第四の扉 ツイスト博士シリーズ (ハヤカワ・ミステリ 1716)

  • 早川書房 (2002年5月17日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (216ページ) / ISBN・EAN: 9784150017163

みんなの感想まとめ

複雑な密室の謎と人間の心の闇が交錯するこの作品は、推理小説の枠を超えた驚きの展開が魅力です。作者は、霊媒師やマジシャンといったキャラクターを通じて、「人の不幸」を背景にした悪毒商法の恐ろしさを描き出し...

感想・レビュー・書評

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  • タイトル絡みの密室の謎については、令和の今となっては目新しさを感じなかったが、それ以外の、全てが一つにまとまっていく論理的な展開には、思わず声を上げそうになるくらいの、素晴らしさ。

    しかもそれだけではなかった。その後に待っていた展開には思わず、狂気の沙汰かと叫ばずにいられないだろう。すごいこと考えるな。人の心を苦しめる作家なのか? このフランス人の本格推理作家、「ポール・アルテ」という人は。推理だけでなく、物語も素晴らしいなんて。そして、やるせない。何か言ってあげたいのに、彼には、かけるべき言葉も見つからない。

    いやいや、まだ終わらなかった!!
    この上、更に驚天動地な展開を見せるというのか。まさか、よくある幕間すら油断することができないなんて・・作品が1987年発表というのは全く関係ない。確かなことはポール・アルテが、ただ者では無いということ。個人的にはオーバーだが、スタンディングオベーションしたい気分。これだけ推理小説で、ゾクゾクするような嬉しい敗北を味わったのは、初めてかもしれない。

    推理小説好きな方は、読まないと後悔しますよ。

  • 霊媒師とマジシャン
    「人の不幸」を裏手に霊能力者として金持ちの主に取り憑く。主の息子(マジっシャンに憧れた)にバレたことで殺害に発展するが、トリックを逆用して遂に殺害されてしまう。結末は意外な展開となる。「人の弱み・不幸」に絡んだ悪毒商法は多く、一度絡まれると「神頼み」のように全霊的に、深く取り憑かれていくのが恐ろしい。

  • 作者はカーの作品のフェル博士やH・M卿の調査を続けさせたかったが為に作品を書き始めたと言う程のカーファンです。
    本書はその為、カーの雰囲気満載です。
    ダーンリー家の屋敷には数年前に密室状態の屋根裏部屋で全身を切り刻まれて死んだダーンリー夫人の幽霊が出るという噂があり、その屋敷に霊能力を持つと称するラティマー夫妻が越してくると不思議な事件が続発します。
    隣人の作家アーサーが襲われると同時にその息子ヘンリーが失踪します。
    そして、呪われた屋根裏部屋での交霊実験の最中、密室殺人が起こります。
    犯罪学者アラン・ツイスト博士が奇怪な事件の真相を暴きます。
    最後の最後に驚きの真相がさらに1つあります。

  • 第三部で、え?となって、第五部で、ひええ!ってなりました。面白かった! ポール・アルテははじめて読みましたけど、この後のシリーズも読みたい。
    どんでん返しからの、さらなる一捻り。

  • 多分、何十年ぶりかに、翻訳の本格ミステリー小説を読みました。少ないにもかかわらず、登場人物名がなかなか覚えられずにいましたが、面白く読み終えました。

  • フランスのカーと言われるだけあり、密室殺人に交霊会と雰囲気満点。ただ本家と比べてしまうと、大人しいのが正直なところ。まとまりがいいのは確か。だがドタバタを求めてしまった。
    トリックよりプロットに目がいく作家ではないか。構造の妙であったり、最後の一撃だったり、計算されたラストまでの流れ。紛れもなく本格の血が流れる作者の新作が読めることに感謝と期待を。

  •  最後まで読んで、おもしろい! て思ったけど、序盤……というか、結構終盤になるまで、何だか書き方がまどろっこしくて、読むのが面倒くさかった。
     キャラの感じがちょっと「??」て感じだった。
     あと、最初、いつの時代の話? てなった。

     タイトルの『第四の扉』……何かもっと他にうまいタイトルありそうな気もするけど。

  • かつて密室殺人があった部屋があり、幽霊屋敷と噂される屋敷に新たな住人が越して来た。直後、隣人が交通事故で死亡。その主人が襲われ、息子は失踪と事件が続く。新たな住人は霊能力があり、幽霊屋敷で交霊会が行われるが、またもや密室殺人が…。犯人と思われた人物が殺されたかと思えば、生きて現れたり、同じ人物が同時刻に別の場所で目撃されたり、混乱させられる事柄が続出する。「あ、こういう仕掛けあるよねー」と思えば、最後にはドンドンドンデン返しが。フランス人作家によるイギリスが舞台のミステリー。ディクスン・カーやアガサ・クリスティを彷彿とさせる少し懐かしさを感じさせるミステリーだった。

  • 最初は昔の怪奇的要素を含んだミステリーかと思ったが、第三部でひっくり返されて、最後にもう一回ひっくり返されて。ミステリーとしては今一つだけれどちょっと趣向が変わっていた。

