ヴァーツラフ・ハヴェル『力なき者たちの力』 2020年2月 (NHK100分de名著)

著者 :
  • NHK出版
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本棚登録 : 83
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (117ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784142231089

作品紹介・あらすじ

「今、ここ」を起点に生きよ
チェコスロヴァキアの民主化運動「ビロード革命」を導き、大統領となったハヴェル。劇作家である彼が弾圧に屈せず真実の生の意義を説いたこのエッセイは、今日でも多くの示唆に富む。全体主義に絡めとられない生き方とは? 多種多様な人々が連帯し立ちあがる時とは? 「今、ここ」で何をすべきか?──壁を突き破る言葉の力を信じ、無血革命を成し遂げたチェコが誇る哲人大統領ハヴェルのメッセージを、日本の現状に重ねて読み解く。

感想・レビュー・書評

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  • チェコのプラハに初めて訪れたのは、1995年の冬でした。まだビロード革命がそう遠い過去の話ではなく、素朴ではあるものの歴史の積み重なりを感じさせる街の雰囲気を感じながら歩いたことを思い出します。

    その当時チェコの大統領を務めていたのが、本書のハヴェルです。プラハを案内してくれたチェコ人の友人が、彼が大変尊敬を集めている存在だと、教えてくれました。

    今までその人となりや思想を知る機会がありませんでしたが、この本を読んで彼がなぜチェコで尊敬を集めているのか、どのようにして共産主義の崩壊の後に元首の座についたのか、よく分かりました。

    ハヴェルは、共産主義や全体主義という体制の中では、個人が匿名化されて主体性を失ってしまうため、真実の生を生きることができないと考えます。本著ではこの考え方を、15世紀の宗教改革者で処刑されたヤン・フスの「すべてにおいて、真実は勝つ」という言葉から連なるチェコにおける思想の流れの中に位置づけています。

    ハヴェルが体制崩壊後に国の行く末を委ねられたのは、こうしたチェコの人たちの魂に訴えかける正統性を体現していたからなのでしょうか。期せずしてチェコの思想の流れにも触れることができる一読でした。

  • ■書名

    書名:ヴァーツラフ・ハヴェル『力なき者たちの力』 2020年2月 (NHK100分de名著)
    著者:阿部 賢一 (著)

    ■概要

    「今、ここ」を起点に生きよ
    チェコスロヴァキアの民主化運動「ビロード革命」を導き、大統領となったハヴェル。
    劇作家である彼が弾圧に屈せず真実の生の意義を説いたこのエッセイは、今日でも多く
    の示唆に富む。全体主義に絡めとられない生き方とは? 多種多様な人々が連帯し立ちあ
    がる時とは? 「今、ここ」で何をすべきか?──壁を突き破る言葉の力を信じ、
    無血革命を成し遂げたチェコが誇る哲人大統領ハヴェルのメッセージを、日本の現状に
    重ねて読み解く。
    (amazon.co.jpより引用)

    ■感想

    マイナーな本の紹介です。
    私も全然知らなったです。この本で初めてしりました。
    概要しか紹介されていないので、本当は色々と記載されているのでしょうが、
    ポイントは、

    「個々が自分の頭で考え、行動する必要がある」

    という部分ですかね。

    あの時代より、今の時代の方が難しいですね。
    自分で考えている気がしていても、実は操られていたり、何かしらかの影響を受けて
    いたりしますからね。

    「自分で考える」の定義って、本当に難しいな~と思います。
    恐らく、本当に自分で考えている人ってほとんどいないと思います。
    何かしら、誰かしらの考え方、生き方の影響を受けている人がほとんどだと思うので、
    そういう観点ではなくて、「自分の軸」をしっかり持っていて、それを基準に自分の
    頭で考えていければいいのだろうな~と思います。

    自分は、軸に沿って生きていると思いますが、色々な考え方に影響を受けていること
    は否定しないし、当たり前だと思っています。

  • 「ヴァーツラフ・ハヴェル『力なき者たちの力』」阿部賢一著、NHK出版、2020.02.01
    117p ¥576 C9498 (2020.03.08読了)(2020.02.03購入)

