認出来る。

  • 各章読み応えあるけど、ラストの物書きとしての姿勢、想いがそのまま吐露する場面で随分と印象が変わった。

  • 現代思想の流行から衰退までを概観できる。

  • 80年代以降の現代思想の流れや吉本隆明や柄谷行人の位置付けが初めて理解できた。

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著者プロフィール

1963年、広島県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究博士課程修了(学術博士)。現在、金沢大学法学類教授。文学や政治、法、歴史などの領域で、アクチュアリティの高い言論活動を展開している。著書に『ポスト・モダンの左旋回』(世界書院)、『「不自由」論』『お金に「正しさ」はあるのか』(以上、ちくま新書)、『日本とドイツ 二つの全体主義』(光文社新書)、『集中講義!日本の現代思想』(NHKブックス)、『精神論ぬきの保守主義』『教養としてのゲーテ入門』(以上、新潮選書)、『〈法と自由〉講義――憲法の基本を理解するために』『プラグマティズム入門講義』『ポスト・モダンの左旋回』(以上、作品社)、『今こそアーレントを読み直す』『いまを生きるための思想キーワード』『マックス・ウェーバーを読む』、『ハイデガー哲学入門――『存在と時間』を読む』(以上、講談社現代新書)などがある。

「2018年 『ヘーゲルを越えるヘーゲル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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