- Amazon.co.jp ・本 (116ページ)
- / ISBN・EAN: 9784142230389
感想・レビュー・書評
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いろんな本を読んでも、今一つピンと来なかった「聖書」だが、今回の放送を聞いておぼろげにわかってきたような気がする。
もともと「聖書」はユダヤ教の聖典であり、これからキリスト教やイスラム教が発生した。「旧約」はキリスト教からみた場合のことで、本来は単に「聖書」と呼ぶ。
旧約聖書は古代ユダヤ民族の、神との関係についての物語である。神に出会い、神が沈黙し、おろおろして、そしておろおろしても仕方ない、待つしかないと分かった、という物語だそうだ。
自分はユダヤ教徒でもキリスト教徒でもはないので、聖書については全く疎いが、欧米の文化は聖書に基づいているものがとても多い。だから文学や芸術、政治までもが聖書に依拠していることがあるので、それらを理解するには、ある程度聖書の知識が欠かせない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
邪道かなと思いつつ、
家族が買ってきたテキストを番組を観ずに読了(笑)
旧約聖書の大まかな枠組みと意義について。
ユダヤ民族が長い歴史の中で作成してきた
多くの文書を集めたものであること、
完結するまでにおよそ500年ほどかかったこと――など。
土地を奪われ離散を余儀なくされた人々が
結束の拠り所とした「物語」の集積、
そのアウトラインだけ、ぼんやりと読み取れた。
「人は何をしても救われず、神の介入を待つしかない」
が、この世の終わりが訪れ神が降臨するのはいつなのか、
はっきりしないという、宙吊りの状態が続くわけだが、
この留保ゆえに信じ続け待ち続けるのが
ユダヤ教徒である……という点は呑み込めた。
一般的に知名度の高い黙示録云々は
綴じ込められたエピソードの一つに過ぎないことを確認。 -
珍しくテーマに対して,批判的な部分もはっきり見えるところが興味深い.旧約聖書の中身というよりも宗教の成り立ちという形式的な部分にも触れられていて面白い.ただし,最後のオチが(あまり紹介してこなかった)物語が楽しいって言われてもなぁ…
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年表がついてて、文書と歴史が俯瞰できた。
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古代ユダヤ民族の歴史書として編纂され物語色が強いが律法としても位置付けられる旧約聖書。相反する見方を内在することで完璧な理解を阻む。救済を求めるものに対して、何をしても救われない、神の介入を待つしかないという中、神は沈黙するまま。現世は罪の状態にあるが故、終末を迎え滅び、神に選ばれし者のみが、善からなる来世にて救われる。この書物に紡がれた思索の連なりがもたらしてきた影響の大きさは計り知れないが、現世的には理解できない。
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ユダヤ民族の歴史そのもの
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(2014.06.29読了)(2014.04.26購入)
【6月のテーマ・「聖書の周辺」を読む】
旧約聖書の内容を紹介してくれるのかな、と思って読んだのですが、ちょっと違っていました。旧約聖書は、ユダヤ教の聖典であるとともに、キリスト教の聖典でもありますが、二つはまったく同じものではなく、一部違いがあるようです。
この本では、ユダヤ教の聖典としての聖書の話になっています。旧約聖書の本家は、ユダヤ教ですので、そのほうが正解なのかもしれません。
ユダヤ教徒にとっては、聖書は、律法であり掟なので、書いてあることは守らなければならないもの、とのことです。いろんなことが書いてあり、書いてあることの中には、相互に矛盾する要求もあるとのことなので、すべてを守ることは不可能とのことです。
聖書は、神とユダヤ教徒との約束なので、ユダヤ教徒が神との約束を守っていれば、神はユダヤ教徒を助けてくれるはずなのですが、神は何もしてくれません。
神がユダヤ教徒を助けてくれないのは、ユダヤ教徒に罪があるからだと考え、神を見捨てるというか、別の神に鞍替えせずに続けているのだとか。
ユダヤ教の神を信じる人が、ユダヤ人ということなので、イスラエルの末裔でも、ユダヤ教徒でなければユダヤ人ではなく、イスラエルの末裔でなくてもユダヤの神を信じるものはユダヤ人とのことです。ちょっとややこしいですね。
【目次】
【はじめに】聖書を全体で理解しよう
第1回 こうして〝神〟が誕生した
第2回 人間は罪の状態にある
第3回 聖書の成立
