渋沢栄一『論語と算盤』 2021年4月 (100分 de 名著)

  • NHK出版 (2021年3月25日発売)
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Amazon.co.jp ・雑誌 (116ページ) / ISBN・EAN: 9784142231249

作品紹介・あらすじ

モラルとビジネスの両立とは。いま世界が注目する「日本近代の立役者」の思想を読む。

2021年のNHK大河ドラマ「青天を衝け」の主人公で、新一万円札の顔にもなる渋沢栄一の代表作『論語と算盤』。約500の会社の設立に関わるだけでなく、約600もの社会福祉事業にも精力を注いだ。行き過ぎた資本主義の弊害が問題視されるなか、『論語』の教えを重視し、倫理的で社会全体を富ませる経済のあり方を追求した渋沢の思想と人生を、中国古典の専門家である守屋淳氏が解説する。

感想・レビュー・書評

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  • 論語と算盤

    いずれも守屋淳著の、現代語訳 論語と算盤、100分de名著 論語と算盤の両方を読んでのまとめ。

    信用により経済を回す。

    明治時代には日本の商道徳に面と向かって批判あり。背景として封建時代の士身分の搾取と、農工商身分におけりいじけ根性(言われたことやってりゃいいんでしょ)の蔓延。

    修己安人
    謙虚に人格を磨くことが肝心。
    とはいえ、単に人格が優れているだけでは、結局は信用を得られない。
    欲望を否定していない。

    何かするにも楽しみながら。ワクワクしながら。論語にもある。

    明治になって皆んなが立身出世のために勉強しだしたが、全ての人に理想的なイスが用意されているわけではなかった。
    大半の人が大きな志をもちながら、現実との折り合いをつける必要がある。

    合本主義を理想とする。
    ビジネスは社会を豊かにする手段。
    みんなで人モノ金を合わせて多くの人々に
    経済基盤の脆弱な明治時代において喫緊の課題。
    公益性を重視。
    2019年にラウンドテーブルという巨大企業が全てのステークホルダーへの利益に言及。
    今のままでは持続できないことを認識?
    サステナブルの考え方に通ずる。

    渋沢栄一の考え方として、子どものころからの四書五経の素読が影響しているのは間違いないが、額面通りに論語を適用したわけではなく、拡大解釈をしているところもあるし、論語というより渋沢栄一が作り上げていった理想論と見たほうがよいと考える。

    一方、論語にしても、単に綺麗事を提供しているわけではなく、商業活動についても、お金持ちになりたいマインドについても別に否定していない。

    道徳規範のベースとして、常識を構成する智情意と、武士道の考え方。前者は知恵、情愛、意志の組み合わせが必要。新渡戸稲造の武士道にも言及されているが、宗教道徳をベースとしない国については、道徳観念のベースがどこかで必要。士魂商才をイメージ。

    論語は政治家向けの著なので、産業人観点で読むとどうしても矛盾が生ずるので注意。

    忠恕=良心と思いやり

    渋沢栄一の思考法=対極をバランスする。稀有なバランス感覚をもつ産業人

  • そもそも『論語』も『算盤』も渋沢の志を成就させるものだった。エピソードとして興味深いのは、あの岩崎弥太郎が共同事業を持ちかけた時、"志"と違うから、蹴った。人によっては"岩崎のような大物に失礼をすれば、あとあとマズイ"と考えるだろうが(実際、その後ふたりは仲違いしたまま終わる)、渋沢は志を貫く。孔子も晩年、中央政界を追われるが(中国の思想家はこういう人が多い気がする)、『論語』から行動様式を学んだのだろう。
    しかし、場合によっては、志を"曲げる"ことも辞さない。思考のバランス感覚が柔軟で、そこも教えが生かされている。
    面白いのは、論語と算盤の"イノベーションを思い付いたのが、渋沢じゃなかったということ。この人の生涯をみると、さまざまな人に助けられていることが分かる。行動の人だけど、助けと運(導き、というか)も感じられる。
    守谷さんは『論語』と『算盤』の共通点は、"信用"という。自分は"誠"もあると思うが、これこそ、孔子の思想の根幹と思う。

