叛逆 マルチチュードの民主主義宣言 (NHKブックス)

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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140912034

作品紹介・あらすじ

2010年代初頭、世界中にデモが広がった。「アラブの春」、スペインの「M‐15」運動、アメリカのウォール街占拠…敵は金融業、マスコミ、警察、そして政治家だった。抵抗するのは、多様な人間の集合体=マルチチュード。かれらは自然発生的に集まり、リーダー不在のまま支配者層を動揺させた。一部の人だけを利する政治が否定され、あたらしい統治のかたちが示されたのだ。機能不全に陥った現在の代議制民主主義にNOを突きつけ、真に民主的な政治をとりもどすための「宣言」の書。

感想・レビュー・書評

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  • 明らかに翻訳の質が低くて読めなかった。

  • 国家主権の戦争から民族内紛へ。単一主権からマルチチュードへ。
    集中型からネットワーク型。
    こういった世の中のトレンド変化を踏まえた記述である。
    ただ、本書は哲学の書であり、なぜかそういうトレンドとなっているのかや、処方箋を示しているわけでもない。
    筆者達は左翼の復権とか、究極の民主主義を願うとは言っているが。
    (スピノザの『政治論』が再解釈がベースらしい)

    (共著3部作)
       『帝国』 大学319.N62
       『マルチチュード』(本書)
     × 『ディオニュソスの労働』 人文書院 2008

  • 難しい......。よく理解できなかったので★ふたつ。

  • 「借金を負わされた者」、「メディアに繋ぎとめられた者」、「セキュリティに縛りつけられた者」、「代表された者」。危機が生みだした主体形象とされる、この4つ。

    様々な困難な状況にある人と1対1でじっくり話すとき、この4つがいつも頭からはなれない。私もあなたも、ここにはまりこんでいるんですよと。

    だからネグリとハートは言う。「借金をひっくり返せ」「真理を作り出せ」「逃走し、自由になれ」「自らを構成せよ」と。

    2010年暮れのチュニジアに始まる一連の社会的闘争は、まさに「自らを構成し」、憲法を制定する「構成的権力」を握る民主主義の闘争であった。エジプトがそうであるように、紆余曲折が今後もあろう。しかし、議会制民主主義に閉じ込められて窒息寸前な「民主主義」と比べて、マルチチュードが発揮するそのダイナミズムには圧倒される。

    さて、翻って日本では、旧左翼からいわば「逆コース」的な巻き返しを恨む声も聞こえる。しかし、ここでこそ、民主主義を議会制民主主義の呪縛から救いだしてやることが課題ではないのか。議会制民主主義を民主主義の一つのモメントとして落としこんでやること。小さくてもそこかしこで、すでにその実践は始まっているのではないか。

  • 【新着図書ピックアップ!】アラブの春に代表される政治体制の変革の嵐が吹き荒れている。新しい国家・世界観を構築するための多角的な考察。

  • 読んだ跡の残尿感あり。
    アメリカ人の運動論ではたして「脱資本」は達成できるのか。激しい疑問が残ったが・・・。

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著者プロフィール

1933年イタリアのパドヴァに生まれる。マルクスやスピノザの研究で世界的に知られる政治哲学者。元パドヴァ大学政治社会科学研究所教授。 早くから労働運動の理論と実践にかかわる。79年、運動に対する弾圧が高まるなか、テロリストという嫌疑をかけられ逮捕・投獄される。83年にフランスに亡命。以後14年間にわたりパリ第8大学などで研究・教育活動に携わったのち、97年7月、イタリアに帰国し、ローマ郊外のレビッビア監獄に収監される。現在、仮釈放中。 邦訳に『構成的権力』『未来への帰還』『転覆の政治学』等がある。

「2003年 『〈帝国〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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