100分de名著 銀河鉄道の夜 宮沢賢治 悲しみを、乗り越えよ (2011年12月) (NHKテキスト)

  • NHK出版 (2011年11月25日発売)
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Amazon.co.jp ・雑誌 (112ページ) / ISBN・EAN: 9784142230099

感想・レビュー・書評

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  • 先日、伊予原新さんの「青の果て」を読んで
    「銀河鉄道の夜」についてもっと知りたいと思い手に取った。

     著者は「戦場のメリークリスマス」の助監督や「銀河鉄道の夜」の翻訳もしており賢治ファンの一人でもあります。

     本書は宮沢賢治の生い立ち、思想、宗教、自然科学などを絡めながら銀河鉄道の夜を中心に宮沢賢治作品の著者の見解が描かれています。

    著者の宮沢賢治、『銀河鉄道の夜』への愛情が文章からひしひしと伝わってきました。
    特に新しい発見は得られなかったが面白いなと思ったのがラストシーンの見解。
    親友なのになんでって、以前から疑問に思っていたところなんだけど、あぁ、そういう解釈の仕方もあるのかと。でもちょっと違う感じがするんだよな。

    あともう一つが、賢治が生前評価されていなかった著者の考え。
    賢治を星にたとえ、星の光が地球に届くまで時間がかかるからタイムラグが生じた。
    19世紀に生まれた21世紀の作家だと。
    この例えは巧いなー。
    宮沢賢治は童話作家だから文豪には入らないという声もあるけど、私のなかではもっと評価されても良い作家だと思っている。
    その証拠に現代でも読み続けられ色褪せることなく音楽、文学などの分野でオマージュ、モチーフされている。

    賢治の『永久の未完これ完成である』という言葉がある
    本書はあくまでも著者の見解。
    「銀河鉄道の夜」は今の未完のままで終わりや答えはいらないんじゃないかな。
    ファンタジーでもあるから、いろいろ想像できた方が夢があって面白い。
    不思議なことや謎があるから自分なりに考え想像力を掻き立てられる。
    人それぞれ自分の世界観で旅に出れば。

  • 解説としては『銀河鉄道の夜』のベタな読みと言えますが、はじめて読む人と共に読んだことがある人も、あぁこういう意味だったかなー、とまた読み返してみたくなるのではないでしょうか。
    著者パルバースさんの個人的体験話も興味深いと思います。

  • 被災地でもある岩手県出身の宮沢賢治の話。彼の奥行きを感じることで,改めて賢治を知るヒントを得られる。解説の氏の考え方についてはまあそれはそれとして,宮沢賢治に集中したい。

  • (2012.04.21読了)(2011.12.01購入)
    100分de名著という番組の2011年12月分テキストです。
    「2011年3月に起こった東日本大震災の話をからめながら、賢治が『銀河鉄道の夜』で私たち、地球に生きるすべての人間に伝えようとしたメッセージについて、僕なりに感じたことをお話ししていこうと思います。」(7頁)
    『銀河鉄道の夜』は、ジョバンニとカムパネルラの物語です。
    ジョバンニとカムパネルラは、銀河鉄道に乗って旅をするのですが、銀河鉄道は死亡した人が、それぞれの天国へ行くためのものでした。カムパネルラは、川に落ちた友達のザネリを助けるために川でおぼれて死亡していたのです。

    【目次】
    はじめに 世界に生きるすべての人へ
    第1回 賢治の伝言
    第2回 悲しみから希望へ
    第3回 みんなつながっている
    第4回 ほんとうの幸い

    ●賢治作品のテーマ(9頁)
    賢治の作品の多くは少年や動物、自然などをモチーフにしながらも、単なる子供向けの童話としては書かれていません。「人が他人と協調して生きていくには何が必要か」「どうすれば人間は、一度しかない人生に意味を持たせることができるのか」「自然と共存していくために我々は何をなすべきか」といった人間の生き方に対する根源的なテーマがそこに込められています。
    ●日蓮宗の伝道者(19頁)
    彼は作家ではなく、日蓮宗の伝道者と言った方がいいのかもしれません。
     世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない
    ●『銀河鉄道の夜』を取り上げる理由(26頁)
    『銀河鉄道の夜』には、大切な人を失ったという死に対する悲しみが描かれているのと同時に、悲しみの乗り越え方や、その先の明日へと歩みを進めるためのヒントが書かれている
    ●妹の死(33頁)
    なぜこんなに愛しているのに、妹は死ななければならなかったのか―。そんな悲しみに耐えかねていた賢治が、妹の死を理解し、受け入れるために書かれたのが『銀河鉄道の夜』でした。
    ●悲しみを乗り越える(49頁)
    「自分がつらくて悲しい時こそ、相手を思いやることが大切。それが悲しみを乗り越えることにつながっていく」
    ●私はあなた(54頁)
    「私はあなたであり、あなたは私であり、すべての人はつながっている」
    ●そのまま描いた(59頁)
    賢治のすごさとは、見たものをそのまま描いたところにある
    自然を観察し、自然に同化し、そしてそれを作品のなかに再現しようとした「自然の報告者」。
    ●カムパネルラ(89頁)
    誰だって、ほんとうにいいことをしたら、いちばん幸せなんだねえ。

