別冊NHK100分de名著 西遊記 出口治明 特別授業 読書の学校 (教養・文化シリーズ)

  • NHK出版 (2018年5月28日発売)
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Amazon.co.jp ・雑誌 (128ページ) / ISBN・EAN: 9784144072314

感想・レビュー・書評

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  • 中学生に向けて語られた講義をまとめたものなので簡単です。古典がおもしろくないのは、時代背景を知らないからだとおっしゃっていて、中国の歴史を語られているところが一番おもしろかった。講談のような形式で伝わった話しなので一貫性がないとのことである。細かい解説により、何故、孫悟空が猿なのか、石に閉じ込められていたのか?。何故、弟子は三人なのか?。色々わかって楽しい本ではあります。

  • 本を読む意義と、豊かな人生の楽しみ方。

  •  孫悟空と言えば、西遊記よりドラゴンボール。最遊記というマンガも昔読んでたな。西遊記は1度も読んだことがなく、世代も違うのでドラマも観たことがない。天竺を目指すことくらいしか知らなかったので、今度子ども向けの短いものでも読んでみよう。
     出口さんが解説する歴史的背景や、孫悟空や三蔵の魅力に加え、「古典は間違いない」とよく仰っているので今年こそは古典をもっと読みたい。西遊記とは関係ないが、「読書に教訓を求めない」が響いた。好きな本を楽しみながら読むのが一番。

  • 私はこの本で初めて出口治明先生を知り、大ファンになった。

    よく行く書店でふとこの本が目について、手にとってみたら、『西遊記』が成立した背景や中国の歴史から書かれていて、すごく興味がそそられたので購入。
    日々なんとなくパラパラめくっていたけど、今回ちゃんと全部通して読んだ。

    素晴らしいです。
    出口先生、尊敬してやみません。
    経歴を見るとビジネス畑の人としか思えないのに、なぜか歴史の造詣に深すぎるという不思議な人。
    優しく丁寧にわかりやすく説明してくれるこの本で、すっかりファンに。

    この先生についていけば、バラバラだった知識がつながって世界の歴史が体系的に、深くわかるようになるかもしれない、と思わせてくれた。

    この薄い本一冊で、中国の歴史だけでなく世界の歴史、文学史、思想・哲学・宗教史、ひいては人生論まで語られていて、知的好奇心が刺激されっぱなし。
    そして読書の楽しさ、古典の面白さもひしひしと伝わってきて、ワクワクしっぱなし。
    『西遊記』はもちろん、古典をいろいろと読みたくなった。

    なにより心をつかまれたのが、「読書に教訓を求めない」という話。

    「本で何かを学ばなくてはいけない、教訓になるという考え方はどうか捨ててください」
    「本を何冊か読んだくらいで、仕事ができるようになることを期待するなんて、そもそも人生をなめています」
    「自分が面白いと思う本を読むのがいちばんです」

    面白い本こそ、記憶に残り、人生の糧にできる、のだそうだ。

    これでいいのだ!

  • 出口さん講義の西遊記。個人的にはビビットくる組み合わせでしたが、実際の授業が編集公開されたものなので、つい疑問を持って読み進めてしまいがちに。
    この時点で自身の読書姿勢を問われているようで悔しいけれど、この組み合わせならではの仕掛けと捉え大いに楽しめた。
    道教仏教儒教と時代の中で混じりゆく宗教感を見事に作品化した西遊記に改めて興味関心を抱かせる良書。

    読んで良かった。

  • 「西遊記」全10巻を読み終えたので、こちらの本で旅を振り返ってみました。背景として中国の歴史を頭にいれて読むと、西遊記の世界がまた広がる感じがします。
    遊牧民が作った唐の国。国を治めるために仏教の力を借りたこと。三蔵の旅は本当の話で17年かけてインドからお経を持ち帰ったこと。ちょうどそのころは、中国もインドも平和な時代だったから旅が可能だったこと。西遊記の話は、三蔵の旅の記録をもとに宋の時代に講談として語り継がれ、明の時代に現在の西遊記の形になったこと。なるほどなぁ。
    仕事ができるようになるために本を読んではいけない。そんなことで仕事ができるようになると考えることは人生をなめている、という出口さんの言葉も印象的でした。本は楽しむために読むこと。楽しめた本こそが、人生のどこかで役にたつ。なるほどなぁ~。

