この人この世界 2006年2・3月 脳を鍛える (NHK知るを楽しむ)
- 日本放送出版協会 (2006年1月25日発売)
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Amazon.co.jp ・雑誌 (142ページ) / ISBN・EAN: 9784141891390
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(2007.02.05読了)(2006.01.25購入)
「脳を鍛える」川島隆太著、NHK知るを楽しむ、
脳に関する本は久しく読んでいない。計算や書き取りで、脳の老化を防ぐことが出来るということで話題になっている。認知症の種類によっては、症状が和らぐと言う。
科学は、計測機器の発達によって今まで分からないことが分かる様になってそれまでの定説が覆されることもある。科学というのは、絶対と信じる人もいるけれど、結構ころころ変わるので、今定説となっているものも、将来もそうだとは言い切れない。
現在そういう風に言われていると言うだけのことである。物理や化学では、あまり覆る事はないが適用範囲が限定される事はある。それが、人間を含む生物の世界となると因果関係が計測しにくいし、因果関係があると思われたものが原因が別だったりする。
いいといわれても限度を超えると副作用が出てきたりするし、個体によって効果が違ったりするので生命体の研究は難しい。
化粧品の認可条件は、効果があるかどうかではなく、人体に害を及ぼすことがあるかどうかとも言われる(真偽の程は知りません)、のは、もっともなことと言える。
著者の専門は、どのようなことをすると、脳のどの辺りが活性化されるかを調べ、脳の活性化による効果が分かればそれを社会で活用する活動もしていると言うことです。
●研究のきっかけ(2頁)
大脳生理学のサルを使った研究の中で「脳は視覚や聴覚の信号を下にして指を使うと非常に良く働く」という論文が沢山出ていたので「テレビゲームをしているときに脳が沢山働くのではないか」という仮説を持ちました。
比較のために「いやいや勉強する時は脳はあまり働かないが、楽しいゲームをするときは脳は沢山働く」と言うデータを出せればインパクトがあると考えて、実験してみました。
東北大学の学生に内田クレペリンテストを行ったところ、クレペリンテストのほうが脳が働いていたのです。前頭前野に注目すると、クレペリンテストでは左右とも活性化しているのに、ゲームをしているときはあまり活性化していませんでした。
●認知症の本人は何も知らないのか(22頁)
学習療法を通じて健康な状態に戻られた方は、それでも音読や計算を止めたがりません。絶対に続けたいと希望されます。理由として、皆さん異口同音にあそこにはもう戻りたくない」と告白される。皆さん、認知症だった頃の事は「全部分かっていた」と言うのです。
●指の運動は脳の老化を防げるか(46頁)
人間の脳を働かせるには、目的を持って指を使うと言うことが原則になります。例えば楽器の演奏は非常に強い前頭前野の活性化を伴いますし、絵を描いたり字を書いたりすること、手芸や裁縫、工作でも良く働きます。料理も同じです。
●脳は午前中よく働く(112頁)
私たちの体には、ホルモンの分泌、行動量、基礎代謝などのすべてにおいて、24時間の日内リズムがあります。脳の働きのもそのリズムがあり、午前中に一番よく働くことがわかっています。ですから、脳を効率的に使おうと思えば午前中が一番効率が良いと言えます。
(早く出勤して、早く帰りましょう。)
●前頭前野の発達時期は2度ある(130頁)
前頭前野の場合は、0歳から3歳までの間にいったん急激に神経細胞が増えた後、11,12歳に再び急激な発達が行われます。学年でいえば小学5年生以降です。小学校教育に関わる人たちは、よく小学4年生と5年生の間に壁があるといいます。4年生くらいまでの間はどちらかと言うと受動的な学びが中心で、5年生以降になると学びが能動的なものに変わり、自分自身にとって意味のある事は一生懸命やるけれども、価値観を見出せないとやらなくなってしまいます。
☆関連図書(既読)
「頭脳」林髞著、カッパブックス、1958.09.25
「脳の話」時実利彦著、岩波新書、1962.08.28
「100億の脳の細胞」塚田裕三著、日本放送出版協会、1966.10.25
「頭脳管理」品川嘉也著、朝日出版社、1981.03.25
「脳と言葉」荒井良著、社会思想社、1982.09.15
「幼児期と脳の発達」荒井良著、主婦の友社、1983.07.01
「唯脳論」養老猛司著、青土社、1989.09.25
「私の脳科学講義」利根川進著、岩波新書、2001.10.19
著者 川島 隆太
1959年 千葉市生まれ
1985年 東北大学医学部卒業
同大学院医学研究科修了
医学博士
スウェーデン王国カロリンスカ研究所客員研究員
東北大学助手、同専任講師を経て、同大学教授
脳機能イメージング研究
(2007年2月10日・記)
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