『平家物語』の再誕 創られた国民叙事詩 (NHKブックス)

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  • NHK出版
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本棚登録 : 36
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140912065

作品紹介・あらすじ

平家一門の栄華とその没落・滅亡という古代末期の変革の時代を見事に活写した『平家物語』。それが、いつ国民的叙事詩へと祭り上げられ、さらには「国民文学」となったのか。「奉公の誠」を語る日本精神の粋、もののふの文学、歴史の進歩と発展を語る、新興階級武士の文学…。『平家物語』に幾重にもまとわりつく古びた「読み」。そうした読みの形成過程を剥ぎ取り、『平家物語』が時代とともにどう歩んできたのかを明らかにする。近代日本の隠されたもう一つの道筋を辿る労作。

感想・レビュー・書評

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  • 期待ほどスキャンダラスな話ではなかったが、それでも戦時中国粋主義の先棒を担いだ国文学者たちが戦後掌を返す様は圧巻だった。サブカルが古典を勝手気儘に改変してしまう現代がむしろ健全。

  • 「平家物語」が前近代から現代にかけて、それぞれどのように読まれてきたか、を辿る。著者の関心は本書後半の戦時下・戦後にあり、それはそれでおもしろく納得もいくのだが、自分としては本書前半の前近代・明治期の方がより興味深かった。前半は時代によって儒学・国学・洋学それぞれの発想で軍記物が読まれていく様を描くが、後半は戦中だけでなく戦後も含めて軍記物が「民族」「国家」の枠から出られなくなっていく様を描いており、何とも息苦しい。著者はそうした息苦しさから平家物語を再び解き放ちたいと願っている。

  • (後で書きます)

  • 三国志演義ほどではないが、どうも正しい歴史じゃないぞ、と底を見られ、歴史の記録として失格になり、文学として再デビューした平家物語。明治に入ると、西洋列強に並ぶような立派な叙事詩が欲しい、という社会的欲求により、これは叙事詩だ、と言い張ってみた。そうすると登場人物も英雄としてアップグレードされる。およそ政治利用などもされながら、世相を反映させてきた、なんていうとちょっとチャチな言い方だけど、現代では「薄い本」になっちゃったりもする。それでいいではないか、と。

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著者プロフィール

早稲田大学教授
著書・論文:『軍記と王権のイデオロギー』(翰林書房、2005 年)、『『平家物語』の再誕創られた国民叙事詩』(NHK 出版、2013 年)、『平家物語大事典』(共編著、東京書籍、2010 年)など。

「2020年 『武者の世が始まる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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