    ☆宮沢賢治さんの本(既読)
    「新編 宮沢賢治詩集」宮沢賢治著、角川文庫、1953.12.20
    「注文の多い料理店」宮沢賢治著、角川文庫、1956.05.20
    「セロ弾きのゴーシュ」宮沢賢治著、角川文庫、1969.02.10
    「銀河鉄道の夜」宮沢賢治著、角川文庫、1969.07.20
    「宮沢賢治の愛」境忠一著、主婦の友社、1978.03.30
    「兄のトランク」宮澤清六著、筑摩書房、1987.09.20
    「教師宮沢賢治のしごと」畑山博著、小学館、1988.11.20
    「それぞれの賢治」澤口たまみ著、世界文化社、1992.11.20
    (2012年4月27日・記)

  • 「銀河鉄道の夜」ではなく、「ポラーノの広場」から

    ぼくはきっとできるとおもふ。なぜならぼくらがそれをいまかんがへてゐるのだから。

    オノヨーコの言葉にも通じる。

    それにしても、このNHKテキスト「100分de名著」シリーズは素晴らしい。

  • ■書名

    書名:宮沢賢治『銀河鉄道の夜』 2011年12月 (NHK100分de名著)
    著者:ロジャー・パルバース

    ■概要

    NHK教育テレビで放送している番組のテキスト版。
    宮沢賢治の"銀河鉄道の夜"を4つのテーマに分けて、紹介しています。

    1.賢治の伝言
    2.悲しみから希望へ
     3.みんなつながっている
     4.ほんとうの幸い

    ■感想

    何となく、今までの毛色が違う本を選んでいたので、嫌な予感はし
    たのですが、残念ながら予感が当たってしまいました。

    個人的には、まったく響かない本でした。

    「銀河鉄道の夜」自体そんなに読みにくいものでも、長いものでも
    無いので、これを読むくらいなら原作を読んだ方が面白いと思い
    ます。

    この方が宮沢賢治を崇拝するのは勝手ですが、これでは、あまり
    に視野が狭い感想文です。

    何度も、「同時代に宮沢賢治のような作家はいない」と言っていま
    すが、「おまえ、この時代の何を知っているの?」と思ってしまい
    ますね。
    明らかに、自分の知識が世の中の全てという前提でお話しをしてい
    ます。
    しかも、言っている事はだから何?という感じだし・・・・
    宮沢がどんな宗教だとかどうでもいいです。

    挙句の果てに、散々偉そうな事言ったあげく、最後の最後で、「み
    んなが宮沢賢治を自分なりに解釈すればいい」とか言って、自分の
    責任(言葉、考え方、信念)放棄しちゃうし。

    そんな結論出すなら、初めから語るなよ!!

    このシリーズの中で、汚点です。

    ■気になった点

    ・誰だって本当にいいことをしたら、いちばん幸せなんだねえ。

  • 11/11/26。

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著者プロフィール

(Roger Pulvers)
アメリカ合衆国出身のオーストラリアの作家、翻訳家、劇作家、演出家、映画監督。東京工業大学名誉教授。ニューヨークでユダヤ人の家庭に生まれる。カリフォルニア大学ロサンゼルス校を卒業後、ハーバード大学大学院で学ぶ。1967年に初来日。京都に居を定め、京都産業大学でロシア語やポーランド語の講師を務めた。1972年にキャンベラのオーストラリア国立大学に赴任し、日本語や日本文学を講義。1983年製作の映画『戦場のメリークリスマス』で大島渚の助監督を務めた後、再び来日し、演劇活動を行う。2007年製作の映画『明日への遺言』において、監督・小泉堯史と共同で脚本を執筆。2008年、第18回宮沢賢治賞を受賞。2013年まで、東京工業大学教授、世界文明センター長。同年、「雨ニモマケズ」の翻訳で第19回野間文芸翻訳賞受賞。2015年、第9回井上靖賞を受賞。2017年製作の映画『STAR SAND―星砂物語―』で初監督を務める。原作は自身の執筆による小説『星砂物語』。2018年、旭日中綬章受章。2019年、オーストラリア勲章受章。主な著書に『驚くべき日本語』、『もし、日本という国がなかったら』、『賢治から、あなたへ 世界のすべてはつながっている』、『英語で読む石川啄?木:自己の幻想』、『ぼくがアメリカ人をやめたワケ』など。

「2025年 『時の一針一針』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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