100分de名著 夜と霧 フランクル 絶望の果てに光がある (2012年8月) (NHKテキスト)

  • NHK出版 (2012年7月25日発売)
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Amazon.co.jp ・雑誌 (112ページ) / ISBN・EAN: 9784142230174

感想・レビュー・書評

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  • 「創造価値」「体験価値」「態度価値」
    という3つの価値の話が印象的でした。

    創造価値は、自分に与えられた仕事に、最善を尽くすこと。

    体験価値は、「ただそのことを思い出すだけで、心が満たされ、生きていてよかったと思えるような記憶」があると、それを支えに生きていけるということ。

    態度価値は、変えられない運命に直面したとき、どのような態度をとるか、ということ。

    読みながら、想起されるいろいろな想いもあり、さっと読める文量でありながら、味わい深い一冊でした。

  • 946

  • 告白しよう。私は夜と霧自体を未読である。
    でも、先にこの本で背景や内容について多面的に理解できたことはとても良かった。
    精神科医フランクルはアウシュビッツこそ数日間の滞在であったが四つの収容所を経験し、死と隣り合わせの環境におかれた。悲惨な状況下で人間が無感動、無関心、無感覚になる中で、それでも人間らしさを失わない人の共通点を見出す。
    そして
    どんなに私たちが人生に絶望しても、人生が私たちに絶望することはない
    と鼓舞する。
    誰かのため、何かのために悩むこと、その苦悩が生きる意味につながる。
    理由のある苦しみになら耐えられるが、理由のない苦しみには耐えられない。

    辛い環境の中でも、もう少し頑張れないか、解放されてからやるべきことがあるのではないか?、という心の声が人生からの問いかけであり、その一つ一つに耳を傾け、決断していくことが人生である。
    それが、
    それでも人生にyesと言う
    の意味。

    原作は読書療法として悩める方にも勧められているという。悩んだ時、人生の意味を見失った時には読みやすい本書が手元にあると良いと思った。

  • 「人間は、人生から問いかけられている」この言葉の重みはフランクル自身が収容所において絶望の中から現れてくるものの一つだと思う。 人間はなぜ生きているのかという問いかけではなく。 人生そのものが問いであり、答えなのだ。

  • 再放送があったら見ましょ。オススメ!

  • 『夜と霧』をわかりやすく解説してくれている。

  • 伯母が俺の行く末を心配してこの本を薦めてくれた(笑)ので、素直に読んだ。

    過去にも『夜と霧』は所有していたが、読まずに売ってしまった。いまこの解説本を読むと、なるほどフランクルはなかなかいいことを言っていることに気づいた。

    スピリチュアルに馴染んでいる人は、受け入れやすいかと思う。別の角度から見れば、そういう説明もありかも、と感じるだろう。

    創造価値と体験価値については、最近ちょうど実感しているところだ。俺の場合は、いまのタイミングで読んでちょうどよかったと思う。

  • 与えられた条件は人によって違う.特に,困った状況の下でどうすればよいのかを示唆してくれる救いの本.

  • 讌オ髯千憾諷九〒遉コ縺輔l繧倶ココ縺ョ蟆雁宍縲ゆココ逕溘°繧峨?蝠上>縺ォ遲斐∴繧医→縺?≧繝。繝?そ繝シ繧ク縲∽ク?縺、縺ョ豁」隗」縺九b縺励l縺ェ縺??

  • 雑誌

  • 生きることに希望を持てない、と思った人は病魔に負けていった。その中で、あの極限状態でどうやって生き残ることができたのか?「生きる」という概念が自分に何かを期待しているからだ、というコペルニクス的思考ができたからではなかったか?僕はきっと「生きる」ことに何かを期待されている。期待されている限り生きようと思う。何故生きるか?生かされているからだ。

  • 夜と霧

    アパシー 感情の消失
    罵りにも何も感じなくなる
    環境への順応
    思考や欲望の幼稚化

    希望と絶望、最後に残る希望
    人生が自分に何を期待するのか
    過去の体験は何者も奪うことはできない、過去が照らす光
    →東北と家族

    人間とは
    ガス室の発明と祈り

  • 人生の意味は私たちがそれを問い求められるのに先立って、常にそしてすでに人生の方から送り届けられている。人間がなすべきことは生きる意味はあるのかと人生を問うことではなくて、人生の様々な状況に直面しながら、その都度人生から問われていることに全力で答えていくこと。
    人間は人生から問われている存在である。

