クジラは海の資源か神獣か (NHKブックス 1172)

  • NHK出版 (2011年1月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (212ページ) / ISBN・EAN: 9784140911723

みんなの感想まとめ

鯨類の生態や文化的な位置づけについて深く掘り下げた本書は、科学的知識と政治的議論を交えながら、鯨が持つ多面的な魅力を浮き彫りにしています。著者は、鯨の生活習慣や生態系における役割をわかりやすく解説し、...

感想・レビュー・書評

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  • 鯨類の生態について、現在までに分かっていることを読みやすくまとめている。対象が対象なだけに、なかなか研究が難しいであろうことは想像できるが、ここまで分かってきたのかと感心する。
    後半の大部分で、反捕鯨派とのやりとりに紙面が割かれていたのが少し残念な気もしたが、著者の来歴やあとがきを読み、納得せざるをえなくなった。
    このような本で、こういった内容を大きく扱わねばならないこと自体すでに異質なのだが、やはりその矛盾点も含め、賛成派・反対派両者とも、今一度考え直すべきであろう。

    海洋動物に関するものとして、『ペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐ』を合わせて読むのがいいだろう。

  • 読みやすい。入門書って感じ

  • ふむ

  • 鯨は増えているのか、減っているのか?◆鯨は海の哺乳類◆水中に適応した鯨◆鯨だって、食べて寝る◆旅をする鯨◆歌う鯨、吠える鯨◆自殺する鯨-ストランディングという現象◆神の獣か宇宙からの使者か-J・C・リリーの功罪◆イマドキの捕鯨論争◆戦う調査団長-日本の南極海鯨類捕獲調査と反捕鯨団体の妨害

  • 前半,クジラについて科学的な知識を俯瞰できる.後半は政治的な話も.タイトルにも「神獣」という言葉を使っているが,宗教的な立ち位置の人が絡むととたんに話は面倒になる.そして,そのような宗教に染まった人は世界的に拡がっているようだ.

    本書は捕鯨賛成派の科学者的な立場で書かれており,もともと自分もこちらに賛同している.反対の立場をとっている人の良書はあるだろうか.

  •  最近話題の鯨の大量座礁(マス・ストランディング)について知りたくて借りた本。
     前半は生物学的な話。鯨の祖先がメソニクスではなく偶蹄類らしいこと、2006年に太地町で発見された後ろ足の痕跡のあるイルカのことなど、個人的に昨年太地町で知ったことなので、興味深かった。またレム睡眠が認められないので、夢は見ないらしいとか、シロナガスクジラの求愛の声が理論上数千キロ先の異性に届く、というのも面白かった。
     後半は鯨が人類における立ち位置的な話。
     マス・ストランディングの原因は①内耳が寄生虫で傷害される説、②遠浅の海で彼らが発する位置確認の音波がうまく働かず座礁する説、③地磁気に頼った航路の誤りがある。
     ③に関しては、地磁気の等高線のようなものに沿って泳いでいるが、その航路の先に陸地がぶつかると、そのまま座礁してしまうというもの。これを曲解して、「先頃のNZのゴンドウクジラ100頭座礁は大地震の前触れ」とかいう無責任なツイッター発言などが目立ち、私は腹に据えかねていた。2011年1月刊行のこの本には「マス・ストランディングも増えていない、たまたま皆の関心が強くなっただけだ」とある。3.11以降もそうなのか、是非知りたいところだ。
     またマス・ストランディング後、鯨を救うべきかどうか、という話も考えさせられた。本能として救いたいという気持ちはだれにでもあるが、海に帰せたとしても生き残るれるものはほとんどいないという。そして相手が巨大ほ乳類だと言うことを忘れ、救助に躍起になるあまり、命をおとす人もいるとのこと。欧米では安楽死をさせる動きもあり、そういう議論もすべきなのだと初めて知った。
     捕鯨に関しても言及しており、著者は賛成派。ここにこの本のタイトル「クジラは海の資源か神獣か」があり、捕鯨、イルカ漁の残酷さばかりクローズアップしている風潮を嘆いている。鯨好きの私も常々そう思っていた。人は生きていく限り肉を食べ、皮の鞄を持ち、動物の屍の上に生きている。もしベジタリアンだったとしても、肉を食べた人が作った米を食べたりしているわけで。手が汚れていない人はいないはずなのだ。
     昨年太地町に旅行に行くに当たって、いろいろ調べていたら、全世界からこんなに酷い言われようなのかと驚いた。彼らはその土地を守り耕して米を作る農家の人とスタンスは変わらないはずなのに。
     相手が巨大だからこそ神格化される鯨。問題は尽きないことを改めて実感した。
     ただ、鯨、イルカを扱った映画の件は少し長い感あり。そこで☆4つ。

  • ストランディングについての部分が一番面白かったです。

  • 文が上手いので、硬いテーマなのだけど読みやすい。
    『鯨は国を助く』は食からのアプローチがメインだったけど、また違った視点からで、この2冊の一般書(入門書)を読めば、鯨をめぐる問題が本当にざっくりと掴めると思います。この厚みでよくまとまった良書です。

  • 鯨やイルカの幻想を払拭してくれるわけではないが、その生態がよく分かる一冊。

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