聖なる森 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

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  • Amazon.co.jp ・本 (420ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150016784

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  • イギリスの作家「ルース・レンデル」の長篇ミステリ作品『聖なる森(原題:Road Rage)』を読みました。

    「グリン・カー」の『黒い壁の秘密』に続き、イギリス作家の作品です。

    -----story-------------
    風光明媚な英国の田舎町キングズマーカムでは、ロンドンへの交通の便を良くするため、かねてからの懸案だったバイパス道路建設計画が、急ピッチで進められていた。
    しかし自然を愛する地元住民や環境保護団体が、反体運動を繰り広げて工事を妨害したため、町は騒然としていた。
    そんなある日、誘拐事件が起きた!誘拐されたなかには「ウェクスフォード」の妻「ドーラ」も含まれており、彼は苦悩のどん底に叩き落とされる。
    後日、「セイクリッド・グローブ」なる団体から、誘拐した人質を引きわたす条件として、建設計画の白紙撤回を求めてきたのだが...。
    「ウェクスフォード」は愛妻を救えるのか?
    人気シリーズ最新作。
    -----------------------

    1997年(平成9年)に刊行された「ウェクスフォード警部」シリーズの第17作目の作品、、、
    聖なる森(原題:Road Rage)

    小口と天・地が黄色に染めてある、懐かしいハヤカワポケミス版です。

    英国の田舎町キングズマーカムの風光明媚な自然を破壊するバイパス道路建設計画が持ちあがった… 自然環境の悪化を恐れる地元住民のあいだで建設反対運動が起こり、キングズマーカム警察の主任警部「ウェクスフォード」の愛妻「ドーラ」も、環境保護グループの一員として、この住民運動にかかわっていた、、、

    建設工事の着工が迫るにしたがい、キングマーカムとその周辺に、抗議活動のプロや過激な武闘派、ホームレスもどきなど、大小さまざまな建設反対グループが外部から乗り込んできていて、周辺の森や渓谷に彼らの野営地が出現した… 大がかりな反対デモが行われ、暴徒化した一部のグループの襲撃騒ぎもあり、日頃は長閑なカントリーサイドに不穏な空気が流れる中、5人の人間が次々と失踪する事件が発生する。

    失踪したのは、モデル志望の若い娘「ロクサーヌ・マスード」、ロンドンから祖母を訪ねてきていた少年「ライアン・バーカー」、地元旧家の夫婦「オーウェン・ストラッサー」、「キティー・ストラッサー」、そして「ウェクスフォード」の愛妻「ドーラ」… 彼女は生まれたばかりの孫「アミュレット」に会いにいくためにタクシーで自宅を出たまま戻らなかった、、、

    まもなく<セイクリッド・グローブ(聖なる地球)>と名乗るグループから犯行声明が送られてきた… グループの要求は──5人の人質の生命と引換えに、バイパス建設計画を白紙に戻すこと──妻を人質に取られたうえに、この事件の捜査責任者に据えられた「ウェクスフォード」にとっては悪夢のはじまりだった。

    犯行グループをテロリストとみなした警察上層部、および政府が、彼らの要求に応じることはありえない… それにまた、テロリストによる犯罪の捜査は「ウェクスフォード」にしてみれば、そもそも畑違いの仕事、、、

    集まった膨大な情報をもとに容疑者を絞ろうとするが、犯人像は一向に焦点を結ばず、捜査は空回りを続ける… そんなある夜、犯行グループから解放された「ドーラ」が自宅に戻ってくる、その後、人質のひとり「ロクサーヌ」が遺体で発見される。

    犯行グループを捕らえることはできるのか、残った人質3人を救うことはできるのか… 現代的な問題(環境破壊と過激な反対運動)に伴うテロリズム的犯罪とミスリードさせる展開なのですが、、、

    実はテロリストではなく、屋敷から見える景観を護りたいという、一般の市民──地元のミドルクラス(中産階級)の家族による犯行でしたね… しかも、それに警察官の裏切りもあり、この犯罪が成り立っていたとは、なかなか想像できなかったですね。

