西田幾多郎 『善の研究』 2019年10月 (NHK100分de名著)

著者 :
  • NHK出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (121ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784142231041

作品紹介・あらすじ

その文章を3行読めたら、あなたの人生が変わる──

日本一難解な書として呼び声高い『善の研究』。しかし、読む順番を変えれば、意外なほどに腑に落ちる。戦後に人々の渇いた心を潤した哲学には、どんな人生への示唆が詰まっているのか。「知と愛」「善」「純粋経験」……西田幾多郎がその過酷な生涯でつむいだ言葉の数々から、「生きる」ことの本質を見出していく。

感想・レビュー・書評

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  • 100分de名著、2019ベスト回だった「善の研究」のNHKテキスト。全ての学問は人情のためであり、全ての書籍も自身の哲学をサポートするため。2年に1回は読み返し、足元を確認した上で前を向きたい、はち切れそうな悲哀に立ち向かいたい。

  • 放送と併せて読むが、やはり難しい。
    一語一語が、現代に生きる我々の感覚、イメージとは微妙にあるいは大きく異なるらしく、読んでいてもなかなか地に足がつかないというか、入り込めない感じが強い。
    善の研究も同時によみすすめながら再読していこうと思う。

    星の評価は保留のため仮に3つ。

  • 2019年10月に買っておきながら開かず放送も見逃し…(当時はNHKオンデマンド2週間見逃しの方のサービス申込み。3月から統合され昔のものも見れるようになりました)

    コロナ禍で在宅勤務、不要不急外出自粛要請でステイホームなのでこちらを手に取りました。

    ■この書では
    「善の研究」は出だしで挫折したのですが、
    西田氏が整理しながら書いていたから最初は難解で終わりの章の方が明解なんですねー。
    なるほど。。。
    この書を読まなければ挫折したままでした。
    でも、NHKの番組を視聴してもこの本の中身が濃く、それでも難しいです。

    ■名言
    ・哲学は我々の自己の自己矛盾の事実より始まるのである。
    哲学の動機は「驚き」ではなくして深い人生の悲哀でなければならない。

    ■番組での伊集院光さんのよかったコメント
    ・終わりからのほうが分かりやすいとは、スター・ウォーズみたい。
    ・西田氏の哲学に対する姿勢には、今の時代多くの人が励まされるんじゃないか。人生に対してこんなはずじゃなかった、理想や理屈に対してそう嵌まることができない人は多い。




  • 難解な本として有名な『善の研究』。こんな読み方もあったのか!と指南してくれます。読んでみようか、と勇気が湧きますよ。
    西田幾多郎という人物にしても、例えば小難しい哲学者、などのありがちなイメージが払拭されます。

  • この本が無かったら「善の研究」を全て読むことは不可能だっただろう。本を読み解き方をわかりやすく解説してくれる一種の攻略本と言っていい。

  • 若松英輔さんによる西田幾多郎の『善の研究』の解説。
    一見難解な西田の哲学がキリスト者である若松さんによって極めてわかりやすく示される。それはまさに絶対矛盾的自己同一を巡る著述であって、表面的な自己を乗り越えてそれによって隠されている自分と出会う旅というか、いのちとの出会いという語りで表現される。
    何となく若松さんはイエスをそこにみているような気がしていて、一見矛盾しているものが同時に存在するということにどこかキリスト教と重ねている印象を持った。
    西田が数人の子供や妻を亡くしていることにも言及されていて、どういった背景から西田の哲学が紡ぎ出されていることも語られる。
    これから西田の哲学に挑戦しようとする方にとって入口まで連れて来てくれる作品になっている。

  • 西田さんと鈴木大拙さんはちゃんと修めておきたい。

  • p.2021/2/13

  • 解説があるおかげで、理解しやすくなってます。しかし、それでも奥が深い内容が多く、何回も読みたくなります。他の関連本等も読みたいと思います。

  • 実際の本はとても難解と思われます。が、解説によれば、生き方を考える上で、とても深い内容だと感じました。もう少しテキストを読んでみます。

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著者プロフィール

1968年新潟県生まれ。批評家、随筆家。 慶應義塾大学文学部仏文科卒業。2007年「越知保夫とその時代 求道の文学」にて第14回三田文学新人賞評論部門当選、2016年『叡知の詩学 小林秀雄と井筒俊彦』(慶應義塾大学出版会)にて第2回西脇順三郎学術賞受賞、2018年『詩集 見えない涙』(亜紀書房)にて第33回詩歌文学館賞詩部門受賞、『小林秀雄 美しい花』(文藝春秋)にて第16回角川財団学芸賞、2019年に第16回蓮如賞受賞。
近著に、『ひとりだと感じたときあなたは探していた言葉に出会う』(亜紀書房)、『霧の彼方 須賀敦子』(集英社)、『光であることば』(小学館)、『藍色の福音』(講談社)、『読み終わらない本』(KADOKAWA)など。

「2023年 『詩集 ことばのきせき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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