ホモ・フロレシエンシス 上: 1万2000年前に消えた人類 (NHKブックス 1112)

  • NHK出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140911129

作品紹介・あらすじ

二〇〇四年一〇月、「ネイチャー」誌の発表に世界が驚愕する。インドネシアで発見された新種人類、通称ホビットの姿は、人類進化史の常識を根底から覆すものであった。わずか一万二〇〇〇年前まで地球上に暮らしていた彼らは、九〇センチほどの身長とチンパンジーなみの脳の容量ながら、石器を用い、火を操り、狩りをして暮らしていたというのだ。世界的な研究ネットワークを総動員しながら、「五〇年に一度」と評される大発見にいたるまでの、冒険に満ちた発掘物語を、発見者自身が描きだす。

感想・レビュー・書評

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  • ☆彡ホモ・フロレシエンシスの骨が発掘されるまでの経緯など
     
    〈概要〉
    ・六つの疑問
    ・ウォレス線とは何か
    ・地球史的な気候変動
    ・「多地域」説と二つの「出アフリカ」説
    ・東南アジア地域にいたる人類の足跡
    ・驚くべき脳の姿
    ・ホモ属であるための条件
    ・現生人類との出会い
    ・はじまりの人類はどこにいたのか

    ・解説―人類の進化と拡散

  • (上下巻で同じレビューを書いています。)
    インドネシアの小島・フローレス島で発見された「ホビット」と呼ばれる、つい1万年近く前まで生きていた、チンパンジーと同じ程度の脳容量を持つ小型人類。この謎の人骨の発見に至る経緯、人類進化を考える上での意義、またこの人骨が発見されたことによる学術界や社会への影響を、上下巻でまとめている。上巻は、現在のフローレス島(パプア系の人々が住んでいる)の様子や、インドネシアチームと著者が率いるオーストラリアチームが合同で進める発掘の風景などが詳しく描写されており、発掘の情熱が伝わってくるようだった。
    下巻では、ホモ・エレクトゥス(原人)やルーシーの名前で有名なアウストラロピテクス等の古人類の発見史、及びその他の動物で知られている体型の小型化に関する議論で始まる。そして、著者らが発見した「ホビット」の記載にあたり、Natureへの投稿を通じて、この奇妙な人類をホモ属に入れるべきなのか、アウストラロピテクス属に入れるべきなのか、白熱していく。
    後半ではこの発見がもたらした影響(主に著者が被った弊害)について人物相関とともに語られている。一つの人骨を巡ってこれほどまでに大きな問題が起きていたのか、ということがよく分かるエピソードである。著者の主観を強く意識せざるを得ないが、その点は監修者による巻末の解説を読むと良いだろう。

  • 2004年、ネイチャーに掲載されたある論文に世界が驚愕した。現生人類が文明を築き始めるホンの少し前まで、世界にはもう一つの人類が存在していており、しかも、彼らは、わずか90センチほどの身長とアウストラロピテクス属ほどの脳容積しか持たず、それでも石器や火を扱い、狩猟採集生活を営んでいたというのだ。
    本著は、インドネシアのフローレス島で行われた「ホモ・フロレシエンシス」の発掘にまつわるドキュメンタリーである。世紀の大発見を巡って、様々な研究者の協力関係や利害の対立が入り乱れていく様は、非常に興味深い。上巻で扱われるのは、ホモ・フロレシエンシスらしき化石が発見されるまでの時期である。まだまだ発見物の価値が確定していない時期だけに、利害の衝突も顕在化していないが、ところどころに後の大論争の前触れらしきものが見つかる。一読しただけでは把握しきれないほど沢山の科学者が出てくるので、記憶力の衰えた頭には少々辛かった。

  • プロローグ
    第1章 フローレス島-足跡をたどって
    第2章 聖なる洞窟の発掘物語
    第3章 人類、アジアへ
    第4章 姿をあらわした謎の骨
    第5章 ホモ・フロレシエンシスの正体に迫る

  • [ 内容 ]
    二〇〇四年一〇月、「ネイチャー」誌の発表に世界が驚愕する。
    インドネシアで発見された新種人類、通称ホビットの姿は、人類進化史の常識を根底から覆すものであった。
    わずか一万二〇〇〇年前まで地球上に暮らしていた彼らは、九〇センチほどの身長とチンパンジーなみの脳の容量ながら、石器を用い、火を操り、狩りをして暮らしていたというのだ。
    世界的な研究ネットワークを総動員しながら、「五〇年に一度」と評される大発見にいたるまでの、冒険に満ちた発掘物語を、発見者自身が描きだす。

    [ 目次 ]
    プロローグ
    第1章 フローレス島-足跡をたどって
    第2章 聖なる洞窟の発掘物語
    第3章 人類、アジアへ
    第4章 姿をあらわした謎の骨
    第5章 ホモ・フロレシエンシスの正体に迫る
    解説 人類の進化と拡散

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    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • インドネシアのフローレンス島で発掘された化石人骨をめぐる話。いったい、人類史のどこに位置づけるのか、インドネシアとオーストラリアの研究者の考え方の対立はどうなるのか、下手なミステリー小説よりもドキドキわくわく、早く下巻を読みたい、さらに、いったい人類はどうやって世界中に広がったのか、関連する本をもっと読みたくなった。

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