  • 背景を知ると、古典は面白くなるというのは、そうだと思う。そうした作者の意図は分かるが、はじめの1章で、歴史の説明にかなり割いてしまったのは、もったいないように感じた。全体的には、『西遊記』を読む上で、知っておくと楽しく読めるポイントが述べられている。

  • 「読書の学校『西遊記』」出口治明著、NHK出版、2018.05.30
    126p ¥864 C9490 (2018.06.20読了)(2018.06.02購入)
    『西遊記』の紹介本です。中学生にあらかじめ読んでもらって、四回にわたり講義をした記録です。読んでもらった本は、下記の本です。
    『西遊記』君島久子訳、講談社(21世紀番少年少女世界文学館)
    僕が読んだのは、岩波少年文庫の『西遊記』で、上・中・下の三冊になっていました。
    完訳本は、岩波文庫だと全10巻で出ています。他にもいろいろ出ています。
    諸星大二郎の漫画「西遊妖猿伝」全16巻も読みました。原作とはだいぶ違うと思います。藤原カムイの漫画「西遊記」は、3巻まで読んだのですが、4巻まで出て完結していないのでは?
    いずれにしても、大人から子供まで楽しめる娯楽大作でしょう。未知の世界へ旅立ってどんな世界が待っているのか、という設定がいいのかもしれません。

    第1講では、なぜ中国で仏教が必要とされたのか。
    第2講では、なぜサルが主人公になったのか。
    第3講では、三蔵法師と孫悟空だけでなく猪八戒や沙悟浄がいるのか。
    第4講では、旅、本、人について述べています。

    【目次】
    はじめに―古典に触れると、人間の普遍的な気持ちがよくわかる
    『西遊記』あらすじ
    第1講 なぜ「中国」で『西遊記』が生まれたのか
    第2講 「孫悟空」とは何者なのか?
    第3講 「仲間」として生きる面白さ
    第4講 旅をしよう、人生を豊かに生きよう
    おすすめブックガイド6点
    (ヤマザキマリ著『国境のない生き方』/マルコ・ポーロ述『東方見聞録』/関野吉晴著『グレートジャーニー』/若桑みどり著『クアトロ・ラガッツィ』/パウロ・コエーリョ著『アルケミスト』/小田実著『何でも見てやろう』)
    主要参考文献

    ●古典の分かりにくさ(9頁)
    もし古典がわかりにくいと思っている人がいるとしたら、理由はおそらくその作品が書かれた時代の背景や知識が少し不足しているからです。
    ●『西遊記』の元(16頁)
    唐の時代に、玄奘三蔵という高僧が十七年もかけて西天(天竺、インド)まで出向き、経典を受け取って都の長安に戻りました。『西遊記』は、この旅の記録がもとになっています。
    この物語が小説として成立したのは、大元ウルス(元)から明の時代にかけてです。
    ●人、本、旅(120頁)
    人間は「人、本、旅」で賢くなる動物です。
    何事でも学ぶことは、みなさんの人生を豊かにします。たくさんの人に会って、たくさんの本を読んで、たくさん旅をして、人生の選択肢を増やし、ワクワクする人生を送ってほしいと願っています。

    ☆関連図書(既読)
    「西遊記 上」呉承恩著・伊藤貴麿訳、岩波少年文庫、1955.02.20
    「西遊記 中」呉承恩著・伊藤貴麿訳、岩波少年文庫、1955.04.20
    「西遊記 下」呉承恩著・伊藤貴麿訳、岩波少年文庫、1955.06.25
    「孫悟空との対話」中野美代子著、日本放送出版協会、1993.01.01
    「西遊妖猿伝 巻の一」諸星大二郎著、双葉社、1984.03.18
    「西遊妖猿伝(10)」諸星大二郎著、潮出版社、1999.05.31
    「西遊記 地の巻」藤原カムイ著、日本放送出版協会、1998.12.20
    (2018年8月2日・記)
    内容紹介(amazon)
    「なぜ、古典なんですか?」「そら、オモロイからですよ! 」
    「私と一緒に『西遊記』を旅しましょう! 」。全アジアで千年もの長きにわたり親しまれている、玄奘と孫悟空たち一行の旅の物語。“人・本・旅"が生きる糧となると説く著者が、壮大なユーラシアの歴史や人々の営みから、「君たちはどう生きたらエエのか」を、若い読者に向けわかりやすく示す。

