こころの時代 宗教・人生マンダラと生きる (2018年4月~9月) (NHKシリーズ NHKこころの時代)

  • NHK出版 (2018年3月28日発売)
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Amazon.co.jp ・雑誌 (164ページ) / ISBN・EAN: 9784149109879

感想・レビュー・書評

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  • 番組はあともう一回放送があるのだけど、それよりはやく読み終えての感想。
    マンダラの解説を通じて、密教と言うもの、空海の思想についてはスッキリ整理できたように思う。
    で・・・。マンダラを現代に生かすと言うこと。生活の中のマンダラと言うこと。これの点が著者の力の入ったところなのだが・・・。
    マンダラを用いた瞑想、と言うのは素人(在家仏教者とか人の心そのものに関心を持つ一般人)にとってムツカシ過ぎないだろうか。というか、これはやはり専門の訓練を受けた僧侶でないと出来ないのではないかと、思った。坐禅やテーラワーダの瞑想はもっと簡単にはじめることができる。そのように簡単な瞑想法は密教には無いのだろうか。むしろ、マンダラ塗り絵には期待大で私もやってみるつもりだ。しかし、このマンダラ塗り絵をはじめたのが、密教教団外部からだというのはなにか残念な思いがする。

  • 定期的に行く、生桑の三洋堂書店で手にした本。マンダラといえば空海だ。胎蔵マンダラ、金剛界マンダラは自分でも知っている。でも、マンダラっていったい何なの? という疑問はある。そんな疑問が頭の片隅にあったので手にしたのだろう。NHKの「こころの時代」という番組のテキストのようだ。

    著者の正木晃さんは、マンダラ塗り絵を日本に紹介した方のようで、このシリーズは何冊かあり、ロングセラーになっているようだ。マンダラ塗り絵は精神疾患に効果を発揮するらしい。「こころの安定剤」といったところだろうか。

    正木さんは、マンダラは世界の構造や心の構造の心理を、言葉や文字ではなく、視覚を通して伝えるために開発した図像だという。特徴は幾何学的構成や強い対称性にあると言っているが、ボクにはマンデルブローのような入れ子構造を感じさせる。宇宙が自分の身体の外部にあると同時に、自分の体の内部にもある。

    さて、空海が日本に持ち込んだマンダラは是袁術下通り「胎蔵マンダラ」と「金剛界マンダラ」だ。この2つのマンダラをもって「両部不二」という。それぞれのマンダラは経典が根拠になっていて、「胎蔵マンダラ」は『大日経』、「金剛界マンダラ」は『金剛頂経』が出典となっている。この2つの経典の方向性はかなり異なっていて、、、というよりは、まったくベクトルが違うと言える。その経典から出てきたマンダラを「両部不二」と言っている訳で、そこに空海が切り開いた日本密教の方法がある。相反するものを敢えて一緒に扱うことで、反発ではなく昇華を生んだのだ。

    「絶対矛盾的自己同一」、「梵我一如」、「一即多 多即一」、「心身一如」、「不即不離」は、ボクにはいずれも似たニュアンスを与える。分けることでわかることもあるのだが、分けることで見えなくなってくるものもある。これを分けずに一緒に扱う。こういう方法なのだと思う。

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著者プロフィール

早稲田大学オープンカレッジ講師、専門は宗教学。 著書に『「ほとけ論」:仏の変容から読み解く仏教』(春秋社 2021)、『マンダラを生きる』 (角川ソフィア文庫 2021)他

「2024年 『談 no.131』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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