NHKカルチャーラジオ 漢詩をよむ 漢詩の歳時記 秋冬編 (NHKシリーズ)

  • NHK出版 (2024年9月26日発売)
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本 ・雑誌 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784149110882

作品紹介・あらすじ

冬枯れから芽吹きへ。夜長や風雪を愁い、春を待望する想いが込められた名作を味わう

穏やかな朗読とわかりやすい解説で漢詩の魅力を紹介する「漢詩をよむ」。後期のテキストでは、漢詩における「歳時記」をテーマに、名作を紹介・鑑賞する。「歳時記」は日本では江戸時代以降の主に俳句の季語を分類したものを指すが、本来は、四季に応じた事物や行事などを列挙した中国古来のもの。10月から翌年3月までの後期では、秋から冬へと季節が移ろうなか、自然の変化や人びとの営み、節句や祭りに材を取り、哀感や郷愁、春を待つ想いがこめられた作品を鑑賞する。秋の夜長、虫の声、初霜や初雪、冬衣、冬至、大晦日、元旦、人日(正月七日)、小元(正月十五日)、元宵(同日夜)、寒食(冬至から百五日目)、柳絮……といったそれぞれの題材を、李白、白居易、蘇轍、韋応物、王維、杜牧、陸游といった詩人たちが描いた秀作を、存分に味わう。

感想・レビュー・書評

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  • 秋から冬のわりと寂しい時期を伴走してくれたラジオ番組。
    秋の始まりに衣替えの絹を杵で着いて柔らかくする音がするという比較的有名な行事から始まり、本当にあんまり行事がないから新たに作成したという「中和」の節句だとか、火が老いるために三日間火を使わない料理を食べる「寒食」という知らなかったイベントもあって楽しめた。
    季節の変わり目や節目は、どれも結局は一年が巡って歳をとったとか、旅人の身の上でいつ帰郷できるだろうかとか、かつての楽しい時間や帰れない場所に思いを馳せる機会になっているんだなと思う。
    一年ありがとうございました。

  • 本放送から遅れてようやく聴き終わった。年度を通して季節を詠じた詩を鑑賞した。今回も、幅広い時代や作者を取り上げていて、丁寧な解説で大変良い内容であった。古代より綿々と伝わる節気を詩にするのは、俳句に通じるものもあり、また現代では失われた時候の風物も感じられた。

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著者プロフィール

1950年、横浜生まれ。國學院大學大学院博士課程修了。同大学講師・助教授・教授・学長、桜美林大学大学院、上智大学大学院、早稲田大学大学院講師を歴任。現在は、國學院大學名誉教授。博士(文学)。専門は中国文学、とくに唐代文学。主な著書に『韓愈・柳宗元』(明治書院)、『唐代伝奇小説の研究』(研文出版)、『中唐文人之文芸及其世界』(中華書局)、『中国山水詩の景観』(新公論社)、『中唐詩壇の研究』(東洋学叢書、創文社)、『漢詩・漢文解釈講座』第二巻(唐詩上)(昌平社)などがある。

「2023年 『NHKカルチャーラジオ 漢詩をよむ 人生をたたえる詩』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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