殺意のシステム (ハヤカワ・ミステリ 1479)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (273ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150014797

作品紹介・あらすじ

「あなたは成功者なんだから」という浮浪者の言葉がグレイアムを殺人に駆り立てた。彼は金をせびりに寄ってきたその老人の頭に、傘を思い切り叩きつけた-何が成功者だ!たしかに、それまでの彼の人生はバラ色だった。両親の愛情を一身に受け、高校、大学と激烈な競争に勝ち抜き、超一流の石油会社に入社、人事部長候補の地位に駆け上った。その間には美しい妻と豪邸を手に入れ、「成功者」であることは自他共に認めていた。それだけに、途中入社でたいした学歴もないベナムが部長になった事は、この上ないショックだった。殺人を犯したのは、初めての挫折を噛みしめながらの帰り道だった。だが、何日経っても警察は彼の前に現れない。事件は迷宮入りしたのか。そのうち、妙な優越感が、犯行発覚の不安に取って代った-自分は、他の人間にできない人殺しをやってのけたのだ!彼は、かつて競争相手を何人も蹴落したように、邪魔を除こうと決意した。まず、昇進の妨げになるベナム、そして今や煩しい枷となった妻。新たな力を得たかのように、彼は緻密な計画を実行に移して「成功者」への階梯を再び登り始めたが…鮮かなツイスト、ブラックユーモアのきらめき、鋭く抉り出される人間の醜い実像-俊英が新生面を開いた注目の犯罪心理サスペンス。

感想・レビュー・書評

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  • ◆◆ ベッドでミステリー ◆◆ 第十六回

    ・・・ 第十六回 「殺意のシステム」 ・・・

    あるところに一人の男の子がいました。大人しく、優等生で親のいうことをよく聞き、勉強していい大学に入り、いいお嬢さんと結婚し、いい暮らしをしていました。
    ところが、40にもなったある日、町で浮浪者に
    ‘‘1ポンド恵んでおくれよ、ダンナはエリートなんだろ?’’
    といわれた瞬間スイッチが入り、相手を殺してしまいます。
    こんな動機、誰にもわからないので事件は迷宮入り……。
    自分ですら、自分が苦しいなんで気がついてなかった……。
    でも、そうしてある意味覚醒した彼は、嬉しそうに自分を押し込めた連中に復讐を始めるのです。
    ミステリーではいろいろな動機が描かれましたが、これはなかったわ~、でした。
    アダルトチルドレン時代のミステリーだよね。

    2018年05月22日

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