別冊NHK100分de名著 読書の学校 池上彰 特別授業 『君たちはどう生きるか』 (教養・文化シリーズ)

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  • Amazon.co.jp ・本 (120ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784144072260

感想・レビュー・書評

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  • ・私もスマホは持っています。でもあまり開かないようにしています。私の友人にTwitterの神様のような人がいて、ずいぶん勧められました。しかし、Twitterをやる暇があったら施策に時間を割いた方が良い、というのが私の考えです。そうしたら最近、その彼から「池上さん、やらなくて正解です」と言われました。なぜなら「Twitterをやっていると、とにかく悪口ばかりたくさん来て、いちいちそれに反応していると精神的に本当にくたびれる」のだそうです。それならば、本を読む方がずっと有意義でしょう。そして本を読んだ後、自分で考えてみる時間を取るということは、とても大事なことです。文章にすることによって、考えをまとめていく。これも必要なことです。そういう時間を、ぜひあなたにもとってほしいと思います。

    ・なぜ、この「君たちはどう生きるか」が80年間も読み継がれてきたかといえば、色々な読み方ができ、読むたびに新たな発見があるから、それだけの深みがあるものだからです。時代が変わっても、読む人の心を動かし、また読みたい、他の人にも読んでほしいと思えるような作品だからこそ、「古典」として今に残っているのです。

    ・良い本との出会いは人生の宝物です。知識への扉を開いてくれるだけでなく、本を読むことで物語の世界に旅したり、歴史上の人物の波瀾万丈をイキイキと追体験したりすることもできます。本を読まない人が増えたと言われますが、そういう話を聞くたびに残念な気持ちになります。一冊の本が、時に心の支えとなり、あるいは道しるべとなって、人生を大きく変えることもあります。そのときは気づかなくても、豊かな読書体験は、悩んだり迷ったりしたときに効いてくるものです。書店や図書館には、一生かかっても読みきれないほどの本が並んでいます。今、あなたに読んでほしい本を、そのなかから一冊揚げるとしたら・・・そう考えて選んだのが『君たちはどう生きるか』です。

    ・ドイツの哲学者、ショウペンハウエルは著書『読書について』にこう記しています。
    「読書は、他人に物を考えてもらうことである。本を読む我々は、他人の考えた過程を反復的にたどるにすぎない」
    つまり本は、ただ読むだけではダメということです。何より大切なことは、読んだうえで、自分なりに考えてみることです。

  • 歴史を学ぶということは、「いま」を考えるうえで、大切。トランプ現象も北朝鮮の動向も背景にある歴史を知る必要がある。

    本は最初に読んだ時と違う印象を受けたり、最初はさらっと読み過ごしたところに作者の意図が透けて見えたり、読み方がどんどん深くなる。

  • 池上さんが若い世代に読んでほしいオススメの本の中で1つ選ぶならと決めたのは「君たちはどう生きるのか」という本だった。
    この本は約80年前、戦時中言論の自由が厳しく制限されていた時に書かれた書籍で、これを武蔵野高校・中学校の生徒たちに読んでもらった後に行った授業の内容を書籍化したものである。
    80年変わらず愛読される名著を、今の人たちにはどう捉えられるか、人によって時代によって捉え方が異なる面白さ、その中でも変わらず愛されることなど、さまざまな角度からこの本を分析されていて勉強になった。

  • 吉野源三郎氏の本を読んでいたが、やはり、池上彰氏の説明は、素晴らしいと思う。
    この時代の背景から、これまで起こって来た戦争についても、理解し易く解釈してくれている。
    我が家もそんなに裕福でも無かったと思うが、ばあやとお手伝い(昔は女中さん)がいた。
    その当時は、寒村は口減らしで、奉公に出させるから、父は、人に頼まれ、雇って居たのだろう。
    母方の親戚 宇垣纏等は、優秀な学力の者達を書生として、家に居させて、大学の授業料から生活費用まで面倒を見ていた。
    そんな時代だつた。
    今は、自分ファーストの考えの人が多いが、昔は、手を差し伸べる事もしていた。
    現在の紛争の国々も、自国ファーストである。
    その為に何人の死者が増えているのだろうか?
    この古い本の中でも、かつ子さんがナポレオンについて語っている。
    最初は、学校でのいじめ問題から発展して行くのだけど、戦争とはどういうものなのかと……
    著者曰く、偉人や英雄と呼ばれる人達についても、皆へ 真の英雄たる者にとは…の提起を促している。
    そして、スマホの普及についても、記載されている。
    私も昔、兄が中学入学で買って貰った分厚い広辞苑が、眩しかった。
    あれで何でも判るんだと、…
    しかし、体力も衰え、小さい文字も読み辛い歳になり、廃棄する事に。
    今は、文明の利器の発達で、誰もが、広辞苑のような本で調べる事も無くなった。
    先日も、21歳までの人のアンケートで、この1年で本を全然読まなかった人は60%だと、ニュースに載っていた。
    「君たちはどう生きるか」は、漫画があるそうだから、本の嫌いな人は、是非ともんで欲しい!
    そして、この池上彰氏の本も、中学生達の特別授業内容も!
    学生達のコメントも素晴らしい。

