「和歌所」の鎌倉時代 勅撰集はいかに編纂され、なぜ続いたか (NHKブックス No.1285 1285)

  • NHK出版 (2024年6月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784140912850

作品紹介・あらすじ

500年以上続いた未曾有の国家事業——勅撰和歌集
天皇の命を受けて編纂された歌集——勅撰和歌集は、乱世のなか500年以上にわたって生み出されてきた。古今和歌集をはじめ、初期の勅撰集に注目が集まりがちだが、勅撰和歌集が権威を持つようになったのは鎌倉時代以降のことである。しかし、それぞれの勅撰集がいかに編纂されたかは意外なほど知られていない。本書では鎌倉時代の勅撰集がいかに編纂されたかを、新史料も交えてつぶさに描き出す。それによって見えてくるのは、単なる文学史を超えた、和歌と政治の相互補完関係という中世という時代の特質である。

目次
はじめに
序章  和歌所とその源流
第一章 開闔・源家長と歌人たち―新古今和歌集
第二章 撰者の日常―新勅撰和歌集
第三章 創られる伝統―続後撰和歌集
第四章 東西の交渉と新しい試み―続古今和歌集
第五章 和歌所を支える門弟―続拾遺和歌集
第六章 打聞と二条家和歌所―永仁勅撰企画・新後撰和歌集
第七章 おそろしの集―玉葉和歌集
第八章 法皇の長歌―続千載和歌集
第九章 倒幕前夜の歌壇―続後拾遺和歌集

みんなの感想まとめ

鎌倉時代における勅撰和歌集の編纂過程を深く探求した一冊で、和歌と政治が交錯する歴史を鮮やかに描いています。編纂に関わった選者たちの相克や、和歌の潮流の変化、さらには朝廷と鎌倉の政治的思惑がどのように影...

感想・レビュー・書評

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  • 「和歌所」を舞台に鎌倉時代における勅撰和歌集編纂の歴史をたどる一冊。編纂過程の詳細、選者を巡る一族の相克、変化する和歌の潮流、政治との関わりと権威化、など興味深い論点が多くとても面白い。続編構想があるようなので期待。

  •  新古今集が勅撰和歌集の8番目、その後続く新勅撰、続後撰、続古今、続拾遺、新後撰、玉葉、続千載、続後拾遺、そして風雅和歌集まで、鎌倉時代に治天の君の命により編纂された勅撰和歌集の数々。政治的動向とは無縁に思っていた背景が、朝廷と鎌倉、南北朝の政治的な思惑により産まれてきた歴史が面白かった。後鳥羽上皇のスーパーマンぶりがここでも印象的だが、藤原俊成・定家・為家から始まる御子左家の3分流・二条(為氏、為世)、京極(為教、為兼)・冷泉(為相)の3家の対立。為家の妻・阿仏尼の子は為相だけで、彼女が裁判のため鎌倉に下ったのは、為氏との争いのためだったことが分かり、私自身の永年の不知を知らされた。大覚寺統と結びついた二条家が勅撰者の中心であったが、例外として京極為兼が持明院統・伏見上皇の命により玉葉和歌集を編纂したこと、そして冷泉家は鎌倉と結びついたなど政治勢力との関係が驚きだった。
    そして今は二条・京極家が途絶え、冷泉家のみが残るその後の歴史に興味を覚えた。

  • 【本学OPACへのリンク☟】
    https://opac123.tsuda.ac.jp/opac/volume/717461

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著者プロフィール

1971年、東京都生まれ。1997年、慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程中退。熊本大学、国文学研究資料館を経て、現在、慶應義塾大学文学部教授。
【主要編著書】『正宗敦夫文集 ふぐらにこもりて』(東洋文庫 916,928、2024,25年)、『中世和歌史の研究 撰歌と歌人社会』(塙書房、2017年)、『兼好法師』(中公新書、中央公論新社、2017年)、『二条良基』(人物叢書、吉川弘文館、2020年)など。

「2026年 『増訂新版 正宗敦夫の世界 階上階下すべて書にして』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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