私が見たと蝿は言う (ハヤカワ・ミステリ 217)

  • 早川書房 (1955年9月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784150002176

感想・レビュー・書評

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  • イギリスの作家エリザベス・フェラーズの長篇ミステリ作品『私が見たと蝿は言う(原題:I, Said The Fly)』を読みました。
    アンソロジー作品『13のダイヤモンド』に収録されていた『犯人逮捕』を読んで、エリザベス・フェラーズの作品を読んでみたくなったんですよね。

    -----story-------------
    ロンドンの安アパートは、女流画家のケイ、評論家のテッドとその愛人メリッサ、建築家のチャーリーに、作家志望のナオミなど一癖も二癖もある住人揃い。
    ある日、フランスへ行くとアパートを出たナオミの部屋からピストルが発見された。
    みんなが不安を煽られたその矢先、ナオミ自身が射殺体でみつかり、容疑者にされたアパートの住人たちはそれぞれ勝手に推理しだす...二転三転する真相から目が離せないユーモラスな本格。
    -----------------------

    1945年(昭和20年)に刊行された作品……小口と天・地が黄色に染めてある、懐かしく、心ときめく装丁のハヤカワポケミス(ハヤカワ・ミステリ、HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOK)版で読みました、、、

    1955年(昭和30年)の翻訳なので、古い仮名遣いや漢字が使われており、慣れるまで少し時間がかかりましたね。

    第二次世界大戦前のロンドンの安アパート・十号館の一室の床下から、ガス工事中にピストルが発見される……その部屋の元住人でフランスへ行くとアパートを出た女性ナオミ・スミスが殺害され、十号館で発見されたピストルにより射殺されていたことが判明する という事件を巡る物語、、、

    女流画家のケイ・ブライアントやその良人パトリック、批評家のテッド・ヘイ、その妻(正式には結婚していない)メリッサ・アイボリイ、建築家のチャーリイ・ボイス、独身の女パメラ・フーラー、アパートの家主ミス・リンガード等々、十号館に関する住人たちは、それぞれに独自の推理を展開するが、真相は意外なものだった……。

    ケイを始めとする十号館の住人たちが事件の真相を探ろうとしますが、住人たちはそれぞれに違う推理を持ち、真実は見えてこない……という、ちょっともどかしい感じの展開が印象的でした、、、

    ケイが真実に気付き、それに気付いた犯人により危機に陥る……その3年後、偶然コリイ警部に再会したケイは、コリイ警部から真相を告げられる、という終盤の展開は一気読みでしたね。

    謎解きも面白いのですが、安アパートに生活する様々な事情を抱えた人間模様を描いたドラマとしても愉しめましたね……そういう意味では風俗ミステリ的な雰囲気を持った作品でもあったかな、、、

    次もエリザベス・フェラーズの作品を読んでみようと思います。

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著者プロフィール

本名モーナ・ドリス・マクタガート。別名義にE.X.フェラーズ。1907年、ミャンマー、ヤンゴン生まれ。6歳の頃、英国へ移住し、ロンドン大学でジャーナリズムを専攻。1930年代にモーナ・マクタガート名義の普通小説で作家デビューし、ミステリ作家としては、「その死者の名は」(40)が処女作となる。英国推理作家協会(CWA)の創設メンバーとしてミステリの普及に尽力し、1977年にはCWA会長を務めた。代表作に「猿来たりなば」(42)、「カクテルパーティー」(55)など。95年死去。

「2020年 『亀は死を招く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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