NHK100分de名著 金子みすゞ詩集 2022年1月

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  • NHK出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (116ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784142231355

作品紹介・あらすじ

心にこだまする言葉

金子みすゞは明治時代に生まれ、大正中期から昭和初期に活躍した詩人。
主に童謡詩を書いたことから、みすゞ本人も童女のようなイメージを持たれがちだが、
豊かな空想や子ども心のほかに、漁村や都会の心象風景、人間の孤独、世界の成り立ちなど、
幅広いテーマで500篇以上の詩を書いた意欲的な文学者であり、日本を代表する女性詩人の一人。

テキストでは、大正デモクラシーに誕生した「童謡詩」が、昭和の戦争の時代に衰退していく時代背景、
みすゞの26年の生涯を紹介しながら、傑作詩28作品を読解する。
みすゞ全集刊行の前後を伝える実弟の日記も初公開。

(目次)
はじめに 聖女から詩人へ
第1回 詩心の原風景~童謡詩の誕生
第2回 視点の逆転、想像の飛躍~投稿詩人の誕生
第3回 「孤独」と「死」を見つめて~童謡詩の衰退
第4回 ことばで響き合う未来へ~童謡とみすゞの復活

写真・図版60点、関連年表、みすゞの投稿作品の順位表、本文中の76項目を解説する脚注など充実の資料付。

感想・レビュー・書評

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  • NHKオンデマンド 100分de名著 金子みすゞ詩集
    https://www.nhk-ondemand.jp/program/P202100273800000/

    100分de名著 金子みすゞ詩集 2022年1月 | NHK出版
    https://www.nhk-book.co.jp/detail/000062231352021.html

  • 以前から、金子みすゞの詩に惹かれていたのだが、番組で松本侑子さんの解説や、石橋静河さんの朗読を聞いて、「そうだったのか」…金子みすゞの詩の世界をもっと味わうことができた。みすゞは、難しい言葉はいっさい使わなくても、生と死、明と暗、大きいものと小さいもの………それらの対比を詩の世界で表情し、読む人の心を揺さぶる。静かだけど鋭い言葉たち。それらが いつまでも心のなかでくすぶる。「それでいいの?」と、問いかけてくる。
    「大漁」「明るい方へ」という詩は、ずっと心から離れない。みすゞの人生を思うと…特に。

    田中美里主演の「みすゞ」(2001年)も、再び観たくなってきた。

  •  俺は、金子みすゞの「大漁」という詩を読んで衝撃を受けた。(この本の最初に紹介されてる詩だ。)おまえも読んでみてくれ。
     金子みすゞは、曹植に肩を並べる天才詩人だ。
     この本は解説がとても分かりやすいから、おすすめだ。
     

  • 【1回目】「100分de名著」を見るようになってしばらくになるが、年明けの第一作としてふさわしいのかと訝しく思っていたが、読み進めたり、録画を見ているうちに、それはただの懸念でさえもなかったことがわかってきた。松本さんの筆致や、番組でのコメントがすばらしい。人ひとりが生きているということが、かくもすばらしいものであるのかということを、思い知らされたようであった。

  • 金子みすずさんという名前は初めて知りました。なんとなく寂しい、人の心を打つ、優しい作品ばかりです

  • 金子みすゞを知る上でとても分かりやすいものであった。一つ気になったのが、なぜみすゞの結婚相手を仮名表記にしたのだろうかということ。

  • 小学生の頃に金子みすゞの詩を教科書で読みました。

    当時はなんとも思っていませんでしたが、なぜかアラサーの今になっても私と小鳥と鈴とは暗唱できます。それは、時代に関係ない普遍を描いているからかもしれません。

    今、読み返す金子みすゞの詩にはこれほどまでに奥深いものだったのかと驚かされます。さらに、それを極限にまで短い言葉、平易な言葉に磨き上げられている言葉の質に金子みすゞの詩に対する情熱を感じずにはいれませんでした。

    また、この著者もそれに呼応するかのように当時の金子みすゞの生い立ちや心情を最大限汲み取ろうとされており、まさに名著を紹介する名著であるといえます。

    金子みすゞの詩に出会えたことに感謝し、著者や矢先節夫氏などにも感謝です

  • 金子みすゞについてコンパクトにまとめられていて理解しやすかった。講師の考えを押し付けない結末は心地よかった。

  • 不遇の詩人だったんですね。才能があってもめぐり合わせがないと難しいのだな。

  • 明治時代に生まれ、大正から昭和初期に活躍した詩人金子みすゞ。
    子ども心や、漁村や都会の心象風景、人間の孤独から、世界の成り立ちまで、500篇以上の詩を書いた、日本を代表する女性詩人です。
    大正デモクラシーに誕生した童謡詩が衰退していく背景を、みすゞの26年という短い生涯を振り返りながら解読していきます。
    どの詩も本当に素晴らしいです。

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著者プロフィール

島根県出雲市生まれ、筑波大学卒。『巨食症の明けない夜明け』(集英社)ですばる文学賞、評伝小説『恋の蛍 山崎富栄と太宰治』(光文社文庫)で新田次郎文学賞。著作はイタリア、中国、韓国で翻訳出版される。『赤毛のアン』シリーズ(文春文庫)の日本初の全文訳を手がけ、作中の英米詩、シェイクスピア劇、聖書など数百項目を訳註で解説。金子みすゞの弟で脚本家の上山雅輔の日記と回想録を読解して小説『みすゞと雅輔』(新潮文庫)を発表。著書に幕末小説『島燃ゆ 隠岐騒動』(光文社文庫)、『英語で楽しむ赤毛のアン』(ジャパンタイムズ)など。趣味は編み物、洋裁、「すてきにハンドメイド」鑑賞。

「2021年 『金子みすゞ詩集 2022年1月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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