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- Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150006440
感想・レビュー・書評
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アメリカのとある一族が巻き込まれた連続殺人事件。その解決の糸口になったのはありふれた一枚のドアだった。
この作品も「もし私が知っていたら」の形式なので書き手のエリザベス・ジェーンはちょこちょこヒントをくれます。最初から犯人を「彼」と呼んでますし、ある人になにかが起こる何日前という描写もありますし、全く予想がつかないということもありません。それでもサスペンスの風味は失われず、この作品で一番の注目点「どこのドアが、どんなことで」真相に繋がるのかはギリギリまで色々想像して楽しめました。理屈による動機は一応はっきりするものの、なぜ殺人という一線を犯人は越えてしまったのかは分からないまま。ある意味それは当たり前できっと犯人にだって説明はできないのでしょうけれど、そこを考えさせられるのもこういう、人間を描いたミステリの面白さ、魅力です。
奥付けを見ると昭和36年の発行。昔の翻訳は独特の味があります。小文字が大文字になっていたり、名前の訳し方が今と違ったり。印刷状態が良くないのもまたオツなものです。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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