- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140912249
感想・レビュー・書評
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NHK出版 ハイエク 今西錦司
「自然・人類・文明」
かみ合ってない対談は、読んでるこっちも気まずくなる。別々の講義のような構成
ハイエクの論文「人間的価値の三つの起源」には 今西進化論のキーワードが見られるし、今西氏の「変わるべくして変わる」という結論は ハイエクの自生的進化と似ている気がするが、合わないらしい
ハイエク「人間的価値の三つの起源」の末文「人間は、彼の運命の主人ではありません〜人間の理性そのものが〜未知の予測しにくい世界へ、彼を導きながら、つねに進歩し続けるのです」の解釈が難しい
理性が人間と別に進化し続ける、と読める。理性は 文化により創造されるものであり、文化は 自生的に進化するルール(規範、伝統)であるから、ルールが 文化を通して 理性を作り、人間を聡明にする、あたりの解釈でいいのだろうか?
対照的に 今西「すみわけ」論 は わかりやすい
*種は未利用地に植民するようにして適応し、前からいる者を押し退けたりしない〜生物社会が一個のシステムであり、各部分は分業するように全体を支えている
*種のレベルから見ると個体には差がなく、どんな個体が生き残りどんな個体が死んでも、種は存続する〜個体の違いが新しい主義を生むとしたダーウィンと対立
*進化そのものは必然であるので、突然変異にはよらず、変わるべくして変わる進化説(共存原理)
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ハイエクの経済思想と今西錦司の生物社会の思想と、両方読まねばと思えてくるところが罪つくりな一冊です。