NHK出版 学びのきほん 本の世界をめぐる冒険 (教養・文化シリーズ)
- NHK出版 (2020年6月25日発売)
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感想 : 54件
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Amazon.co.jp ・雑誌 (104ページ) / ISBN・EAN: 9784144072581
作品紹介・あらすじ
誰も教えてくれなかった、教養としての「本の世界史」
「本が読まれなくなった」と言われる現代。でも、本当にそうなのか。本がたどってきた道のりを振り返ると、本と私たちとの新しいつながりが見えてくる。本はどのように誕生し、どう発展してきたのか。過去を学ぶことで見えてくる、本の現在、未来、そして本好でも知らない知識の数々--。本のこれまでの「きほん」とこれからの「きほん」が分かれば、読書がいっそう面白くなる。世界の事情に最も詳しい著者による、今すぐ誰かに話したくなる、学校では教えてくれない「本にまつわる教養講座」。
感想・レビュー・書評
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本の歴史と今、そしてこれからを優しい語り口で解説している一冊。
本は媒体や持ち味を変化させながら、ずっと我々の傍にありました。
情報を伝えるものであり、感性を伝えることもできます。
デジタル化についてもポジティブに触れられ、未来に期待を持てました。
本が自身を語る構成のジョン・アガード著『わたしの名前は「本」』に通ずるものがあり、改めて読書できることの素晴らしさを感じられました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
本の歴史と未来。
古代バビロニアとアッシリアの古都の粘土板、数万枚。
旧約聖書の「天地創造」「ノアの大洪水」が書かれている。
自分が死んでも残り続けるもの。
数千年後の未来なんて想像もつかない。
電子書籍は流通網が発達していない所で便利なんだと、初めて知った。 -
本はどうやってできたのか?起源や発展から日本の歴史まで分かりやすく書いている。巻末のブックガイドはおよそ100点紹介。筆者自身が広く本の世界を学んだ事が分かる。本と場をテーマにした章では新しい形や進化を述べており面白い。本はこれからも生き残るだろう。
コンパクトな作りながら本の世界に関連するエッセンスが詰まっておりとても読み応えがありました。この本は良いですね。巻末のブックガイドも併読したいと思います。 -
分厚い本のずっしりした重みが、手に心地いいってこともありますよね
『NHK 学びのきほん』シリーズはリーズナブルな定価であり、可愛くてほんのりノーブルな装丁が手に取りやすく、シリーズ全体の「気軽さ」にとても好感が持てます。個別のラインナップも知的好奇心を刺激してくれるテーマが多いですが、私は本屋で見かけると特にタイトルも気にせず、つい手にとってペラペラとめくってしまうほどシリーズごとのファンです。
今回選んだ『本の世界をめぐる冒険』は、本の起源などといった本の歴史や、周辺文化などよもやま話を集めた本の博物誌です。ブックカフェ店主である著者の体験談も織り交ぜられたとても読みやすい1冊です。
本 = 記録メディアの起源として紀元前の石板やパピルスなどの誕生、江戸時代の町人文化はなやぐ中での本の流行など、本の歴史がとても興味深く語られています。もちろん歴史の授業でパピルスや木簡などは学んではいますが、勉強ぎらいなこどもだった私は「教科書の中のこと」という先入観で関心を持てずにいました。あらためて今、面白さを感じています。
とりわけ興味深く読んだのは、「物理的な記録の優位性」について語られた章です。紙の本ではない、デバイス上にデジタルデータを表示させる電子書籍は当たり前のものになりました。利便性で比べるなら、場所も取らず持ち運びもたやすいデジタルデータの圧勝です。
しかし物理的なメディアの優位な点として、数千年先でも残り続けることが挙げられていました。デジタルデータは再生するハードやデータ形式の栄枯盛衰により、壊れるより先に再生できなくなる可能性があります。古代の歴史が研究できたのは、紙の本や掘られた石など、物理的な記録が残っていたおかげなのです。戦前の本を触ったことがありますが、物資が豊かだった時代なので上質な紙が使われていて、保存方によっては酸化も少なく100年以上前とは思えない白さを保っていたりします。あと電源の心配が不要なところも、地味ですが大きなアドバンテージだと思います。
