夏目漱石スペシャル 2019年3月 (100分de名著)

著者 :
制作 : 日本放送協会  NHK出版 
  • NHK出版
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (116ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784142230969

感想・レビュー・書評

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  • 夏目漱石がすごく好き。B級感が好き。B級感の中にある、人間に対する鋭い洞察や優しい眼差しが好き。
    上手く言語化できないけど、何となく好きだわと思っていた夏目漱石小説に、様々な角度から考察が加えられて新鮮であり、理解が深まった。
    文学に正解はないのかもしれない。でもだからこそ、自分と違う視点での考察が、理科を深める。

  • こころに続いて、チャレンジしましたが、どうも良さがわかりません

  • 面白かった。鏡子夫人すごい

  • 面白い作家で、漫画でいうところの手塚治虫でしっくり来た。

    《三四郎(応援小説)》
    美禰子がかなり魅力的に書かれるように設計された小説

    《夢十夜(不安小説)》
    夢の中で神話的な思考を自由に書いている印象。
    ネガティブ・ケイパビリティ(わからないものをわからない状態で理解する能力)

    夢十夜の読み方
    ①象徴解析的に読む
    ②象徴解釈の破綻を楽しむ
    ③象徴解釈の及ばなさを楽しむ
    ④因果律と時間間隔の無効性を楽しむ→夢ならではの破綻性がある

    《道草(胃弱小説)》
    養父養母に「おとうさん、おかあさんは誰だ?」って言われる気持ち悪さ。
    健三=夏目漱石。幼稚的である。

    《明暗(対決小説)》
    「奥」
    おのぶさん(嫁)、吉川夫人(上司の嫁)、おひで(妹)、清子(元カノ)。

  • 去年の3月放送。面白かったので、テキストを買った。三四郎、夢十夜、道草、明暗。ようやく一通り読了。
    漱石は意外と読みやすく、面白いことを実感。

  • 夏目漱石の作品4つを、ユニークな視点で読み解くNHKのテキスト。

    応援小説だの痔小説だの、面白かった。夏目漱石の小説ってやっぱおもしろいよなあと再確認。
    番組は見てないんだけれど、見てたらより面白かったかも。

  • 某NHK番組のノベライズ的な
    「夢十夜」の楽しみ方って、確かにな~~~~

  • ■書名

    書名:夏目漱石スペシャル 2019年3月 (100分de名著)
    著者:阿部 公彦 (著), 日本放送協会 (編さん), NHK出版 (編さん)

    ■概要

    日本近代文学史上に燦然と輝く大作家・夏目漱石。彼の作品は、ありがたく
    押し頂いて読まなければいけないのか? それとも──。気鋭の英文学者が
    『三四郎』『夢十夜』『道草』『明暗』の4作品を取り上げ、B級グルメの
    ように作品を味わうことを提案。漱石作品の新たな魅力に光を当てる。
    (amazon.co.jpより引用)

    ■感想

    夏目さんはやっぱり、面白い言葉使いをします。
    勿論、著名な作家さんは皆さん言葉使いが独特ですし、色がありますし面白いですが
    昔の方のほうが、言葉探し、言葉を作ることが多いように思います。

    言葉が面白いから、物語が面白くなっている典型に感じます。

    わがはいは猫はさすがに長くて途中で飽きてしまいましたが、夢十夜、読んでみます。

  • 「夏目漱石スペシャル」阿部公彦著、NHK出版、2019.03.01
    139p ¥566 C9495 (2019.04.07読了)(2019.02.26購入)
    Eテレのテキストです。
    夏目漱石の四つの作品が紹介されています。『三四郎』(1908年)『夢十夜』(1908年)『道草』(1915年)『明暗』(1916年)です。
    「100分で名著」関連で既に『こころ』『坊っちゃん』が既に紹介されていますので、これで6作品紹介されたことになります。
    夏目漱石は、高校生のころから読み始めたので主な作品はほぼ読んでいます。『夢十夜』は未読です。他の5作品は読んでいますが、『道草』自伝的小説ということなので、『漱石の思い出』夏目鏡子著、を合わせて読みながら読み直したいと思います。『明暗』は、一度読んだのですが、『続明暗』水村美苗著、を読むために再読しました。

