有性生殖論 「性」と「死」はなぜ生まれたのか (NHKブックス 1212)
- NHK出版 (2014年1月23日発売)
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感想 : 4件
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784140912126
みんなの感想まとめ
生物がなぜ有性生殖を選択したのか、その進化の背景に迫る一冊です。ゾウリムシを中心に、さまざまな生物の生殖戦略を探求し、遺伝的多様性の意義や突然変異の役割について新たな視点を提供します。一般的には「多様...
感想・レビュー・書評
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ゾウリムシを中心に有性生殖進化や意義について語られている。
進化論的な観点での通説として、多様性をもたらすための有性生殖と次世代へのリソースを明け渡すための死というプログラム という見解しか持ち合わせていなかったが、読了後に、一倍体の過程を経ることによる「突然変異遺伝子の有用性検証」なる新しい観点での意義を知ることができて興味深かった。
死の概念が生まれたのも、抑制系の進化と表されていて、おもしろい。
真面目に読むと頭がいたいので、流し読みレベルがちょうどいいかも詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
哺乳類、爬虫類、魚類にとどまらず、虫や植物、菌でさえほとんどの種が生殖のための性を持つ。
ではなぜ、生物は細胞分裂ではなく、有性生殖により殖えるようになったのか。
本書は『なぜ生物は殖えるのか』という、ともすれば哲学的ともなる問いの次の一歩『なぜ殖えるために性を獲得したのか』を考え、有性生殖戦略の意味を問う一冊だ。
さて、この問いに対してほとんどの人は『遺伝的多様性のため』と答えるだろうが、多様性のためにとりうる他の戦略と比較した場合、本当に効率が良いのだろうか。
例えば細胞分裂した同一個体が接合する自系接合。単一細胞が減数分裂と受精により個体を増やす自家生殖。無性個体が有性個体を餌として取り込むことで有性化する有性活性化。
ゾウリムシやプラナリアなどの研究から筆者が得た結論とは、突然変異の検証と遺伝的多様化に有利な戦略である同系交配が先行して出現し、その後遺伝的多様性を保ちつつ、表現系の多様性を抑制する異系交配に発達したという進化過程だ。
本書を読むような読者に対しては自明としているからか、劣性遺伝と優性遺伝の進化的な意味について語られないので、例えば劣性ホモが適応的な形質の集団中には優性遺伝子を持つ生物が存在しないなどという違和感を覚える前提もそこそこ出てくるが、本書にはそういった疑問点を楽しめる余地がある。
また、書き口についても柔らかく、作中に自身を登場させ、キャラクターと会話させるような形式はラノベでなくとも痛々しくて見てられないものが多いのだが、本書においては、おそらく一番聞かれたくないような直接的な質問がズバリと的を得ており、著者の真摯な姿勢が伺える。
なぜ人間には性があるのか。なぜ生物は生殖するのか。なぜ生命は生まれ、死ぬのか。
存在を問う量子力学が科学であるように、意味を問う哲学もまた、科学だ。 -
意外な展開だったけど、有性生殖なる機能が生まれ発達してきた理由が一応これで説明できる。
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