  • 初版2002年に読んで再読、なのに内容をすっかり忘れていた。ミステリは、詳しく感想を言おうとするとどうしてもネタバレになってしまう。『カササギ殺人事件』同様こちらも言わば入れ子構造になっているのだが、その劇中作?に登場する人々の動きがどうにもぎくしゃくして不自然だったり、一方で影が薄かったりしたのは、「小説」だったからなのね、と第三章で気づく。
    立役者のツイスト博士も大した見せ場もなく、実は自殺、実は事故、実は替え玉そっくりさんとか、バカミス一歩手前と思わせるのも「カーの再来」面目躍如かな。
    肝心の「第四の扉」のトリックは辛うじて「あり」だとは思う。同じようなトリック、確か歌野晶午の作品にもあったような気が。
    ツイスト博士シリーズはこの後の『死が招く』から『虎の首』まで一通り読んだが、私は『狂人の部屋』が一番面白かった。

        

  •  謎解きの鍵を示す大胆なタイトルに「サクリファイス」を思い出してしまう。近所の三軒の家のみで起こる連続不可思議事件。限られた登場人物に次々に犠牲者が出てそして誰もいなくなるのではと思ってしまう。こんなに気前よく事件を起こしてどうやって解決するのだろうと心配になるが、それがちゃんと解決するので驚く。しかも劇中劇というか途中であっという展開になってしかも思いもよらない結末になるという多重構造。細かい点はかなり無理があるけど、古き良き時代の本格ものと思えば許せる。こういうのは好きだな。

  • ネタバレ





    ホラー要素のあるミステリーとして読んでいくと、
    なんと読者に犯人は誰かと問うのではなく、
    犯罪学者のなんちゃら博士にオチを考えてもらうという斜め上のミステリー。
    いつもこんな感じの作者なのかな。

  • センセーの一押しだったので、手に取った。初めのうちは、何だこりゃ、てな感じだったけど、途中からなるほど、センセーご推薦だけのことはあると納得。最後に進むにつれ、爆笑の連発。「火刑法廷」が好きだったのね。私も好きだから、「第四の扉」も好きよ。

  • エリザベスが超美人で、ってとこから始まったから、てっきりヘンリーとジョンで彼女をめぐって争いが起きるのかと思ってしまったけど別になんでもなかった、エリザベスいなくてもよくない…?最後のほうで、いきなりこれは実は‥みたいな、物語に入り込んでたのに、へ?なんだこれ?みたいな章が出てきて、調子狂った。最後のほうが、まさかこんな展開〜。そこがウケるウケない分かれそう。

  • 最後は確かにどんでん返しだけど,必然かと言われるとそうでもない気がする.というか,その割にはやけに描写が細かいですね,とツッコみたい.

  • 内容が濃いのに良い意味でコンパクトにまとまっている。
    推理しても推理しても覆される感じが良い。
    途中、ちょっと無理やりな感じもしたが、最後のオチには震えた!
    無理やりに感じた進行も納得できる終わり方だ。

  • 謎につづく謎。
    どんどん人が死んでいきます。びっくり。

    そしてしっかりした解決、
    のちに驚愕の事実、
    さらにそれを破り捨ててもっと驚愕の事実。

    面白かったです。

    2003本格ミステリベスト10

  • 文句なし!

    とは言わない。

    矛盾点とかそんなんじゃなく、世界が作中作に変わったせいで頭の対応が遅れた。

    しかし、伏線はるのが上手い。雪の中に足跡を残さないことができた人物の説明がうまくて、犯人から目をそむけることに成功している。

    ポール・アルテ先生のパターン通り、犯人は○○なのは覚悟してたが、無理だった。

  • 期待していたのにサプライズもなく捻りもないじゃないか、と種明かしを読んでいたのに。そこから最後20ページで何度にもわたる小出しどんでん返し?を楽しめた。こういう構成もミステリアスな終わり方も嫌いじゃない。

  • 「フランスのディスクン・カー」と称されるポール・アルテの日本翻訳第1作。
    不思議な構成で、主役のはずのツイスト博士(フェル博士のオマージュなんだそうだ)は、最後のほうにしか出てきません。
    作中作みたいになっていて、凝り性なのね、というのがよくわかる。

    内容そのものは、懐かしの密室殺人モノとフーディニが堂々登場するマジックやらなにやらがてんこもりになっていて、こういうタイプが好きな人にはにこにこしながら楽しめます。
    私も楽しみました。「大傑作、ぜひお勧め」ではありませんが。

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著者プロフィール

ポール・アルテ:
フランスの推理作家。ジョン・ディクスン・カーに傾倒し、密室殺人などの不可能犯罪をテーマに、名探偵が活躍するクラシカルな本格ミステリを精力的に発表している。日本でも、2002年に邦訳された『第四の扉』以来、作品が3作連続で「本格ミステリ・ベスト10」の1位を獲得するなど高い評価を得る。

「2024年 『白い女の謎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ポール・アルテの作品

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