  • 「渋沢栄一『論語と算盤』」守屋淳著、NHK出版、2021.04.01
    135p ¥600 C9430 (2021.05.19読了)(2021.03.27購入)

    【目次】
    【はじめに】近代日本の「原点」に学ぶ
    第1回 高い志が行動原理を培う
    第2回 「信用」で経済を回せ
    第3回 「合本主義」というヴィジョン
    第4回 対極にあるものを両立させる

    ☆関連図書(既読)
    「青天を衝け(一)」大森美香作・豊田美加著、NHK出版、2021.01.30
    「雄気堂々(上)」城山三郎著、新潮文庫、1976.05.30
    「雄気堂々(下)」城山三郎著、新潮文庫、1976.05.30
    「論語とソロバン」童門冬二著、祥伝社、2000.02.20
    「孔子『論語』」佐久協著、NHK出版、2011.05.01
    「論語」貝塚茂樹著、講談社現代新書、1964.08.16
    「論語の読み方」山本七平著、祥伝社、1981.11.30
    「孔子」和辻哲郎著、岩波文庫、1988.12.16
    「孔子」井上靖著、新潮文庫、1995.12.01
    (アマゾンより)
    モラルとビジネスの両立とは。いま世界が注目する「日本近代の立役者」の思想を読む。
    2021年のNHK大河ドラマ「青天を衝け」の主人公で、新一万円札の顔にもなる渋沢栄一の代表作『論語と算盤』。約500の会社の設立に関わるだけでなく、約600もの社会福祉事業にも精力を注いだ。行き過ぎた資本主義の弊害が問題視されるなか、『論語』の教えを重視し、倫理的で社会全体を富ませる経済のあり方を追求した渋沢の思想と人生を、中国古典の専門家である守屋淳氏が解説する。

  • P5 L1 、P6 *、P28 L6、P29 L6、P34 L1、P40 後L6、P43 L1、P46 L5、P47 L6、P48 L4
    P72L1、P73後L3、P74L1、P76L9、P79L7、P80L2、P81L4、P91L1、P94L2、P100 *高峰譲吉 元麹? P119 後L4 P124 L4 P131 L2

  • 渋沢栄一の思想をひとことで言えば、**「論語をエンジンに、算盤をハンドルに」**だろう。論語=道徳がなければ暴走し、算盤=利益がなければ前に進めない。ビジネスパーソンにとって、この二つを同時に握ることが最重要のドライビングスキルだ。

     特に印象に残ったのは「天命」の考え方だ。15歳では無限の可能性に胸を膨らませ、50歳で実現可能な社会貢献に目覚める。ここにあるのは、**「キャリアの軌跡は、自己実現から社会実現へシフトする」**という普遍の真理だ。成果を追い求めるだけの仕事観から抜け出し、プロセスの中に意味を見いだすことこそが、真のやりがいにつながる。

     また、「信用で経済を回す」という発想は、DXやグローバル競争が進む現代でも色あせない。資本家の利潤追求を否定せず、それを「公益」へと転換させる合本主義の思想は、サステナビリティ経営の源流といっても過言ではない。

     人を見る目について語られた「視・観・察」も、現代のマネジメントに直結する。行動(視)を見るだけではなく、その動機(観)や喜び(察)を理解するところまで踏み込む。これが人材育成の本質であり、AIや数値管理では決して代替できない経営者の感性だ。

     渋沢は「智・情・意」のバランスを持つ人間を「常識ある人」と呼んだ。知識だけでなく、情愛と意志を伴って分配・判断できる人こそ、組織を動かすリーダーになり得る。日々の努力の積み重ねによってのみ「完き人」に近づけるという考え方は、イチローの打席前ルーティンと同じ、習慣の力を信じる哲学である。

     そして現代を見ると、トヨタの「カイゼン」に象徴される現場重視の文化、パナソニックの企業理念「企業は社会の公器」、GAFAがデータ活用を通じて築いた巨大プラットフォームと同時に直面する倫理問題。いずれも渋沢が説いた「論語と算盤」の課題を、21世紀の形で体現している。

