NHK 100分 de 名著 カール・マルクス『資本論』 2021年1月 (NHK100分de名著)

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  • NHK出版
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本棚登録 : 584
レビュー : 67
  • Amazon.co.jp ・本 (116ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784142231218

作品紹介・あらすじ

気鋭の経済思想家が、エコロジー・脱成長の視点からマルクスを読み直す

長時間労働、格差、不安定雇用、低賃金――。資本主義の暴力性がむき出しになるなか、世界的にマルクス再評価の機運が高まっている。生産力が上がるほど人が貧しくなるのはなぜなのか。なぜ過労死するまで働き続けなければならないのか。『資本論』で構想された持続的で平等な未来社会像とは?ソ連型の社会主義とマルクスの目指した「コミュニズム」は何が違うのか。
150年前に書かれた『資本論』には、現代社会が抱える問題を考えるヒントが数多く記されている。とくに、自然との関係のなかで人間の労働のありかたを分析する「物質代謝論」は、これまでエコロジーの視点でほとんど読まれてこなかった。
マルクス研究の権威ある国際学術賞を最年少で受賞した斎藤氏はこの点に注目。難解かつ長大な『資本論』で展開される資本主義の構造的矛盾について平明に解説するいっぽう、マルクスが晩年に遺した自然科学研究、共同体研究の草稿類も参照し、『資本論』の完成を見ずに世を去った希代の社会思想家の真意を読み解いてみせる。パンデミックや気候変動といった地球規模の環境危機をふまえ、いまこそ必要な社会変革に向けた実践の書として『資本論』をとらえ直す、まったく新しいマルクス論。

感想・レビュー・書評

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  • 今夜は照ノ富士の「逆転人生」ですが、
    「傷だらけの天才力士〜照ノ富士 奇跡の復活劇〜」 - NHK https://www.nhk.jp/p/gyakuten-j/ts/JYL878GRKG/episode/te/RQKXPXV1Y9/


    その後に、今回登録した100分de名著のマルクスの「資本論」も気になるところです。
    https://www.nhk.or.jp/meicho/famousbook/105_sihonron/index.html#box01

    本日、散歩がてら本屋さんでこのテキストを手に入れて来ました。帰宅後、両足がつりました。。やばいな。
    このテキストを片手に↑番組(100分de名著)を観ていこうと思います。(逆転人生も100分de名著も録画で、ですが。)

    斎藤幸平さんと言えば、『人新世の「資本論」』を今度、髪を切りに行く(今、行って良いのか。悩んだけど、バクチで7日に行く。結局、いつもの「くずは」のあの姐さんの低価格チェーンのお店。7日までに関西でも緊急事態宣言がどうなるか。。。髪のびのびだから切りたいけど、出すなら即出してと色んな意味で思っている自分がいる。。すいません。しゃべりすぎですね。)「くずは」の美容室の近くの本屋さんに取り置いてもらっているので、それも早く読みたいです!
    斎藤さんの言葉には説得力があるなと。年末年始に読んだブルータスで思ったので、興味深いです!!


    今年はちょこっと読むものが変わるかも。かも。かも。

  • もっと早く勉強すべきだった
    共産主義や社会主義の胡散臭さから、二の足を踏んでいたことを反省

    資本主義の限界を伝えるものなのだから、今こそ読まれるべきであろう

    500円とかで、すぐ読めるので、今、みなに読んで欲しい

    ・世界がすべて商品になっていくことの意味

    ・交換のための便宜だったお金が、お金を増やすための交換になっていくこと

    ・人を労働者に留めるため、構想→実行、のうち、実行だけしかできない人を大量に増やしていく
    構想ができる人には、その人自身の構想ではなく、資本家の資本を増やすための構想をつくらせる

    ・「機械は労働者を労働から解放するのではなく、労働を内容から解放する」

    ・生物的環境の循環過程と、資本主義の増大過程との乖離

    学ばねば死ぬ

  • 会社員になる前に読んでいてよかった。
    この本に出てくる取り組みを後追い取材したい。10年単位とかで。


    ●うなずけた点、抜粋と落書き
    ・資本家すら資本の増殖を止められない

    ・ギルドでは労働の構想と実行が守られていたことで労働環境と仕事が守られていた

    ・労働者が労働から抜け出せないのは自由さゆえ。「自分が選んだんだ」という責任感と、生きていくための手段を持たない(フリー)だから。

    ・資本の専制と労働の疎外を乗り越え、労働の自立性と豊かさを取り戻す「労働の民主制」を広げていく必要がある

    労働者が結束してストライキして会社側(資本側)に労働条件の改善を求めて成功した例もある。それも大事だが、もっと根本的な労働のあり方を変えなきゃいけないとも思った。

    ・ミュニシパリズムや市民電力など市民営化の動きが現代のコモン再生の黎明か?

