100分de名著 純粋理性批判 カント 理性が孕む危うさ (2020年6月) (NHKテキスト)
- NHK出版 (2020年5月25日発売)
本棚登録 : 515人
感想 : 23件
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・雑誌 (116ページ) / ISBN・EAN: 9784142231140
作品紹介・あらすじ
近代哲学の最高峰が、手に取るようにわかる!
カントの主著『純粋理性批判』は、哲学のあり方を根底からひっくり返すインパクトを持つものの、専門家ですら読み進めることに困難を極める一冊。重要性も難解さも哲学史上の最高峰だ。しかし晦渋な言い回しを西研流に解きほぐしてみれば、カント哲学の核心は思いのほか明快だった!私たち人間は何を認識し得るのか?ア・プリオリとは何か?人間に備わる悟性とは?西洋哲学の最重要古典が「100分de名著」にいよいよ登場!
感想・レビュー・書評
-
今まで何度も表層舐めてきたが、ニーチェやデカルトなどはどうにか味そのものはわかったものだ。ただいくら舐めてもカントだけは全く無味無臭でちんぷんかんぷんだった。
哲学をどうにか味わうためにはその言説の動機を知ることが一番だということを教えてくれた。
なるほどフランス革命の最中、科学と宗教と権威を価値判断することが必要だったわけだ。
ニーチェの激しい主張と比べ、カントのそれは非常にヒューマニズムに溢れ優しく、その分理解させるパワーが弱かったのであろう。
定言命法などの道徳や倫理にスポットが当たりがちだが、実はこの純粋理性批判は認知、特に科学や宗教哲学の限界ということに最もボリュームを割いていることが分かった。この前提があるからこそ最終章の道徳倫理の理論が証明され生かされる。本当に難解だった物自体とかアンチノミーなどもすっきりと腑に落ちた。
さらにこの後のフッサール、さらには構造主義、ポストモダンに至るまで、確かにカントなくしてはありえなかったのも理解できる。
エッセンスを抽出するという以上の啓蒙がある。番組とテキストの優れた価値は本当にありがたい。
下手に市民講座とか大金払って受けるよりも何倍の知見が得られるはず。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「カント『純粋理性批判』」西研著、NHK出版、2020.06.01
131p ¥576 C9410 (2020.07.05読了)(2020.05.26購入)
【目次】
【はじめに】哲学の歴史を書き換えた一冊
第1回 近代哲学の二大難問
第2回 科学の知は、なぜ共有できるのか
第3回 宇宙は無限か、有限か
第4回 自由と道徳を基礎づける
カント哲学を読むためのキーワード集
☆関連図書(既読)
「永遠平和の為に」カント著・高坂正顕訳、岩波文庫、1949.02.20
「啓蒙とは何か」カント著・篠田英雄訳、岩波文庫、1950.10.30
「道徳形而上学原論」カント著・篠田英雄訳、岩波文庫、1960.06.25
「カント『永遠平和のために』」萱野稔人著、NHK出版、2016.08.01
「カント『純粋理性批判』入門」黒崎政男著、講談社選書メチエ、2000.09.10
「ヘーゲル・大人のなりかた」西研著、NHKブックス、1995.01.20
「ニーチェ『ツァラトゥストラ』」西研著、NHK出版、2011.04.01
「「幸せ」について考えよう」島田雅彦・浜矩子・西研・鈴木晶著、NHK出版、2014.05.30
「ルソー『エミール』」西研著、NHK出版、2016.06.01
「プラトン『ソクラテスの弁明』」西研著、NHK出版、2019.08.30
【内容情報】(出版社より)
近代哲学の最高峰が、手に取るようにわかる!
カントの主著『純粋理性批判』は、哲学のあり方を根底からひっくり返すインパクトを持つものの、専門家ですら読み進めることに困難を極める一冊。重要性も難解さも哲学史上の最高峰だ。しかし晦渋な言い回しを西研流に解きほぐしてみれば、カント哲学の核心は思いのほか明快だった!私たち人間は何を認識し得るのか?ア・プリオリとは何か?人間に備わる悟性とは?西洋哲学の最重要古典が「100分de名著」にいよいよ登場! -
カント哲学は非常に難解であるけれど、読み解けるとトコトン腹落ちできる。
「道徳的に生きることを最高の生き方とするだけでなく、道徳的に生きるところにこそ人間の自由がある」
この言葉の意味を噛み締め、味が滲み出て感じ取れたとき、カント哲学に魅了されると思います!
ところで、本書はカント哲学の長所・短所が述べられており科学的である点が個人的に好印象でした。
是非ともオススメしたい1冊です。 -
カントの有名な哲学書が、我々の生き方について、人間的に語られていた事に驚きました!
-
勿論これだけ読んでもすべてがわかるわけではないけれど、気になる世界を覗くには十分だと思った。
-
カントの思想が、現代科学と密接につながっていることがよくわかった。科学者にとっては必読であろう。
-
哲学の領域を、「答えが出る領域」と「答えが出ない領域」とに区分し、宇宙の始まりとか神の存在といった袋小路にはまり込むことを回避できるようになった。
つづく… -
(memo)
人間を尊重し、(神の存りきの道徳に基づき)道徳的によく生きる、近現代人の礎、底流となるカントの思想の概略を、短時間で端的に伝える一冊。神の存在や道徳を無視しては、科学的とされるアプローチはその大前提を失い、悪徳、醜悪に陥る。神や道徳に纏わるものを前時代的だと否定して、新たなセオリー・体系を発見できることがあったとして、真実と少しでもコネクトしているならば、新たな名前のその背後にあるのは、アップデートされた定義でしかないかもしれない。
あと、時間・空間自体がアプリオリに存在するわけではないし、時間の方向性についても感性による直観に依る。ここで因果律は崩壊しているのだけれど、人の感性が時間を一方向に流れるものとして、直観しているので、他者との科学的事実の擦り合わせは因果律に基づいて行っていく。
(P102) 権力者や宗教者が「正しい」ということを無批判に受け入れて従うのは、権威のいいなりになっている(他律)ことで、道徳的価値はまったくない
権威や伝統が道徳的に正しいかどうかを主体的に吟味し、理性的判断に基づいて行動を選択(自律)するところに自由はある
自由とは「何が善いことなのか」(何が私の能力を進歩させ、何が他者の幸福に貢献するか)と自らに問いかけながら生きること
(P119) 科学の知を絶対視すると、人間の生の独自の在り方は見失われてしまい、よりよい生き方など二の次に 科学は現実世界の性格な写し(真理)でなく、人間がつくったもの -
テレビでの解説よりも分かりやすく感じた。
-
難解な哲学書をわかりやすく解説している本書では、近代哲学の二大難問であった「物心問題」と「主客一致の問題」について見解を示したもの。人間が認識できるものには限界があって、神の存在などは知り得ないという結論であったが、彼が現代に生きていたら違った答えになるのではないかと思った。
-
第一批判の整理もとてもわかりやすいですが,第二批判にも触れられ,カント哲学が概観できます.更に,大陸合理論,イギリス経験論と,フッサール現象学にまで言及されており,哲学史も学べます.この価格でこの内容はさすがNHKテキストです.テキストは番組の副読本ではなく,番組の方が副教材なのだと気づきました.これから番組を見る際はテキストを買おうと思います.
-
テレビ放送を見ながら活用すると、確かに万人のための知ったか教養として勉強しやすいと再確認できた。
-
20/05/24。
著者プロフィール
西研の作品
