世界史のリテラシー 仏教は、いかにして多様化したか 部派仏教の成立 (教養・文化シリーズ)

  • NHK出版 (2025年2月27日発売)
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Amazon.co.jp ・雑誌 (178ページ) / ISBN・EAN: 9784144073243

作品紹介・あらすじ

同じ仏教なのに、なぜ宗派によって教えが違うのか? その根源を見る。

宗派とは何か? なぜ多種多様な教えがあるのか? 世界の今を解くカギは、すべて歴史の中にある――。誰もが一度は耳にしたことがある「歴史的事件」と、誰もが疑問を抱く一つの「問い」を軸に、各国史の第一人者が過去と現在をつないで未来を見通すシリーズの第9弾! 釈迦が説いた「自己鍛錬」のための仏教は、いつ、どのようにして部派に分裂し、その後、なぜ「衆生救済」を目的とする大乗仏教に変容したのか? そして、日本仏教が世界で最も「特異な仏教」とされる理由はどこにあるのか? 科学にも通じる仏教学の碩学が自身の学説を軸に仏教界の大いなる謎に迫る。

[事件の全容]
第1章 仏教は、どのようにして部派に分裂したのか?
[歴史的・宗教的背景]
第2章 なぜ、インドで仏教が起こったのか?
[仏教世界へのインパクト]
第3章 大乗仏教は、どのようにして生まれたのか?
[後世に与えた影響]
第4章 「時代の要請」によって変容した日本仏教

感想・レビュー・書評

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  • 断片的に理解していた仏教をポイント押さえて流れを解説してくれるよい本。佐々木閑さんの安定したわかりやすさはいつ読んでもよい。

    ブッダが亡くなった後、弟子たちが彼の教えや戒律をどう守るかで意見が分かれた。「細かい戒律をどこまで厳格に守るべきか」「新しい状況に合わせて柔軟に解釈してよいか」といったふうに。この違いが部派分裂の最初の原因になる。でもアショーカ王が、違う考えでも集団儀式を一緒にしていれば正統な出家者と認める流れを作ったのが大きいのだろう。佐々木さん曰く「なんでもあり」になったと。

    その後、自己鍛錬なのか、衆生救済なのかでまた分かれてくる。仏教はキリスト教並みに、以上か?、分派しているのに、大規模な宗教戦争は起きていない。もちろん日本の僧兵のような存在はあったが、それは世俗の織田軍、松平軍と一向宗という形。

    様々な部派が平和裡に共存というのはいかにも仏教的だが、アショーカ王の判断がなければもっとギスギスしていた可能性もあり、歴史はおもしろいなと感じる。それこそブッダが描いた宇宙的な世界が現世に広がったというか。

    日本では仏教は初期から国家に取り込まれ、その後僧は世俗化して、肉は食べ結婚もする。これもまた融通無碍というか、なんでもあり。
    もっとも人の苦しみを理解し、軽くするという意味ではまだまだ世界では求められると思うし、本屋で平積みの仏教本もたまに見る。でも身近なローカル寺院は檀家が減って大変。いろいろ転換点なのだと考えて終わり。次につながるよい本でした。この世界史のリテラシーのシリーズはまた読みたい。

  • 日本人なのに日本の文化を説明できなくて凹んだ、というのと同じ理屈で、浄土真宗と曹洞宗には触れる機会があるけれど、何もわかっていない自分が歯痒くて、解説書を手に取りました。
    日本で仏教の宗派が数多く存在する事情や、僧が妻帯肉食を許される事情、神仏分離令など、本当は成人なら知ってて当たり前なことが、非常に分かりやすく説明されています。
    原始仏教について、もっと深く知りたくなりました。

  • 実に面白い! 紀元前5世紀インドで生まれたシャカの仏教が、やがて多数の部派に別れ、挙げ句に大乗仏教を生み、それが日本に伝わってさらに特異な日本仏教の姿に変貌していく様を、分かりやすく語ってくれる。学術的になりすぎて難解となるのでもなく、教科書のように事象の羅列で無味乾燥となるのでもない、実に興味深く書かれている。『科学するブッダ』もそうだったけれど、佐々木先生、ややこしい学問の歴史を大づかみに本質を掴んで分かりやすく面白く提示してくれる手付き、素晴らしいわ! ありがとうございました。

  • 著者の本は、以前にも読んでいて、かなり重複があるのだが、コンパクトにわかりやすく仏教の多様性がどのように生まれたかを説明してあると思う。

    タイトルは、部派仏教とあるが、これは出版社との関係でそうなっただけで、内容的には大乗仏教、日本の仏教まで流れを整理してある。特に、日本の仏教関係の部分は目から鱗の議論がいくつかあって、勉強になった。

  • 同じ仏教なのに、なぜ宗派によって教えが違うのか、なぜ多種多様な教えがあるのか。
    釈迦が説いた仏教は、いつ、どのようにして部派に分裂し、なぜ大乗仏教に変容したのか。
    そして、日本仏教が、世界で最も特異な仏教とされる理由はどこにあるのか。
    仏教学の碩学が、仏教の謎を分かりやすく解説してくれます。
    本書を読むと、いかに日本の仏教が特殊なのかが分かります。

  • 佐々木氏はYouTubeでも仏教研究者/僧侶として多くの学びあるコンテンツを広く大衆に向けて発信している。本書の内容はそれとの重複はあるものの、仏教通史を日本から見通すという目的がすっきりと、コンサイスに示されており、初学者や関心のある市井の人にとって素晴らしい内容と感じた。

    原始仏教から大乗仏教、日本の仏教の歴史と広範なテーマをカバーしているので、もちろんかなり駆け足なのだが、抑えるべきストーリーを提示してくれるので面白く、まts身近に感じられる。仏教者は本書の内容を把握しておくくらいのことは、必要最低限なのではないかと思われる。

  • 背ラベル:180.4-サ

  • 日本に仏教がどのように伝来して現在の姿になったかの概要
    大本のブッダの唱えた教えはどういったものであったかに始まり、ブッダの没後その教えがどのように変わっていったかが書かれている。

  • ふむ

  • 途中、ファンタジーだこれ、ブッダの教え皆して盛り過ぎでついてって大丈夫なんか?みたいになりますが、日本史パートがすげー面白いのでついていきましょう。

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著者プロフィール

1956年福井県生まれ。花園大学文学部仏教学科教授。京都大学工学部工業化学科および文学部哲学科仏教学専攻卒業。同大学大学院文学研究科博士課程満期退学。カリフォルニア大学バークレー校留学をへて現職。専門は仏教哲学、古代インド仏教学、仏教史。著書に『宗教の本性』(NHK出版新書、2021)、『「NHK100分de名著」ブックス ブッダ 真理のことば』(NHK出版、2012)、『科学するブッダ』(角川ソフィア文庫、2013)ほか多数。訳書に鈴木大拙著『大乗仏教概論』(岩波文庫、2016)などがある。

「2021年 『エッセンシャル仏教 教理・歴史・多様化』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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