    【目次】
    【はじめに】ハヴェルの言葉に秘められた「力」
    第1回 「嘘の生」からなる全体主義
    第2回 「真実の生」を求めて
    第3回 並行文化の可能性
    第4回 言葉の力

    ☆関連図書(既読)
    「プラハの憂鬱」左能典代著、講談社現代新書、1979.10.20
    「粛清の嵐とプラハの春」林忠行著、岩波ブックレット、1991.06.13
    「ドヴォルジャーク―わが祖国チェコの大地よ」黒沼ユリ子著、リブリオ出版、1982.11.10
    「スメタナ、ドヴォルジャーク」渡鏡子著、音楽之友社、1966.01.31
    「長い長いお医者さんの話」カレル・チャペック著、岩波少年文庫、1952.09.15
    「変身・他一篇」カフカ著・山下肇訳、岩波文庫、1958.01.07
    「カフカ『変身』」川島隆著、NHK出版、2012.05.01
    「となりのカフカ」池内紀著、光文社新書、2004.08.20
    「存在の耐えられない軽さ」ミラン・クンデラ著・千野栄一訳、集英社文庫、1998.11.25
    「兵士シュベイクの冒険(一)」ハシェク著・栗栖継訳、岩波版ほるぷ図書館文庫、1975.09.01
    「兵士シュベイクの冒険(二)」ハシェク著・栗栖継訳、岩波版ほるぷ図書館文庫、1975.09.01
    「兵士シュベイクの冒険(三)」ハシェク著・栗栖継訳、岩波版ほるぷ図書館文庫、1975.09.01
    「兵士シュベイクの冒険(四)」ハシェク著・栗栖継訳、岩波版ほるぷ図書館文庫、1975.09.01
    内容紹介(amazon)
    「今、ここ」を起点に生きよ
    チェコスロヴァキアの民主化運動「ビロード革命」を導き、大統領となったハヴェル。劇作家である彼が弾圧に屈せず真実の生の意義を説いたこのエッセイは、今日でも多くの示唆に富む。全体主義に絡めとられない生き方とは? 多種多様な人々が連帯し立ちあがる時とは? 「今、ここ」で何をすべきか?──壁を突き破る言葉の力を信じ、無血革命を成し遂げたチェコが誇る哲人大統領ハヴェルのメッセージを、日本の現状に重ねて読み解く。

  • 100分de名著シリーズは初めて読んだ。テレビの方も昔に1 回見た程度。本が薄いので、内容もそこまでかと思った。しかし、時代背景や他の著作からの引用でかなり分かりやすく、重厚感あるものに仕上がっている。
    内容としては、戯曲家であり政治家であるハヴェルによる「言葉」の機能が説かれたもの。そうした戯曲に縁が無くノンポリの自分でも、現在の日本、主に政治の現状について多くリンクしている部分を発見し、ハッとすることがあった。本を読んだり、疑問を持ったり、今までやったことが無いことをやる、はたまた今までやっていたことを止めてみる、という小さなことの積み重ねが、自分のような力なき者でも社会を覆うヴェールにヒビを入れる力を与えてくれる。

    文章が長い割に内容が無い、というのは…耳が痛い話。

  • 2020年2月読了。

  • 2020/2/11 読了

  • 20/02/01。

  • 「力なき者たちの力」とハヴェルのことを全く知らない状態で読んだが面白かった。不条理な世界の変え方が読んでいて参考になった。読んで勇気がもらえた本だった。1970年代のチェコスロバキアはジョージ・オーウェルの「1984」みたいな世界だと思った。

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著者プロフィール

一九七二年、東京都生まれ。東京外国語大学大学院博士後期課程修了。博士(文学)。現在、東京大学人文社会系研究科准教授。専門は、中東欧文学、比較文学。主な著書に、『複数形のプラハ』(人文書院、二〇一二年)、『カレル・タイゲ――ポエジーの探求者』(水声社、二〇一七年)など。主な訳書に、ボフミル・フラバル『わたしは英国王に給仕した』(河出書房新社、二〇一〇年)、ヴァーツラフ・ハヴェル『力なき者たちの力』(人文書院、二〇一九年)などがある。

「2020年 『東欧文学の多言語的トポス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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