     利益だけを追う経営は持続しない。理念だけで走る組織は進まない。論語と算盤の両輪を噛み合わせてこそ、企業も個人も長い坂道を登り続けられる。

  • なぜか内容が薄く感じた。

  • ”渋沢栄一は、「論語」と「算盤」の均衡を図りながら、社会と向き合っています。””状況に応じて、割合(「論語」と「算盤」の)を調整しながら、社会を良くしていこうとしました。(P132)

  • 自分の子供の頃には小学校で道徳の時間があったことを思い出した。
    日本の復活には日本人の復活が必要。
    そのためには全ての基礎となる幼少期からの道徳教育から考え直さないといけない。
    分をわきまえる、、自分の役割を認識して自分の能力でいかに世の中の役に立てるかを考えること。

  • p.2021/4/7

  • 20220227

  • 合本主義、士魂商才、知情意、二項対立思想からの脱却が渋沢の思想。SDGSやクラウドファンディング、格差社会など、現代の経済の公益重視の思想は渋沢の思想と一致する。論語と算盤という対立する概念をうまく中道的にまとめて解釈している点がすばらしい

  • これは完全に個人の感覚だと思うが、内容や語り口が生理的に苦手だなぁと思うものが多くてうまく受け付けられなかった。渋沢自身の考え方や振る舞いが嫌なのか、それともそれを基に解釈される著者の言葉が嫌なのかわからないが、どうにも歪に感じてしまう。一つだけ良いと思ったのは、対極的な価値観をどちらも認める不純さが様々なものを包み込めることになるというところだった。これは良い、これは悪いとぱきぱき分けるのではなく、敢えてグレーにすることで多くの人を評価できるようになるというのは大切な考え方だと思う。

  • 2021/10/18

    335.13||モ (5階社会)

    江戸末期、小さな農業国であった日本を現代の高度な資本主義国にした彼がめざしたのは、自分の儲けではなく、『皆が富む社会の構築』でした。
    もし、彼がいなければ、鉄道(JR・京阪)・銀行等 数百に上る企業・学校がなかった !?!

  • 渋沢の生い立ちにも焦点を当てることで、思想家としての渋沢と、実践家としての渋沢の原点に触れられる。『論語と算盤』は既に読んだが、本書で渋沢が公益(国益)を最上位の目的としてたこと、そのために論語の考えと資本主義的な考えをバランスよく解釈、適用していたことが分かると、『論語と算盤』の凄さや主張したいことが更に分かりやすくなったと感じた。本書を踏まえてまたもう1度『論語と算盤』を読み、渋沢の思想をより体系的に理解できればと思う。

  • ふむ

  • この本を読む前、渋沢栄一については欲深で金の亡者というイメージがあったが、そのようなイメージは完全になくなった。渋沢栄一のような考えを持って生きていければ良い人生を歩めそうだ。

  • 論語と算盤の導入として、とてもわかりやすい内容だった。渋沢栄一が、対極にあるものを調和させることの大切さを、身を持って示していたことが理解できる。これから興味を持って読み進めていきたい。

  • ・論語と算盤、のように両方成り立たせるのは難しいことがあるのが世の中であるので、それをするにはどうすればよいか、を考えることは大切であると思った
    ・経済と環境問題も同じようなことがあり、SDGsなどとも関わりがある本と思った

  • 論語(道徳)算盤(欲望)両者を否定せずある時は道徳 ある時は欲望で経済を回して公益を図れればいいのだという考え。

  • 大河ドラマが、更に楽しく観れそうです

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著者プロフィール

守屋 淳(もりや・あつし):1965年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。中国古典の研究者として多くの著作を発表するとともに、渋沢栄一や明治の実業家にかんする著作・翻訳を数多く手掛ける。主な著訳書に『現代語訳 論語と算盤』『「論語」がわかれば日本がわかる』(ちくま新書)、『勝負師の条件』『最高の戦略教科書 孫子』(日経BP)、『渋沢栄一「論語と算盤」の思想入門』(NHK出版新書)など多数。

「2024年 『詳解全訳 論語と算盤』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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