つまずきやすい日本語 (NHK出版 学びのきほん)

著者 :
  • NHK出版
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本棚登録 : 161
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (104ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784144072420

作品紹介・あらすじ

誰もが経験する「会話の行き違い」。なぜそうなるのか? 日本でいちばん言葉を偏愛し、観察を続ける辞書編纂者が、豊富な実例をもとに原因と対処法を考える。歴史や語源など、言葉の根っこを学びながら「言葉との付き合い方」を身に付ける、知的で実践的な日本語入門!

感想・レビュー・書評

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  • さすが飯間さんと思わせる、丁寧で分かりやすい内容の本でした。
    冒頭で読者にこの本の目的がタイトル通り「つまずき」を解消することであり「間違い(=正解がある)」を正すことではない、としています。「言葉には正しい・誤りがある」というありがちな誤解をまず指摘しているのは重要なところだと思いました。
    そして「あなたと私の脳内辞書は違う」ことをまず認識させ、その違いに起因する「つまずき」をいかに乗り越えるか、その手段として「つまずき」例を挙げ、それを避ける手段を最後に説明しています。
    「つまずき」としては、時間的変化、方言など地域差異、専門用語や若者ことばなど集団語などが挙げられています。
    時間的変化についての指摘では、書き言葉は明治時代半ばまで古文というか文語体であり長年変化しなかったが、「言文一致体」が普及したために話し言葉の変化が言葉の変化として受け取られ「誤用」と受け取られるようになった、との点が興味深かったです。昔は話し言葉が変化しても文語体たる基準が完全固定されてたのに、近現代で話し言葉のほうが基準になったために、基準の揺れが気になるようになったんですね。
    方言や集団語については、他人が理解しやすい言葉へ翻訳つまり言い換えをしましょう、ってことでした。そりゃそうですね。ですが、日常的に使っている言葉が一般の人には伝わらないことになかなか気付きませんので、普段から注意しておく必要があるでしょう。
    最後の章には、相手に伝える・相手から受け取るコツがいくつか挙げてありました。語り手・書き手では「念押しで二度言う」「多義的な言葉(言い回し)を避ける」聞き手であれば「相槌を打って、分かりづらい点を質問する」本を読むときは「音読」。
    本の終わりのほうには「間違いを指摘するのではなく寛容になる」ことも大事だとありました。ですが「相手が使ってほしくない言い回しがあれば言ってもいいのでは」とも。それを言い出せる関係は良い関係だと思いますし、そうありたいと感じました。
    規範性を求められる辞書編纂者である飯間さん。しかし表紙には「言葉は、変化し続けるから、面白い」と書いてあります。言葉の意味は、辞書に固定された意味だけではないわけです。逆に、言葉の変化を辞書が日夜追いかけなければならないわけです。飯間さん、今後も追い続けてください。

  • 国語辞典編纂者の著者が、ことばはつまずく、ことばは誤解をうむ、ことばは時と場合に応じて変わっていく、意思を伝え合うことは「正誤」ではなく、うまく伝え、うまく受け止めることだ、ということを、平易に説くもの。よかったです。

  • 言語の不明確性について書かれていて、私には非常に納得いくもの、というか、ああそういうことだったんだなと思うものであった。
    不明確性が悪いのかといえば、そうではなく、不明確だからこそ、お互いに言葉を交わし合い、確認し合うことが大切なのではないだろうか。

  • 読了。言葉に優しい飯間先生の新刊。著者がふだんから主張していて、自分が共感している点が改めて書かれていた。江戸時代は古代の言葉を良しとしていたので書き言葉と話し言葉が乖離していたというのはなるほどと思った。書き言葉は知識人が使っていたんだろうから、西洋で言うラテン語みたいな扱いだったのかな。

  • 2019年3月26日購入。
    2019年6月11日読了。

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著者プロフィール

飯間浩明(いいま ひろあき)
1967年、香川県出身の日本語学者、辞書編纂者。『三省堂国語辞典』編集委員。早稲田大学大学院文学研究科博士課程単位取得。代表作に『辞書を編む』があり、その他著作も国語辞典や日本語にまつわるものが多い。

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