  • 出口治明さんは、ボクが好きな著者の一人だ。とても良心的な方なのだと思う。しかもわかりやすく共感が持てる。ビジネスは「数字」「ファクト」「ロジック」であるという出口さんの言葉は、ボクは会社でも使っている。

    さて、出口さんが語る『西遊記』だが、出口さんの語り口の特徴の一つは、歴史を俯瞰的に見る視点で出来事を捉えていることだ。玄奘三蔵がどういう時代に生きていたのか? どうしてインドまで行く必要があったのか? 孫悟空は英雄キャラではなく、なぜ、ハチャメチャキャラなのか? などなど。一方で出口さんは、人間の本質をそんなに偉いものではないと捉えている。欲望もあれば、野望もある。そんな感情的なものに支配されながら織り成す出来事が歴史を紡いでいると捉えている。まるで、その場にいるような肌感覚で人間の感情や行動を見ている視線もあるのだ。この、人間の能力はそんなに大きな差がある訳ではなく、本質はチョボチョボ(どんぐりの背比べ)という前提で物語を現場感覚で語りながら、一方で俯瞰的視線で歴史を見る。これが出口さんの歴史観の特徴ではないだろうか。

    読書については、こんなことも言っている。

      読書をしたら出世に役立つとか、教訓が得られるとか、そのような
      考え方はどうか捨てて下さい。本を何冊か読んだくらいで仕事がで
      きるようになれると思っている人に、僕はいつも「人生なめていま
      せんか?」と言っています。そんなことはあるはずがないのです。
      「こうすれば絶対に成功する」と書かれた本を読んだからといって、
      直ちに成功するわけではないことは、少し考えれば誰にでもわかり
      ます。すぐに役に立つものは、すぐに役に立たなくなるのです。

    人類の歴史は、そんなにスマートなものではない。歴史に整合性を求めたって仕方がないともいう。バトルがあって手に汗握る展開があったほうがワクワクするものだ。また、建前を主張する一派と、外野からヤジを飛ばす一派がいるからこそ、バランスが保たれ息抜きができる。その結果、秩序を継続的なものにできる。二重構造(=多様性)を持つものが強いということは、歴史が証明していると出口さんは言う。

    リーダーがメンバーに整合性を求めすぎるのは窮屈だ。人間はそこまで立派な生き物ではない。ひとりひとりの意見も態度も違う。もしもリーダーがメンバーに整合性を求めすぎると、組織は不寛容になり衰退してしまうだろうともいう。

    本著のすばらしところの一つは、この『西遊記』を高校生と議論しているところだ。若い高校生に出口さんは、この西遊記のポイントは「仏教」と「お笑い」だと思うという。このあたりが分かりやすくていい。ボクは会社の若いメンバーにも出口さんの本を勧めているが、こんなところが理由だ。

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著者プロフィール

出口 治明(でぐち・はるあき):立命館アジア太平洋大学(APU)名誉教授・学長特命補佐。ライフネット生命創業者。1948年、三重県生まれ。京都大学法学部卒。日本生命入社。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て2006年に退職。同年、ネットライフ企画(株)を設立し、代表取締役社長に就任。2008年4月、生命保険業免許取得に伴いライフネット生命株式会社に変更。2012年上場。2018年~2023年、APU学長。2024年1月より現職。著書に『全世界史(上・下)』(新潮文庫)、『0から学ぶ「日本史」講義』シリーズ(文春文庫)、『歴史を活かす力』『日本の伸びしろ』(文春新書)、『哲学と宗教全史』(ダイヤモンド社)、『一気読み世界史』(日経BP)、『ぼくは古典を読み続ける』(光文社)、『逆境を生き抜くための教養』(幻冬舎新書)、『出口治明学長が語る 人生が楽しくなる世界の名画150』(星海社新書)、『働く君に伝えたい「考える」の始め方』(ポプラ社)等多数。

「2024年 『人類5000年史Ⅵ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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