  • 今回は原本ではなくNHKテレビテキスト。
    〈フランクルの言葉には、絶望しかかっている私たちの魂を鼓舞してくれる不思議な近くがある。〉との著者のお言葉。


    『未来に希望を持つことが生きる力になる』

    『人生から何を期待できるかではなく、人生が何を我々から期待しているかが問題』であり、自分に与えられている使命、意味を見つけ、誰かや何かの為にできることを行う。

    『幸福それ自体を追い求めるのはやめ、人生からの呼びかけに応えていき〈意味と使命中心の生き方〉をすることで幸福も自己実現も自ずと生じてくる』

    『あなたがどれほど人生に絶望しても、人生の方があなたに絶望することはない』

    生き抜く力を湧きおこしてくれる
    素晴らしい言葉の数々です。

    私自身。実は逆境真っ只中だが何を問われているのか、よく考えたい。

    今度は原書にトライしよう。

  • 放送も視聴して、「夜と霧」の新訳版も旧約版も読んで、別の解説本も読んで、関連本の一冊として読んだ。
    指南役の筆者が情熱を込めてフランクルの思想について語る。薄い冊子に収めるべく、Keyphraseとエッセンスのみを詰め込んである。
    収容所という極限状態においても「希望を見つけられる」し、「どう振る舞うかは自分次第である」。言い訳はできない。

  • 番組もとてもよかった。宗教ほどあやふやでもなく、科学ほど冷たくもない、程よく情緒的で普遍的な生き方の指針。どんなに不条理なことが起きてもそれに対して自分がどういう態度を取るかは誰にも奪えない最後の自由だ、という点にしびれた。