  • よかった。吉野源三郎の君たちはどう生きるかを 池上彰氏が授業で語った内容の記録である。生徒からの質問に、君は十分 オンリーワンだ 、でもそれは現状維持ではいけない。 いつも前前へと進化していく必要があると語る。 吉野源三郎の君たちはどう生きるかにも叔父さんが コペル君に、自分が心からいいと思うもの 立派だと思うものを貫き通し、 信じ続ける力を持つように語る場面がある。 このことに通じる。

  • 原著のタイトルの通り、「どう考えて生きるか」について深く考えさせられるがそれ以外にもこの本ひとつでいろんなことを学べる。だがこれを読めば原著を読まなくて良い、というものではなくぜひ原著を読んで考えを深めてみたくなる。

    本はただ読むだけではダメだし、それは読書だけに言えることではない。何事も人の目や周りの意見ばかりを気にするのではなく、自分自身で思考してそれを臆せず発言することを大切にしたい。「他人の眼に立派に見えるように振る舞っている人がずいぶんある」「誰かの意見をあたかも自分が考えたかのようき語っているだけの大人はたくさんいる」にドキッとさせられた。

  • この本を読むのは2度目で、
    最近、映画化され、話題になっているので、
    映画を観る前に、
    再読しました。

    前、読んだはずなのに、
    内容を、忘れている所が、
    ほとんどで、

    映画を観るのも、楽しみになりました。

    楽しみな本との出会いに感謝。

  • 番組の中で取り上げたものではなく、池上さんが中学生向けに授業形式で読み解いていく「君たちはどう生きるか」。
    池上さんらしい解釈と、わかりやすく解きほぐされた言葉で語られる名著。戦争に向かうその只中に出版され当局の検閲をかいくぐって伝えられる若者へのメッセージは解説が無いとわかりえなかったかもしれない。(漫画版しか読んでないしあまり覚えてもいないので再読したい。)中学生たちの捉え方が非常に鋭くて感心したが、それに対する池上さんの容赦なさがこれまた鋭くて何だか苦笑いしてしまった。

  • サクサク読めて、本をちゃんと読みたくなるのは、流石池上彰さん!
    中学生向けの講演だから頭に入りやすいですね。

    そして中学生のメンバーもすごくクレバー…さすが名門中学校…!
    私が中学生の時、そこまで自分を翻って考えられたかなぁ。
    中学生の時「親の言うことは黙って聞け」「お前は金の無駄」…そうしたことから自分の思考をやめてしまった子供時代から社会に出るまで…この本に出会っていたら違ったのかな。

    戦前の話でも、今と普遍で通じるところも多そうですね!

  • 「君たちはどう生きるか」は、やはり素晴らしい作品ですね。

    生産する人、消費するだけの人
    というフレーズがとくに心に残りました。

    生産する側に回って、世の中に貢献し自由に生きたいと思う。

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著者プロフィール

池上彰(いけがみ・あきら):1950年長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、73年にNHK入局。記者やキャスターを歴任する。2005年にNHKを退職して以降、フリージャーナリストとしてテレビ、新聞、雑誌、書籍、YouTubeなど幅広いメディアで活躍中。名城大学教授、東京工業大学特命教授を務め、現在9つの大学で教鞭を執る。著書に『池上彰の憲法入門』『「見えざる手」が経済を動かす』『お金で世界が見えてくる』『池上彰と現代の名著を読む』(以上、筑摩書房)、『世界を変えた10冊の本』『池上彰の「世界そこからですか!?」』(以上、文藝春秋)ほか、多数。

「2023年 『世界を動かした名演説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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