    • nag_shoさん
      予備論発表ですよね?頑張ってください〜
      予備論発表ですよね?頑張ってください〜
      2021/01/25
    • Kanako Minakiさん
      了解です!
      ありがとうございます!頑張ります!

      水曜にさつきに来てくれはるって聞きました、遠いところありがとうございます
      了解です!
      ありがとうございます!頑張ります!

      水曜にさつきに来てくれはるって聞きました、遠いところありがとうございます
      2021/01/25
    • nag_shoさん
      おけです!
      おけです!
      2021/01/27
  • 人新世の資本論を読了後に本書テキストとテレビを視聴。
    マルクスの資本論をわかりやすく、斎藤幸平さんの視点で解説されていてとても良かった。テキストだけでも読みごたえあり。
    人新世の資本論を読む前にこのテキストを読んでおけば、もう少しすんなり読めたかも…。

  • 「カール・マルクス『資本論』」斎藤幸平著、NHK出版、2021.01.01
    129p ¥576 C9433 (2021.02.13読了)(2020.12.26購入)

    【目次】
    【はじめに】人新世の危機に甦るマルクス
    第1回 「商品」に振り回される私たち
    第2回 なぜ過労死はなくならないのか
    第3回 イノベーションが「クソどうでもいい仕事」を生む!?
    第4回 〈コモン〉の再生 ―晩期マルクスのエコロジーとコミュニズム

    ☆関連図書(既読)
    「超訳『資本論』」的場昭弘著、祥伝社新書、2008.05.01
    「超訳『資本論』第2巻」的場昭弘著、祥伝社新書、2009.04.05
    「超訳『資本論』第3巻」的場昭弘著、祥伝社新書、2009.04.05
    「高校生からわかる「資本論」」池上彰著、ホーム社、2009.06.30
    「マルクス・エンゲルス小伝」大内兵衛著、岩波新書、1964.12.21
    「共産党宣言」マルクス・エンゲルス著、岩波文庫、1951.12.10
    「賃労働と資本」マルクス著・長谷部文雄訳、岩波文庫、1949..
    「ドイツ・イデオロギー」マルクス・エンゲルス著、岩波文庫、1956.01.25
    「ゴータ綱領批判」マルクス著・西雅雄訳、岩波文庫、1959.02.15
    「婦人論」マルクス著・H.ポリット編、国民文庫、1954.09.30
    「空想より科学へ」エンゲルス著・大内兵衛訳、岩波文庫、1946.09.20
    「家族・私有財産および国家の起源」エンゲルス著・村井康男訳、国民文庫、1954.03.
    (アマゾンより)
    気鋭の経済思想家が、エコロジー・脱成長の視点からマルクスを読み直す

    長時間労働、格差、不安定雇用、低賃金――。資本主義の暴力性がむき出しになるなか、世界的にマルクス再評価の機運が高まっている。
    生産力が上がるほど人が貧しくなるのはなぜなのか。なぜ過労死するまで働き続けなければならないのか。
    『資本論』で構想された持続的で平等な未来社会像とは?ソ連型の社会主義とマルクスの目指した「コミュニズム」は何が違うのか。
    150年前に書かれた『資本論』には、現代社会が抱える問題を考えるヒントが数多く記されている。
    とくに、自然との関係のなかで人間の労働のありかたを分析する「物質代謝論」は、これまでエコロジーの視点でほとんど読まれてこなかった。
    マルクス研究の権威ある国際学術賞を最年少で受賞した斎藤氏はこの点に注目。
    難解かつ長大な『資本論』で展開される資本主義の構造的矛盾について平明に解説するいっぽう、マルクスが晩年に遺した自然科学研究、
    共同体研究の草稿類も参照し、『資本論』の完成を見ずに世を去った希代の社会思想家の真意を読み解いてみせる。
    パンデミックや気候変動といった地球規模の環境危機をふまえ、いまこそ必要な社会変革に向けた実践の書として『資本論』をとらえ直す、まったく新しいマルクス論。


  • 『人新世の「資本論」』 (集英社新書)を読む前に、こちらを手にとってみた。
     今話題の本は慎重に選んできたけれど、斎藤幸平さんの若さで、“マルクス”を語る姿が新鮮だったので読んでみた。
     
