死刑執行人のセレナーデ (ハヤカワ・ミステリ 466)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150004668

感想・レビュー・書評

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  • ニューヨークで刑事をしているチャンピオン・プレスコット。まだ20代だ。犯人追跡中弾丸を受け、上司から強制?休暇をとらされ、ジョゼフズ・ヴィンヤードという田舎町にやってきた。ところが、今まで事件のなかったその村にプレスコットがきたとたん、自殺とみせかけた殺人事件が都合5件も発生。地元の保安官と協力?して犯人を捜し出す。

    30,40年代の作品に見られる、意表を突く装飾文体はほとんど無い。事件も普通。ただ事件が起こされた理由の背景が、アメリカの開拓時代にまで遡る土地の歴史と結びついていて、興味深かった。ドラマに仕立ててもけっこういけるのではと思う。

    都会人から見た田舎、精神薄弱者などの描写が、目立つ。いままでのウールリッチにはあまりなかった。訳語も昭和34年の日本版ならではか。今だったら別な言葉になっているだろう。

    「コーネル・ウールリッチの生涯」下によると、1945年の中編「ヤンキー・ドゥードルの殺人」を長編にしたものとある。中編の題は、犯人への謎に迫る題。この長編の原題は「STRANGER'S SERENADE」で、よそ者、来訪者の小夜曲となり、田舎町に来訪したプレスコットがその地でちょっと思いを馳せた画家スザンへの物語、みたいな感じになるのかな。

    この本を書いたあと、ウールリッチはぴたりと筆を追ってしまい、1951年の秋、長期入院していたとある。病院に転送されたファンからの手紙への返答で、ウールリッチは長編で気に入っているのは「黒い天使」と「喪服のランデブー」だと書いている。


    1951発表
    1959.1.30発行 図書館

  • ひさびさに未読のアイリッシュ作品に出会ってうれしい。
    職務で重傷を負ったNYの刑事が、静養のために静かな島を訪れた。ところがその直後から、島は未曾有の連続殺人事件に見舞われる。殺人あり恋の鞘当てありアクションあり。最終的には政府の大規模な機密が絡む。アイリッシュ作品としては中くらいだと思うが、意外と映画向けの話かも。

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