カインの娘たち (ハヤカワ・ミステリ 1627)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150016272

作品紹介・あらすじ

モース主任警部にとって、他人が担当していた事件を途中から引き継ぐのは、あまり面白いことではなかった。その上、怨恨による殺人ときては、さして難しい事件とも思えなかった…。ところが、オックスフォード大学のもと研究員マクルーア博士が刺殺された事件は、モースが乗り出した途端、意想外の展開を見せ始めた。容疑者と目されていた博物館の係員ブルックスが行方不明となり、数週間後、刺殺体となって発見されたのだ。凶器は博物館から盗まれたアフリカのナイフだった。はたして奇妙な凶器の意味するものは何か。そして、第一の殺人との関連は。やがてブルックスに恨みを持つ三人の女が捜査線上に浮かび上がるが、彼女たちにはさすがのモースも頭を抱える鉄壁のアリバイがあった。アクロバティックな推理と華麗な謎解きで読者を魅了しつづける現代本格シリーズの最高峰、待望の最新作。

感想・レビュー・書評

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  • 「コリン・デクスター」の長篇ミステリ作品『カインの娘たち(原題:The Daughters of Cain)』を読みました。

    「コリン・デクスター」作品は昨年6月に読んだ『死はわが隣人』以来ですね、、、

    今回も懐かしいハヤカワポケミス(ハヤカワ・ミステリ、HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOK)版… ハヤカワポケミスって、若い頃のイメージで、今でも憧れのシリーズなんですよね。

    -----story-------------
    「モース主任警部」にとって、他人が担当していた事件を途中から引き継ぐのは、あまり面白いことではなかった。
    その上、怨恨による殺人ときては、さして難しい事件とも思えなかった…。
    ところが、オックスフォード大学のもと研究員「マクルーア博士」が刺殺された事件は、「モース」が乗り出した途端、意想外の展開を見せ始めた。
    容疑者と目されていた博物館の係員「ブルックス」が行方不明となり、数週間後、刺殺体となって発見されたのだ。
    凶器は博物館から盗まれたアフリカのナイフだった。
    はたして奇妙な凶器の意味するものは何か。
    そして、第一の殺人との関連は。
    やがて「ブルックス」に恨みを持つ三人の女が捜査線上に浮かび上がるが、彼女たちにはさすがの「モース」も頭を抱える鉄壁のアリバイがあった。
    アクロバティックな推理と華麗な謎解きで読者を魅了しつづける現代本格シリーズの最高峰、待望の最新作。
    -----------------------

    やっぱり、これですよねっ、、、

    小口と天・地が黄色に染めてある、懐かしいハヤカワポケミス版… 古くて、かなーり色褪せしていいますが、それでもやっぱり、なんだか読んでいて嬉しい感じです。

    本作品は、「モース主任警部」シリーズの12作目にあたる作品なので、以前読んだ『死はわが隣人』(シリーズの13作目)のひとつ前の作品にあたる作品のようです、、、

    「モース主任警部」が「フィロットスン主任警部」から捜査を引き継いだ、オックスフォード大学の元研究員「フェリックス・マクルーア」の刺殺事件は意外な展開を見せた… 以前、被害者の住むフラットの用務員をしており、その際に麻薬の密売がばれて馘首になった博物館係員「エドワード・ブルックス」が容疑者として浮かぶが、彼は捜査を進めている途中で行方不明となり、数週間後にテムズ河畔で刺殺体となって発見され、その凶器は彼の勤める博物館から盗まれたナイフだった。

    二つの殺人事件の関連性は… 捜査を進めるうち、殺された「エドワード・ブルックス」に恨みを持つ三人の女性(妻「ブレンダ・ブルックス」、義娘「エリナー・スミス」、「ブレンダ」を掃除婦として雇っている「ジュリア・スティーヴンズ」)の存在が浮かび上がるが、彼女たちには鉄壁のアリバイがあった、、、

    殺人事件の日付を偽装して鉄壁なアリバイを作るトリックや、横暴な義父と虐げられた母子の関係等、事件のディテールは「東野圭吾」の名作ミステリ作品『容疑者Xの献身』を彷彿させられましたね。

    捜査の過程で「モース」は病に倒れ、相棒の「ルイス」は、単独で捜査を進めることに… 幸い「モース」は短期間の入院後、無事に退院し、その後、トリックを見破り見事に事件を解決、、、

    という、次作の『死はわが隣人』でもあった展開でしたね… 次々作が最終話らしいので、もしかすると、この病が悪化するのかなぁ。

    『死はわが隣人』と同様に、仕事熱心だけど、気難しい性格で科学的思考より自身の直観(思い込みや思い付き)を優先する「モース」と、地道な捜査を好み「モース」の直感的推理を参考にしつつ淡々と捜査を進める「ルイス」の対比が面白かったですね、、、

    「モース」が(勤務時間内であっても)パブでおいしそうにビールを飲むシーンが目立つので、ビールを飲みたい欲求が高まる作品でした。 



    以下、主な登場人物です。

    「ジュリア・スティーヴンズ」
     高校教師

    「ブレンダ・ブルックス」
     ジュリアの家の掃除婦

    「エドワード(テッド)・ブルックス」
     ブレンダの夫。博物館の係員

    「ケヴィン・コスティン」
     ジュリアの生徒

    「フェリックス・マクルーア」
     大学のもと特別研究員

    「ローラ・ウィン-ウィルスン」
     マクルーアの隣人

    「スーザン・ユーアズ」
     大学の用務員

    「エリナー(エリー)・スミス」
     娼婦

    「ジェーン・コトレル」
     ピット・リバーズ博物館館長

    「マシュー・ロドウェイ」
     自殺した学生

    「メアリー・ロドウェイ」
     マシューの母親

    「アシュリー・デーヴィス」
     マシューのルームメイト

    「ローラ・ホブスン」
     病理学者

    「ストレンジ」
     主任警視

    「フィロットスン」
     主任警部

    「ルイス」
     部長刑事

    「モース」
     主任警部

  • ここんとこ、ちょっと体調が悪くてね…

    誰が?って、ほら、モース主任警部、だけどね。

    キリスト教に詳しくない身だから、
    まず表題の意味も調べにゃわからんよ。
    (カイン…カイン…
    ふむ、殺人者の烙印をおされた者って意味ね、成程)

    事件は大学の博士が刺殺され、
    犯人と目される男が行方不明に…

    事情を詳しく知っていると思われる
    三人の女には鉄壁のアリバイが…

    と言うこちらの作品はいつものミステリガイドでは…圏外…!

    確かに、モース主任警部は入院したり、今後の人生のこと考えて元気ないし
    事件自体も解決しても、ふーむ…、そっかあ…と言う感じ、だもんなあ。

    全体的に地味な印象は拭えない。

    ただ、非行少年(←死語?)と先生との絆や
    モース主任警部と部下のルイス部長刑事との
    やり取りなど、二人の関係性に着目すると楽しめる作品。

    これはミステリ好きの人が謎解きなどを楽しみに読むものではなく、
    このシリーズのファンが押えておくために読むものかな。

    でも自分が子供もいないのにあれだけど、
    ああしちゃった時のあの人の行動に?マークが…。

    こう言うのは反対はあっても、これみたいのはまず無いと思いますが
    どうでしょう。
    (ネタバレしないよう細心の注意を払って書いたつもりです)

  • 001.初.元ビニカバ、帯付。
    2010.12.20.鈴鹿BF

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