    夏目漱石の作品を読み解くために著者が挙げている本を以下にメモっておきます。
    聞いたことのある作品もありますが、知らない作品も多数あります。
    シャーロット・ブロンテ「ジェーン・エア」
    ディケンズ「オリヴァー・ツイスト」
    メアリ・シェリー『フランケンシュタイン』
    ジョージ・エリオット「サイラス・マーナー」
    トマス・ハーディ「テス」
    フォースター「ハワーズ・エンド」
    フォースター「インドへの道」
    帚木蓬生「ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力」
    小林秀雄「作家の顔」
    清水孝純『漱石『夢十夜』探索』
    アンブローズ・ビアス「アウルクリーク橋の出来事」
    ホレス・ウォルポール「オトラントの城」
    エミリー・ブロンテ『嵐が丘』
    ヘンリー・ジェイムズ「ねじの回転」
    リザベス・ギャスケル「クランフォード」(邦題「女だけの町」)
    正宗白鳥「夏目漱石論」
    ヘンリー・ジェイムズ「鳩の翼」
    ヘンリー・ジェイムズ「黄金の盃」

    【目次】
    【はじめに】夏目漱石と「出会う」ために
    第1回 『三四郎』と歩行のゆくえ
    第2回 『夢十夜』と不安な眼
    第3回 『道草』とお腹の具合
    第4回 『明暗』の「奥」にあるもの

    ●成長物語(16頁)
    三四郎青年の成長、日本国家の成長、そして夏目自身の小説家としての成長。『三四郎』という作品には、こうした何重もの成長の物語を読むことができます。
    ●応援小説(19頁)
    『三四郎』は「応援小説」と呼びたくなる作品ではないか
    ●小説の約束事(33頁)
    小説にはいくつもの「暗黙の了解」があります。たとえば、主人公は必要。物語はこの主人公の目に寄り添う形で語られることが多い。いわゆる「視点」の設定です。
    ●『夢十夜』(40頁)
    『夢十夜』には、わかったふりをせず、解を無理に見出そうとしないという態度を読み取ることができます。
    ●『道草』(63頁)
    自伝的な要素がたっぷりで、とくに夫婦関係などの私生活が詳細にわたって描かれています。
    ●胃弱小説(101頁)
    胃弱小説としての『道草』では、得も言われぬ感情的な不快感が腹部のもやもやと連動していました。
    ●『明暗』(108頁)
    『明暗』は「対決小説」あるいは「バトルロイヤル小説」として読めるのではないかと思います。

    ☆関連図書(既読)
    「三四郎」夏目漱石著、新潮文庫、1948.10.25
    「道草」夏目漱石著、新潮文庫、1951.11.28
    「明暗」夏目漱石著、岩波文庫、1990.04.16
    「続 明暗」水村美苗著、筑摩書房、1990.09.
    「夏目漱石『こころ』」姜尚中著、NHK出版、2013.04.01
    「こころ」夏目漱石著、新潮文庫、1952.02.29
    「特別授業『坊っちゃん』」養老孟司著、NHK出版、2018.09.30
    「坊ちゃん」夏目漱石著、新潮文庫、1950.01.31
    (2019年4月8日・記)
    内容紹介(amazon)
    「文豪」をいじる
    日本近代文学史上に燦然と輝く大作家・夏目漱石。彼の作品は、ありがたく押し頂いて読まなければいけないのか? それとも──。気鋭の英文学者が『三四郎』『夢十夜』『道草』『明暗』の4作品を取り上げ、B級グルメのように作品を味わうことを提案。漱石作品の新たな魅力に光を当てる。

  • 「夏目漱石は神経過敏を拗らせて胃潰瘍で亡くなった」と何かで読んで勝手にシンパシーを感じていたので、格好のガイドとなりました。
    まずは『夢十夜』を読んでみたいです。

    あと、「小説とは何か」という根本的な問いに対する答えがたくさんあるように思いました。

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著者プロフィール

東京大学大学院人文社会系研究科教授

「2020年 『理想のリスニング』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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