第4回 沈黙は破られるのか
●聖書の編纂(14頁)
ユダヤ教における「聖書」の編纂は、前五~前四世紀から後一世紀末にかけて行われ、五百年ほどの時間がかかっています。
●ヘブライ語で(22頁)
聖書の文書は、初めの頃は、すべてヘブライ語で書かれていました。ヘブライ語は、古い時代のユダヤ人の言語です。しかし、聖書の編纂が始まる前五世紀から前四世紀頃には、一般のユダヤ人はヘブライ語ではなく、アラム語を使っていました。
●一神教(56頁)
「本格的な一神教」は、「民が罪の状態にある」ということを前提にしたものです。民にどんな不幸が生じても、それは「神のせい」ではありません。
●改宗者(102頁)
非ユダヤ人が「ユダヤ教徒」になれば、そのものは「ユダヤ人」になります。非ユダヤ人で「ユダヤ人」になったものを、「プロゼリット」(「改宗者」)といいます。
●旧約聖書(123頁)
旧約聖書は、古代ユダヤ民族の、神との関係についての物語です。神に出会い、神が沈黙し、おろおろして、そしておろおろしても仕方ない、待つしかないと分かった、という物語です。
☆関連図書(既読)
「死海文書の封印を解く」ベン・ソロモン著、KAWADE夢新書、1998.05.01
「はじめての死海写本」土岐健治著、講談社現代新書、2003.11.20
「旧約聖書 創世記」関根正雄訳、岩波文庫、1956.05.06
「旧約聖書 出エジプト記」関根正雄訳、岩波文庫、1969.01.16
「旧約聖書 ヨブ記」関根正雄訳、岩波文庫、1971.06.16
「モーセ」浅野順一著、岩波新書、1977.12.20
「ヨブ記-その今日への意義-」浅野順一著、岩波新書、1968.10.20
「旧約聖書を語る」浅野順一著、NHKブックス、1979.09.20
「旧約聖書入門-光と愛を求めて-」三浦綾子著、カッパ・ブックス、1974.12.20
「聖書物語」山形孝夫著、岩波ジュニア新書、1982.12.17
(2014年6月29日・記)
内容紹介(amazon)
神はどのように生まれたか?
ユダヤ教やキリスト教の正典であり、イスラム教の成立にも影響を与えた『旧約聖書』。この世界的ベストセラーはいかに成立したのか?「創世記」「出エジプト記」「ヨブ記」など著名な文書を手がかりに、一神教誕生の背景や、神の前で人間はどう描かれるかを読み解いていく。 -
■書名
書名:NHK 100分 de 名著 『旧約聖書』 2014年 5月
著者:NHK出版 日本放送協会
■概要
そういえば―、あの本のこと、何にも知らずに生きてきた
人類の偉大な遺産である古今東西の名著の魅力を、25分×4回の100分
で解説する番組の人気テキストです。名著の現代的意義を見据え、
先人の言葉から明日を生きるヒントを導き出します。
■今月のテーマ
神はどのように生まれたか?
ユダヤ教やキリスト教の聖典であり、イスラム教の成立にも影響を
与えた『旧約聖書』。この世界的ベストセラーはいかにして成立し
たのか? 「創世記」「出エジプト記」など、著名な文書を手がか
りに、一神教誕生の背景や、神の前で人間はどう描かれるのかを読
み解く。
■語り手:加藤 隆
(From amazon)
■感想
毎回思うのだけど、「神」とは、なんだよ
何をするのが、何をしないのが「神」なんだ?
その定義が無いまま、「神は~~してくれる、神は~~してくれない」
とか言っても意味が無いと思うのだが。
毎回思うのだが、こういう「神」の定義って結局、自分達に都合がいい
事をしてくれるか否かという読み手の定義でしかないです。
しかも、曖昧なね。
まあ、こんな事言ってもしょうがないです。
存在しないもの(可能性がゼロ)のものについて論じても全く無意味です。
なんでしょうね。
結局、長々とした物語なんですよね、
聖書って。
で、捉え方は千差万別であり、正解はないから、取りたいようにと
ればいいという、なんともアバウトな物語なんだな~という印象です。
この解説書を読んだ限り、旧約聖書、初心者の私には、旧約聖書の
面白さは分かりませんでした。
宗教=洗脳だな~と本当に思いますね。
矛盾を矛盾では無くて、自己解釈して自分の都合のいいように解釈
するんだから、タチが悪い。
結局、古典とは、聖書も何もかも、権力と欲望に固執した人間が作り、
時代を操った人間が残したものだということ。
それ以外の何物でもない。
そこから何を読み解くか?なんというのは個人で違うわけで。
なんか、宗教がらみの本を読んだ場合、毎回こんな事書いている気
がするな~
もう少し、進歩しないといけないのかな~~~
う~ん、難しい・・・・
■気になった点
・希望のメッセージがいつまでも希望のっメッセージという事は、希望
は希望のままであり、何もかなえられていないということ。 -
旧約聖書の内容を把握しようと思い読みました。
ユダヤ教の成立過程/背景なども理解できたので、教養として読むことはお勧めできる本です。