未来派左翼 グローバル民主主義の可能性をさぐる (下) (NHKブックス 1110)

  • 日本放送出版協会 (2008年4月30日発売)
3.50
  • (2)
  • (2)
  • (8)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 82
感想 : 6
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784140911105

みんなの感想まとめ

左翼の衰退とその未来に対する視点を探る本書は、対話形式で進行し、世界各地の新しい左翼の動きに一定の評価を与えつつも、その限界を鋭く指摘しています。特に、日本における土地所有権や滅私奉公的な思想について...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  原題は『さらば、左翼』。問題意識と主張は真っ当だが、日本の現状からはあまりにもかけ離れている(「左翼」のだらしなさへの批判だけはあてはまるが)。逆説的に、現代の日本はどこまでも世界の「周縁」にすぎないことを気づかせてくれるとも言える(本書で日本に言及しているのはトヨタの「カンバン方式」に関する個所のみ)。

  • [ 内容 ]
    いまや保守化し自己保身に終始するようになった左翼たち。
    「前衛」「改革」「革命」などの創造的ビジョンはどこへ行ったのか?
    左翼は本来のクリエイティビティを失ったのか?
    シアトルやジェノヴァでの抗議デモ、ブラジルにおけるルラ大統領の試み、パリの郊外からフランス全土に広がった叛乱、不安定労働者たちによる自律的なデモ行進…一九八九年以降、およそ一五年の間に世界中で起きた出来事を分析し、そこに、未来への道を切り開く「新たなる創造性」を見出す。
    コミュニズムの予兆を探る、ネグリ待望の新刊。

    [ 目次 ]
    3 グローバル民主主義のさまざまな予兆(アメリカン・ヘゲモニーの終焉―イラク戦争から考える;マドリード・コミューン―列車爆破事件から考える;運動とともに行う統治―ブラジル・ルラ政権から考える;「帝国」貴族たちの思惑―ダヴォス会議から考える;二一世紀、中国のゆくえ―天安門事件以降から考える;宗教と政治の関係―イランの現在から考える)
    4 目覚めよコミュニズム(プレカリアートは未来へ向かう―May Dayから考える;統一ヨーロッパの役割―イタリアから考える)

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 6/23拾い読み

  • マルチチュードの活動は、ベルリンの壁崩壊以降、世界規模で進展している。例えば、「もうひとつの世界は可能だ」というオルターグローバリゼーションの活動は、シアトル他世界各地でのデモとなって現れた。

    マルチチュードの活動は、党派を形成しない。党派や政治理念の違いを超えて、世界各所で抵抗が起こっている。パリ郊外からフランス全土に広がった叛乱、チベット独立運動、メキシコのサパティスタ蜂起、マドリード・コミューン、ブラジル・ルラ政権の経済躍進などに、ネグリはマルチチュードの活動を感じている。日本における派遣社員の待遇改善、格差社会の是正を求める抗議活動も、マルチチュード的な活動の一種だろう。

    「ようするに彼らは、自分たちがまっとうな生活を営む権利には議論の余地はない、即座に認めろ、と宣言しているのです。具体的に言えば、彼らの望みは、住む場所を見つけ、眠り、食べ、学ぶこと、もちたいときに家庭をもち、多様な情報と文化を生み出したり利用したりすること、遊び、自由に<知>を交換し、健康に気を使い、あらゆる富を創造すること、自由に移動したり定住したりし、都市生活に参加すること、新たな公共空間や社会的生活様式をつくり出すこと、なのです」(下巻 p.183)

    日本でも個人はネット上で自由に意見表明することができる。文章、画像、動画、音楽様々な形式の情報を個人で生産し、流通させることが可能だ。情報技術のプラットフォームとインフラが、グーグルやアップルなどアメリカのグローバル巨大企業に独占されているとしても、社会変化の可能性は、マルチチュードの情報生産ネットワークから生まれる、と信じるしかない。

  • 2008/10/24 購入
    2008/10/30 読了 ★★★
    2014/03/15 読了

全5件中 1 - 5件を表示

この本が好きな人におすすめの本

著者プロフィール

1933年イタリアのパドヴァに生まれる。マルクスやスピノザの研究で世界的に知られる政治哲学者。元パドヴァ大学政治社会科学研究所教授。 早くから労働運動の理論と実践にかかわる。79年、運動に対する弾圧が高まるなか、テロリストという嫌疑をかけられ逮捕・投獄される。83年にフランスに亡命。以後14年間にわたりパリ第8大学などで研究・教育活動に携わったのち、97年7月、イタリアに帰国し、ローマ郊外のレビッビア監獄に収監される。現在、仮釈放中。 邦訳に『構成的権力』『未来への帰還』『転覆の政治学』等がある。

「2003年 『〈帝国〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

アントニオ・ネグリの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×