ウェブ社会の思想 〈遍在する私〉をどう生きるか (NHKブックス)

著者 :
  • NHK出版
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本棚登録 : 401
レビュー : 46
  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140910849

作品紹介・あらすじ

「ユビキタス」「ウェブ2・0」「ネットビジネス」…華々しい流行語の陰で何が起きているのか。蓄積された個人情報をもとに、各人の選ぶべき未来が宿命的に提示される。カスタマイズされた情報が氾濫する中で、人は自らの狭い関心に篭もり、他者との連帯も潰えていく。共同性なき未来に、民主主義はどのような形で可能なのか。情報社会の生のゆくえに鋭く迫り、宿命に彩られた時代の希望を探る、著者渾身の一冊。

感想・レビュー・書評

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  • ウェブ社会の問題を網羅的に扱うのはいいが、全体的にもうちょっと詰められるのでは、という感が否めない。cfという無駄書き、「~化」とカタカナ概念の頻発は、大澤真幸などもそうであるが、矢張りどこか自信のない学問である社会学の衒学性癖であり、ショウもない図も社会学の「語りベタ」を象徴しているような気がしてならない。

  • 同語反復的、トートロジー。

  • ウェブ社会の「思想」と「宿命」
    「人間」―宿命に彩られる生(ユビキタス―個人情報管理型の社会
    バーチャル―越境する電子マネー
    記憶と記録―データ化される「わたし」
    宿命と成長(1)―島宇宙の外を生きられるか)
    「社会」―民主主義の困難を超えて(共同性とマスメディア―「偏向報道」批判の背景
    民主主義―グーグルが描く未来像
    宿命と成長(2)―関係へと開かれる生)

    著者:鈴木謙介(1976-、福岡市、社会学)

  • lifeから入った鈴木謙介だったが、思いのほかよかった。10年前の著作なので、本文でいう最先端は今はもう過ぎたものである。しかし、結構驚くのはこれぐらいの時期に始まり定着し始めたIT関連の技術だったり機器だったりするものが、今のライフスタイルを支えているものになっていること。

    序盤のユビキタスなどの技術的な説明は緒論であって、もっとソフト面である社会や私たち人間の「生き方」が焦点になっている。個人的には現代社会やこれから来る未来の人間たちが陥っていく「決定的宿命」観を形作る環境の考察と、決定的宿命論に関心をもった。そして「避けることができない宿命を自分で選び取ったものに書き換える」という考察。自身の状況と重ね震えた笑。

    とにかく初めて触れたチャーリーの著作。よかったっす。


    17.4.16

  • 「私」と「他者=社会≒世界」が関係として積極的に関わりつつ互いに好き勝手にやっても民主主義の環境となる媒体をウェブと捉え、個人=私が積み重ねた時間がオルタナティブに向かうだろうという思想論。特別でもナンバーワンでもなく、「私の普通」の人生がそれでも希望を語れるかという筆者の想いが込められている。

  • 技術的には人々が世界中につながることを可能にしたはずのインターネットが、そのようには機能せず、むしろあらかじめ定められた「事実」へと人々の生き方を囲い込んでいくような機能を果たしてしまうことを、ローレンス・レッシグのアーキテクチャ論なども参照しつつ明らかにしています。また終盤では、そうした状況から脱するための展望を語っています。

    前著『カーニヴァル化する社会』(講談社現代新書)より、かなり読みやすいと感じました。とくに、古谷実の『ヒミズ』と『シガテラ』を例に取って、著者の用いる「宿命」という概念を説明しているところは腑に落ちるところが多く、改めて『カーニヴァル化する社会』の方も読み直してみたいと思いました。

  • アイデンティティに関する現代的な必読本の一つに今のところ位置づけている。もう1回は少なくとも読みたい。

  • 専門性の高い聞き慣れない言葉が多く、取っ付きにくいが、自分なりに理解したところでは、「情報化社会(ユビキタス社会)は、膨大な個人情報の蓄積(偏在する私)を基に、自らが何かを判断する前に、なすべき指針を提示してくれるようなシステムを志向しているが、伝えられた情報を、共有すべき出来事として理解し、公共的な判断を下していくような民主主義にとって、これは危機的な状況を生むことになる。」そこで著者は、あるべき民主主義を求めて「工学的民主主義」と「数学的民主主義」を検討し、宿命のように自らの未来が定められていく情報社会のなかで、「どう生きるか」を問いかけ、それはまだ「宿命」ではなく、私たちの選択に開かれている未来のひとつでしかないと希望を捨てない。拍手。じっくり考えてみたい。

  • シガテラと戯言シリーズのネタバレの本。

    もしも、そこそこ知識のある学者がサブカルに焦点をあてて、小難しく社会のありようを述べたら

    って内容のほんです。

  • 今こそ読み返したい本。全く古びていない。
    レヴィナスの引用は、少し思うところがあった。
    戯言シリーズや古谷実、村上春樹などの作品分析もある。そこで興味を持って読み始めるのもいい。ネタバレはあるが、作品に興味を持つことのできる手つきで書かれているので、未読者も気にしなくていいと思われる。

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著者プロフィール

1976年生まれ、福岡県出身。関西学院大学先端社会研究所所長、社会学部准教授。国際大学グローバル・コミュニケーション・センター客員研究員。専攻は理論社会学。著書に『カーニヴァル化する社会』(講談社現代新書)、『SQ“かかわり”の知能指数』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『ウェブ社会のゆくえ<多孔化>した現実のなかで』(NHKブックス)ほか多数。

「2019年 『未来を生きるスキル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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