また紙の本はそのまま体験につながるとも思います。紙質、インクの乗り、手触り、めくる指の運動と、その本が保持している情報プラスアルファの刺激が多く、体験として記憶に定着すると思います。あとはまあ、自分にとって紙の方が「理屈抜きでイケてる」んですよ、それが一番デカいっす。分厚い本のずっしりした重みが、手に心地いいってこともあるんですよ。これはもうフェティシズムの領域ですが、、、。全てが手軽で便利になった今、不便さに刺激を感じることが多いという実感があります。我が身を振り返ってみると、趣味はアウトドア、ウォーキング、フィルムカメラ、映画館で映画、美術館めぐり等。わざわざ手間と時間をかけているものばかり。
紙の本が性に合っているのも道理です。
本というものの根本を突き詰めてみると、それは人そのものだという、レイ・ブラッドベリ『華氏451度』にも通じるメッセージに深く頷きました。
「本を読む」という行為に、ストーリーを追う、メッセージを受け取る、だけじゃなくそれ以上のロマンを感じると、より読書が楽しくなりますね。 -
本に関する様々なこと(本の材料、作り方、印刷の仕方、本屋のあり方を含めた流通の仕方など)の歴史について、現代と関連づけながらわかりやすく説明してくれる本で、情報量が多いのに読みやすくすごい本だと思いました。筆者は本を書く場合100冊くらい読むと本書に書かれていて(!)この情報の濃さはそれでかと思いました。図書館の最新情報にもふれられてました。
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これからの本に今、わくわくしています!
ブクログに感想を投稿するのも、「本」ですね。
1〜3章で現代で本に関わるために知っておくべき「きほん」について学んで、4章でこれからの本のあり方、可能性について知ることが出来ました。
身近になったからこそ、できることが増えたのですね。
これからどんな進化をするのか、自分達でもどんな楽しみ方をするのか楽しみになりました。
読書についての本だと思って飛び込んでみたのですが、本の本でした!こういう出会いも面白い。 -
「本の世界をめぐる冒険」ナカムラクニオ。
▼なんとなく今まで見たことがなかった本。たまたま遊びに行ったポーラ美術館のギフトショップで衝動買い。美術館(そんなに頻繁には行かないんですが)のギフトショップって、萬に浪費モードになるのは、きっと僕だけではないのでは。
▼読んで全く浪費ではなく。読書、本、の古今東西事始めから優しい言葉で駆け足で、という実に「本好きの素人向け」の一冊。
▼一般に本が読まれないというけれど、それは本の読書のカタチだけで。実はいま現在ほど、少なくとも日本人がこんなに活字を読んでいる時代はかつて無かったのではと思っていました。それが(そういう言葉ではないけど)多様に多彩に語られます。
▼読書とはひとの人生を知ることだ、という考え方で、どこか外国で「人間図書館」(だったかな)という試みをしている。図書館でマッチングして、知らん人と会って、人生の物語を聞く。相手は難民だったり、障害者だったり、いろいろだそう。(つまり、「話してもいい」という人が図書館に自分を登録している)
▼ナカムラクニオさんという方は本屋さんだそう。行ってみたいな、と。いろんな本屋さんがあって、それを楽しめるというのは大都市圏に住んでる魅力ですね。(大都市圏に住んでる悲惨、というのも枚挙に暇がないですが) -
ヨルダンのラクダの取引は、今ではフェイスブックで行われている。
パプアニューギニアのセピック族は、裸で生活しているが、スマホを持っている。
世界では、紙の本よりスマホの電子媒体のほうが便利なところがいっぱいある。
日本は紙の本をよく読む国。
これからは紙とデジタルをそれぞれに活かす必要がある。
パピルス革命。パピルスはリサイクルできた。エジプトのアレクサンドリアの図書館は、パピルスの本を70万点所蔵していた。日比谷図書館が20万冊。
聖書の語源はパピルス。
パピルスから羊皮紙へ。紙の発明は、記録の革命。
わら半紙は、藁を混ぜたものが最初。再生紙。
模造紙は、三椏でつくった大蔵省印刷局の「局紙」をオーストリアの業者が模造したもの。これが模造局紙として日本に入り、これをさらに模造して、模造紙になった。
奈良時代は、経師屋さんが表具として本を製作していた。。