  • 一ページ一ページが重くて、でも読み進めずにいられない。

  • 極限の状態で人間を分けるものとは?
    どんな時も人生には意味がある。

  • それでも人生にイエスと言うに感動し、フランクルの本を何冊か読みました。
    フランクル入門書として読みやすい内容に仕上がってます。

    思いを新たにしました。
    自分が人生から何を問いかけられているのか?
    自分のすべきこと、自分を待っている何かがある・・・

    最近、自己の幸福ばかり考えていたことに気付き、反省しきりです。

  • 欲望に支配されるのではなく使命に生きる。人生に問われている。人とのつながり(愛)。悩むことは尊い。


    ◇なんとかしのいで生きて帰ってこられた人と、亡くなった人との違いは何だったのでしょうか。人生の「生」と「死」を分けたものは何だったのでしょうか。その一つは、「未来に対して希望を持ち得ているか否か」であったとフランクルは言います。
    ◇殺伐とした毎日の中でも祈ることを忘れず、感謝することを忘れないような精神の持ち主は、生き延びることができた確率も高かったのです。
    ◇「なりたい自分」になれないし、「欲しいもの」は手に入らない。自分がイメージしていた人生は一向に訪れない。すると心の中が不満でいっぱいになって、こんな人生になんの意味があるのか、ただ苦しいだけじゃないか、などと思うようになります。私達人間がなすべきことは、生きる意味はあるのかと「人生を問う」ことではなくて、人生の様々な状況に直面しながら、その都度、「人生から問われていること」に全力で応えていくこと、ただそれだけだというのです。
    ◇フランクルの心理学では、「あなたの内側に何かを探し求めないでください。心の内側を覗きこまないでください。」と言います。そして、次のように問うていくように促すのです。「この人生から、あなたに与えられている意味、使命は何でしょうか」「あなたのことを必要としている誰か、あなたのことを必要としている何かが、この世界にはあるはずです。その誰かや何かに目を向けましょう。」「その誰かや何かのために、あなたにできる事は何があるでしょうか?」
    ◇もし人が、自分の欲しい物、やりたいこと、なりたいものなどを探し続けていくと、どうなるでしょう。人間の欲望には際限がないので「もっともっと」と何かを求め続けてしまいます。そしてその結果、人は絶えざる欲求不満の状態に追い込まれていくのです。「人間」と「人生」の関係に逆転現象が生じてしまっています。「人生」は、「人間の欲求や願望」を実現する舞台のように捉えられています。そのためには人は「欲望や願望中心の生き方」をするようになり、その結果「絶えざる欲求不満の状態」に追い込まれてしまうのです。現代人がこうしたあり方から脱却するためには、人間はまず「人生から問われている者」である、という自ら原点に立ち戻らなくてはならないとフランクルは考えました。日々直面する人生の状況から発せられてくる問いかけに精一杯応え、自分の人生に与えられた固有の使命を全うしていく。という人間本来のあり方へと立ち戻ることで、人ははじめて慢性的な不満状態から開放されていく、とフランクルは言うのです。
    ◇私たちがなすべきこと、行うべきことは、私たちの足下に、常に既に送り届けられてきている「意味と使命」を発見し、実現していくこと。
    ◇各個人がもっている、他人によって取り替えられ得ないという性質、かけがえないということは―意識されれば―人間が彼の生活や生き続けることにおいて担っている責任の大きさを明らかにするものなのである。待っている仕事、あるいは待っている愛する人間、に対してもっている責任を意識した人間は彼の生命を放棄することが決してできないのである。
    ◇フランクルが求めているものは、「自分の欲求や願望中心の生き方」から、「人生からの呼びかけに応えていく生き方」「意味と使命中心の生き方」への転換です。こうした生き方の転換によってはじめて、私たちは生きる意味を実感しながら生きることができるとフランクルは考えたのです。フランクルは人間の「幸福」について求めようとすればするほど逃げていくという逆説性を見て取りました。つまり、人は目の前に人参をぶら下げた馬のように「永遠の欲求不満の状態」に陥り、結局、本当の幸福も喜びも得られなくなってしまう、というのです。幸福を自己実現に置き換えても、同じ事が言えます。
    ◇フランクルの言う「創造価値」の実現には、職業の内容はそれほど重要ではありません。「自分に与えられた仕事にどれだけ最善を尽くしているか」だけが重要であって、仕事の大きさや社会的な価値が問題ではない。
    ◇ほんとうに自分にあった仕事はいくら頭で考えてもわかるものではありません。とりあえずいま与えられている仕事に全力で取り組んでいるうちに、あとで振り返ると、それが「天職」であったことがわかったりもするものです。
    ◇人間が体験しうる中で究極の体験価値の一つは、やはり「愛」です。人間は、人とのつながりなくして、生きている喜び、を感じることはできません。フランクルの過酷な収容所での日々を支えたのも、生きているかどうかもわからない「妻への想い」でした。
    ◇強制収容所という同じ体験をしても、それに対してその人がとる「態度」によって人は天使にもなり、悪魔にもなりえたのです。すべては、自分の運命に対してその人がとる精神的態度にかかっていたのです。
    ◇死の数時間前にとった入院患者の言動。(たとえ明日死刑になろうとも)人間が人間たらしめるものとは。
    ◇フランクルは、容易なポジティブ・シンキングによって前向きに生きるよりも、悩むべき人生の本質的問題に直面した時には、それをごまかさず、目をそらさず、真正面から、とことん苦悩してよいし、そうすべきだ、苦悩には意味があるし、苦悩の極みにおいてこそ人間精神は真に高められていく、と考えたのです。
    ◇犬や猫は自分の生の意味を問うたりはしません。ただ、その瞬間、瞬間を、本能に従って生きています。人生の意味に疑問を感じることは、人間固有の能力なのです。
    ◇うまくいかないことは人生にはつきものです。しかし、人は絶望の淵に陥った時にこそ、しばしば人生の意味を問求め始めるものなのです。絶望の底にある時にこそ、ひらりと反転して精神性の高みへと飛翔しうることがあるのです。
    ◇あなたがどれほど人生に絶望しても、人生のほうがあなたに絶望することはない。

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著者プロフィール

筑波大学人間学類卒業、同大学院博士課程修了。英国イーストアングリア大学、米国トランスパーソナル心理学研究所客員研究員、千葉大学教育学部講師、助教授を経て、明治大学文学部教授。教育学博士。日本トランスパーソナル学会会長、日本カウンセリング学会認定カウンセラー会理事、日本生徒指導学会理事。臨床心理士、上級教育カウンセラー、学会認定カウンセラーなどの資格を保有。テレビ、ラジオ出演多数。著書に『カール・ロジャーズ カウンセリングの原点』(角川選書)、『フランクル心理学入門 どんな時も人生には意味がある』(角川ソフィア文庫)、『はじめてのカウンセリング入門 上 カウンセリングとは何か』『下 ほんものの傾聴を学ぶ』(ともに誠心書房)、『思春期のこの育て方』(WAVE出版)、『50代からは3年単位で生きなさい』(KAWADE夢新書)など多数。

「2022年 『プロカウンセラーが教える 1on1コミュニケーション入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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