    スカイブルーのアサガオがヒントになっていたのが、妙に印象的でしたねぇ… それにしても、登場人物が多い多い、、、

    登場人物として、本書の冒頭に記載されている人物が47名もあるうえに、記載のない人物まで登場するので、ちょっと間を置いて登場してくると、誰が誰やらわからなくなり、混乱しつつ読みました… しかも、同一人物でも、ファーストネームで呼ばれる場合とセカンドネームで呼ばれる場合があるので(海外作品では常ですが)、なかなか辛かったなぁ。


    以下、主な登場人物です。

    「レジナルド・ウェクスフォード」
     キングズマーカム警察主任警部

    「マイケル・バーデン」
     キングズマーカム警察警部

    「バリー・ヴァイン」
     キングズマーカム警察部長刑事

    「カレン・マラハイド」
     キングズマーカム警察部長刑事

    「スティーヴン・ランバート」
     キングズマーカム警察巡査

    「ケネス・アーチボルド」
     キングズマーカム警察巡査

    「ジェームズ・ペンバートン」
     キングズマーカム警察巡査

    「リン・ファンコート」
     キングズマーカム警察巡査

    「ニコラ・ウィーヴァー」
     地域犯罪捜査部警部補

    「デイモン・スレッサー」
     地域犯罪捜査部部長刑事

    「マーチン・クック」
     地域犯罪捜査部部長刑事

    「エドワード・ヘネシー」
     地域犯罪捜査部巡査

    「バートン・ラウリー」
     地域犯罪捜査部巡査

    「モンタギュー・ライダー」
     ミッド・サセックス警察本部警察庁

    「ジェームズ・フリーボーン」
     ミッド・サセックス署副警察署長

    「ティモシ・ジョーダン」
     ミッド・サセックス州の州長官代理

    「ドーラ・ウェクスフォード」
     レジナルド・ウェクスフォードの妻

    「シルヴィア」
     ウェクスフォード夫妻の長女

    「シーラ」
     ウェクスフォード夫妻の次女

    「アミュレット」
     シーラの娘

    「ジェニー・バーデン」
     マイケル・バーデンの妻

    「ブライアン・セント・ジョージ」
     《キングズマーカム・クーリエ》紙編集長

    「ウィリアム・ディクソン」
     <ブリガディア>の主人

    「ピーター・サミュエル」
     <コンテンポラリー・カー>の代表取締役

    「スランリー・トロッタ」
     <コンテンポラリー・カー>の運転手

    「ターニャー・ペイン」
     <コンテンポラリー・カー>の受付係

    「ウルリーケ・ランケ」
     ドイツ人ヒッチハイカー

    「ディーター・ランケ」
     ウルリーケの父親

    「アヌーク・ホーリ」
     市議会議員

    「ピーター・トレギア」
     <サセックス・ワイルドライフ・トラスト>事務局長

    「パトリック・ヤング」
     <イングリッシュ・ネイチャー>の役人

    「サー・フリーアンス・マクティア」
     KABAL及びキングズマーカム歴史協会の会長

    「コンラッド・ターリング」
     SPECIES代表団のリーダー

    「クレイグ・ターリング」
     コンラッドの兄

    「コラム・ターリング」
     コンラッドの弟

    「ゲーリー・ウィルソン」
     プロの抗議活動運動家

    「クイラ・ライス」
     ゲーリーの同志

    「ライアン・バーカー」
     誘拐された少年

    「オードリー・バーカー」
     ライアンの母親

    「ミセス・ピーボディ」
     ライアンの祖母

    「ロクサーヌ・マスード」
     モデル志望のティーンエージャー

    「ハッシー・マスード」
     ロクサーヌの父親

    「クレア・コックス」
     ロクサーヌの母親

    「キティー・ストラッサー」
     誘拐された夫婦

    「オーウェン・ストラッサー」
     誘拐された夫婦

    「アンドルー・ストラッサー」
     ストラッサー夫妻の息子

    「ビビー・マーチン」
     アンドルーのガールフレンド

  • イギリスの田舎町の警察署の部長刑事が主人公。一応、この地方の花や蝶著とか小ネタをあちこちに織り込みながら、バイパス建設で自然破壊が進行していくのに歯止めをかけようとする人たちの話。ミステリ仕立ての警察ものなんだけど、訳の責任もあるかもしれないんだけど、面白くない。

  • テンポが無く、レンデルにしてはつまらなかった。
    犯人だけは、推理小説かなと思った。

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