     こちらを選んで正解だった。『人新世の「資本論」』 は25万部以上売れているということで、知り合いの中にも釣られて購入したはいいが、難しくて投げ出した人もいる。

     マルクスのイメージが変わった。とは言っても、マルクスの本など読んだことがないんだけどね。
    それでも、社会主義や共産主義の元になった暗く、小難しいイメージがあったから、近づくのも憚られていた。

    ~〜
    人間の労働は、構想と実行、精神的労働と肉体的労働が統一されたものでした。

    「構想」は特定の資本家や、資本家に雇われた現場監督が独占し、労働者は「実行」のみを担うようになる。
    〜〜

    これが、“働きがい”など感じることができなくなった原因だったのか。


    それにしても、こんなことを確信的に計画していた張本人がいると思いきや、これは資本主義の構造的に孕んでいる欠陥だったなんて。救われない道を人類を突き進んでいる様に思えてくる。

     それでも、対価を求めない「贈与」、つまり、分かち合いや助け合いの相互扶助によって、富の持つ豊かさをシェアしていこうとする“アソシエイツ”の考え方が今ジワジワと、浸透し始めているということに明るい兆しを感じざるおえない。


  • NHKテキスト恐るべし。資本論について勉強したいと思って取った。
    薄いのにしっかりした内容。とてもわかりやすい。このシリーズ買おう。
    マルクスって社会主義のイメージあったけど、思ってたのと違った。
    ポスト資本主義にマルクスが注目されるのは興味深い。
    Commonの再生って、まさにSDGsに繋がることだなと思った。

    1つ気になったのは、「使用価値」と「価値」という単語が出てくること。
    後者の「価値」は別の言葉の方がわかりやすかったと思う。
    違う本では「交換価値」という単語が出てきたが、「価値」=「交換価値」で良いのだろうか?

  • ■メインテーマ
    資本主義の暴力性に注目してマルクスの問題意識を浮かび上がらせること。

    ■著者の主張
    資本による独占によって奪われた社会の富(労働者の生産手段、有限な地球資源)を誰もがアクセスできるコモンとして取り戻し、皆でシェア、自自管理していく。

    ■学んだこと
    資本主義の恐ろしさは、一方的に奪い、価値を増やしながら自己増殖していく運動にある。資本が成長すればするほど、効率化と分業化が進み、労働は単純化され、労働力という商品価値は相対的に下がり続けることになる。それは、生産手段を持たない労働者を生むことに繋がり、資本に取り込まれないと生きていけないという結果に繋がる。

  • 大学は経済学部だったけど、そういえばマルクスのことは全然知らないできちゃったな、ということで、100分de名著で取り上げられたので、どうせだから読書会のテーマに指定して読んでみました。よく言われるように、マルクスの思想は旧ソ連とかの社会主義者のそれとも違うし、もちろん資本主義者のそれとも違います。資本主義にどっぷり染まった僕たちが、普段意識しないで行なっていることは、実は非常に資本主義的で、その歯車になているという指摘は、今なお、というか今だからこそ、再考する価値があると思いましたね。

    ◆「商品」に振り回される私たち
    マルクスは商品と富を区別していきます。「商品」は、値段の付いた売り物ですね。他方、「富」は必ずしも貨幣換算できません。美味しい空気や水、公園、図書館、知識や技能などは全て、値段が(はっきりと)つくわけではないですが、人を豊かにしてくれるものですよね。こういうものも全部ひっくるめて富と呼んでいます。マルクスは、資本主義によって、誰もがアクセスできるコモン(みんなの共有財産)だった「富」が資本によって独占され、貨幣を介した交換の対象、つまり「商品」になっていったと批判します。

    商品には2つの顔があるといいます。ひとつは「使用価値」。これは、人間にとって役に立つこと(有用性)、人間の様々な欲求を満たす力を指します。もうひとつは「価値」。これは、交換の基準、ものの値段ですね。もともと人間はその使用価値のためにモノを作っていたが、資本主義では「価値」のためにモノを作るようになりました。人間がモノに振り回され、支配されるようになったのです(これをマルクスは「物象化」とよんでいます)。

    「使用価値」を無視した効率化は、必要なものやサービスまで削り、社会の富を貧しくしていきます。筆者はその例として、公立図書館をあげています。図書館は市民にとって非常に使用価値の高いものですが、利益は生み出しません。その結果、徹底したコストカットにより司書は非常勤職員ばかりになっているといいます。なかなか十分なサービスは提供できないでしょうし、一生懸命働いてくれていたとしても賃金はそれに見合わないものになってしまいます。

    ◆なぜ過労死はなくならないのか
    資本主義では本来「富」であったはずの労働力が商品化されます。生きるために働いていたはずが、働くために生きているかのようになってしまいます。