江戸時代は本の楽園。出版プロデューサー蔦屋重三郎。浮世草子などでヒット作を作り出した。江戸時代は、本だけでなく出版もした。
下北沢の「本屋B&B」は、兼業する本屋のはしり。
本は、自分にとってどんな意味があるか、を考えることが大切。
「文喫」入場料を払うと読み放題になる。
ベルギーの図書館は有料。本の購入費になる。
デンマークは、ダウンロードできる。人間図書館=人を貸し出す。芸術家や障碍者、マイノリティが話をしてくれる。
ヘルシンキ市立中央図書館は、工房がある。3Dプリンタ、ミシンなどが完備。 -
昔、「本」は「人間」だった。オーディオブックは現代の「語り部」。
「読む」という行為が「黙読」になったのは明治以降というのに驚いた。
現代ではブックカフェがコミュニティとなって、新しい「たまり場」へと進化しているらしい。
六本木の「文喫」という本屋さんに行ってみたい。
コペンハーゲンの「ヒューマンライブラリー」は、「語り部」への回帰なのかな。語られるのは個人的な経験やけど。ブログみたい。
ヘルシンキのように、3Dプリンターやミシンなどを完備した図書館、近くにあったら嬉しいなぁ。 -
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第4章がよかった。本に関わる身として参考にしようかな。
全体的にもうちょい踏み込んだ内容も欲しかった。日本ではなぜ紙の本が読まれるのか、とかも、なぜ、の部分が知りたくもあり。 -
思ってた感じと違った。
北欧やっぱ最高〜 -
活字離れが叫ばれるなかでも、古代より形を変えてきた「本」の歴史を紐解くことで、今後の本の在り方を示唆する内容になっている。すぐに読める割にはいろいろな知識を得ることが出来るし、これからの本や本を楽しむ「場」の進化にワクワクさせられた。
本とは何かということを、従来の「紙によってできた情報伝達媒体」というものからより拡大させて解釈する試みに基づいている。 -
本を「人と情報をつなぐ記録媒体」と定義しているのにハッとさせられた。この定義だと世の中にあるコンテンツの多くは広義の「本」ということになり、これだけ多くの「本」が供給されている社会では、書物としての狭義の「本」が売れなくなったのは当然のことだよなあと納得。けれど、海外の書店や図書館の話はワクワクしたし、書物の持つ可能性もすごく感じた。
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とっても面白かった!
本への理解と、本との様々な関わり方を知ることができました。
自分もいつかそういった拠点作りをしたいな、と思います。この本はその夢のバイブルです! -
本の世界で働くことに憧れる。
即時性に弱く、情報にタイムラグが生まれてしまう。情報量が制限される。情報拡散力が低い。修正が難しい。重くて不便など、紙ならではのデメリットもある。が、
紙媒体はまだまだ信頼性が高く、五感を伴った体験が味わえる。保管性が高い。記憶への定着力が良い。電源が必要ない。
東京の下北沢にある「本屋 B& B」は、その先駆者的存在として有名。「ビールが飲める本屋」
三鷹の「フォスフォレッセンス」、
入場料を払うと、そこにある本が読み放題で買うこともできる六本木の本屋さん「文喫」
ベルギー、公立の図書館でも貸し出しサービスが有料。(!)
どこの国か忘れたけど、人が通る場所で本を貸し出すというアイデアも超ナイス
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本屋Titleさんの紹介で読みたくなった本。
後半、世界の図書館の事例集が面白かった。
デンマークの図書館事情を深掘りしてみたい。
そして人と情報をつなぐという意味ではSNSも本の一環だと捉える筆者の考察にしっくりきた。
(以下、本文より引用)
「インターネット上のソーシャルメディアも「本」です。さらに、ソーシャルメディアによって発信する個人さえもが「本」になっているのです。」 -
#本の世界をめぐる冒険 を #読了
本とは何か。「文字が書かれた紙が束になったやつ」っと思った私は浅い。手元のkindleは本じゃない?オーディオブックは?ネットは?考え始めるとなんでも本…情報を人に繋げるものは全て本なのか?そんな疑問から冒険が始まる本。全ては体験に通じている?!
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