NHK出版 学びのきほん お経で読む仏教 (教養・文化シリーズ NHK出版学びのきほん)

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  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784144072611

作品紹介・あらすじ

この1冊で、仏教が一望できる!

その中身についてはほとんど知らないのに、誰もが法事などで一度は聞いたことのある「お経」。本書はこのお経を5つ、時代順に読んでいく。すると、「お経のエッセンス」「ブッダの教え」「仏教の変遷」が一気に理解できる。『スッタニパータ』『涅槃経』から『ミリンダ王の問い』『維摩経』『阿弥陀経』まで。「NHK100分de名著」での分かりやすい解説で人気を誇る著者が、自身が惹かれた仏典をもとに仏教の「いろは」を整理、初心者でも理解できる道を照らす。「縁起」「智慧」「慈悲」「念仏」――押さえておくべき仏教の言葉に込められた「不変の知恵」をひも解くことで、その知恵を自分に引き寄せて生きていけるようになる1冊。

感想・レビュー・書評

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  • 日本の仏教は不思議である。母国語の経典がないのだ(経典の翻訳書はあるが)。仏教経典はサンスクリット語とパーリ語で編纂され、日本に伝わった漢訳仏典はサンスクリット語を訳している。日本仏教は漢訳仏典を母国語に訳することなく、そのまま経典として借用した。しかも、中国語で読むことはせず、日本語読みで読経する。つまり、日本人はおろか、中国人すら聴いても意味がわからないお経をありがたがっていることになる。

    まさか読経している当のお坊さんが分かっていないということはないと思うが、檀家の我々からすればちんぷんかんぷんで、呪文と同じである。何だかわからんがありがたいという、宗教としては何とも不思議なあり方である。

    本書は、そのお経をベースに、仏教にアプローチしている。仏教の一般向け解説書としては、お経の内容の解説から入るのはめずらしいように思う。著者は今をときめく釈徹宗先生で、さすがの分かりやすさ。一般向けと侮るなかれ、なかなか深いところまでさらりと書いてある。
    おもしろいし、お値段がリーズナブルなところも嬉しい。仏教について、ちょっと学んでみたいという方には絶好の「縁」を提供してくれる。

  • 「思い」が強ければ強いほど、思い通りにならない苦しみが強くなります。ですから出家者は、心と身体をトレーニングして「思い」が暴れないようにするのです。自分というものに対して執着せず、自分以外のものにも執着しないことを目指します。

    →「思い」や「愛着」を減らせば「苦しみ」は減るようだけど、思いや愛着を減らしたくない、という「思い」があります。
    仏道を歩むには程遠いなぁ。

  • タイトル通りのお経と仏教の導入書。残念なことに感動は伝わってこない。

  • スッタニパータ/涅槃経/ミリンダ王の問い/維摩経/阿弥陀経を手がかりにして、仏教思想と仏教史のエッセンスにアプローチしたもの。改めて、仏教を学んでみたくなった。各派に見られる共通項を、「智慧」と「慈悲」、「今・ここの自分に対して説かれている」との点に見出しているのはよいと思った。

  • すごくおもしろかった。
    今までわたしは自分のことを無宗教だと思ってたけど、お葬式は両親の実家共に仏教だったし、読んでいて、日々なんとなく思ってたことが言語化された感じがあって、わたしってもしかしたら知らぬうちに仏教をなんとなく信仰していたのかもしれないなと感じた。
    だからヨガの哲学もすんなり理解できたんだろうな。
    仏教もヨガもはじまりはインドだから、似ているところが本当に多い。

  • あまり馴染みのないお経を読み繋いで、仏教がざっくり理解できる。かみ砕いて説明してくれているから、お経の意味やストーリーが理解できる。お経へのハードルを下げてくれる本。巻末のブックガイドがありあがたい。キーワードは智慧と慈悲

  • お経:仏教の大まかな流れ 教えの広まり お経=教えの記録 口伝→文字化 三蔵=経蔵・律蔵・論蔵 パーりー語→漢訳 初期・中期大乗仏教 ブッダ・スッタニパータ:最古の教え 苦悩解決 ×固定化 苦悩解決→教え捨てる 中道 二本柱=智慧・慈悲 涅槃 苦悩の引き受け方・涅槃経:最後の様子 拠りどころ 世界の美しさ 怠ることなく歩み続ける 自分という枠組み・ミリンダ王の問い:実態 時間 十二縁起 日々手を放す とらわれず生きる・維摩経:空の実践 仏によって救われる・阿弥陀経:浄土と涅槃 自分本来の色 縁を大切にする

  • 「スッタニパータ」、「涅槃経」、「ミリンダ王の問い」、「維摩経」、「阿弥陀経」のハイライトを噛み砕いて解説している。
    成立時期や宗派が異なるため、仏教の幅広さを感じ取れる反面、結局仏教が何なのか、ということは分かりづらい。
    密教に興味があるから、その経典が盛り込まれていなかった点は残念。
    ゆくゆくは他の経典の解説書も手に取りたい。

  • 執着手放すのなんて無理〜
    生への執着なんぞ捨てたら最早生物にとって命も意味のない者なんだから繁殖する意味なくね

  • 仏教について、正直あまりよくわかっていなかったので、大変参考になった。原始仏教と現在の仏教との関係、何でこんなにもたくさんの宗派があるのか等々、なるほどと納得できたことが多かった。入口からちょっと覗かせてもらっただけなのだとは思うが、これをきっかけに、仏教について少しずつ理解を深めていけたらと思う。

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著者プロフィール

1961年大阪生まれ。僧侶。専門は宗教学。相愛大学学長。論文「不干斎ハビアン論」で涙骨賞優秀賞(第5回)、『落語に花咲く仏教』で河合隼雄学芸賞(第5回)、また仏教伝道文化賞・沼田奨励賞(第51回)を受賞している。著書に『お世話され上手』(ミシマ社)、『不干斎ハビアン』『法然親鸞一遍』『歎異抄 救いのことば』など。

「2023年 『日本宗教のクセ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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