    他方で資本家は、同じ給料でたくさん働かせれば商品をたくさん生産できるわけですから長時間労働をさせる誘引があります。現代では残業規制がありますが、形骸化している実態もありますし、マルクスの時代の工場労働者の長時間労働時間ぶりなんて、まあ酷いものでした。

    資本主義における労働者には2つの自由(free)があったとマルクスはいいます。ひとつは、強制労働させられない自由。もうひとつは、生きていくために必要なものを生産する手立てを持たない(共有の農地もないし、獣を狩りにもいけない)ということです。

    奴隷は最低限の生存保証はされていました(家畜をむやみに殺したりしないのと同じで、主人は奴隷をモノとして大切に扱う)。他方で、資本主義社会では生存保証はありません。資本主義は共同体という「富」を解体し、人々はそこにあった相互扶助助け合いの関係性からも切り離されてしまったのです。

    また、労働者を突き動かしているのは、「自分で選んで自発的に働いているのだ」という自負だといいます。こう思わせるのが巧妙なところですが、自由で自発的な労働者は、資本家が望む労働者像を、あたかも自分が目指すべき姿、人間として優れた姿だと思い込むようになっていきます。もう死語ですが、モーレツ社員は自ら望んでなっていたわけですよね。

    労働時間を減らしていこう、という動きは現代の政治にもあり、フィンランドのサンナ・サマリン首相は、「週休3日、1日6時間勤務」を公約としています。個人的には、労働に縛られないそんな世界がくれば嬉しいですが、資本主義の仕組みを考えると一筋縄ではいかないでしょうね。


    ◆イノベーションが「クソどうでもいい仕事」を生む!?
    経済学者のケインズは、「生産力が上がれば労働時間は短くなる。2030年には労働時間は週15時間になる」という予想をたてています。たしかに生産力は上がっているんですけど、いまのところその予想は実現しそうにありません。

    資本主義におけるイノベーションは何かというと、労働者に対する「支配」の強化でした。生産性を上げるため、生産工程を細分化して労働者たちに分業させます。そうすると「構想」(どんなモノをどうやって作るか考えること)と「実行」(実際の作業)が分離し、労働者は一人では何も生産できなくなってしまいます。確かに生産性は上がるんだけれども、人間が機械に使われる(奉仕させられる)、とマルクスは批判します。

    現代でも「人間にしかできない仕事」、しかも社会的に重要な仕事に従事するエッセンシャル・ワーカーたちに長時間労働と低賃金という負荷がかけられていいます。逆に広告業やコンサルとかは、世界全体からすると何の役に立っているかよくわからない「ブルシットジョブ」(クソどうでもいい仕事)だという指摘があるのですが、こんな仕事ばかりが増え、しかも給料が高い。


    ◆コモンの再生
    日本の国土の7割が森林で、スギやヒノキが伐採されずに荒れ放題になるくらい恵まれているにも関わらず、安い木材を大量に海外から輸入し、国内の林業を衰退させています。資本主義は価値の増殖を「無限」に求めるのですが、地球は有限です。したがって、構造的に環境問題が発生します。

    資本主義に代わる新たな社会において大切なのは「アソシエート」(共通の目的のために自発的に結びつき、協同すること)した労働者が、人間と自然との物質代謝を合理的に、持続可能な形で制御することだとマルクスは指摘します。

    「個人的所有」は否定しないが、水や森林、あるいは地下資源といった根源的な富は「コモンとして」みんなで管理していこう、つまり、分かち合いや助け合いの相互扶助によって、富の持つ豊かさをシェアしていこうということですね。

    この点は、僕としては疑問があって、「村社会に戻れ」ということを言っているのでしょうか?村社会は村社会で暴力的な側面を持っていますし、イデオロギーを共有するには「顔と顔が見える」必要があります。ある程度小さいコミュニティであれば可能だと思いますが、今の都市規模でそれができるかというと、どうなんでしょうか。

  • 資本論、マルクスの思想について、こんなに分かりやすい解説を読んだことがなかった。

    マルクスは、「囲い込み」によって資本家に奪われた「コモン」を取り戻すことを通して、新たな社会のカタチ(=コミュニズム)を提示した、というのは、目が開かれたような気がした。

    堅苦しい社会主義国家論ではない、グランドセオリーのベースになる読み方なのかもしれない。

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著者プロフィール

1987年生まれ。大阪市立大学大学院経済学研究科准教授。ベルリン・フンボルト大学哲学科博士課程修了。専門は経済思想、社会思想。著書に『大洪水の前に』『人新世の「資本論」』。

「2021年 『知への恐れ 相対主義と構築主義に抗して』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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