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Amazon.co.jp ・本 (376ページ) / ISBN・EAN: 9784150017620
感想・レビュー・書評
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イギリスの古く大きな屋敷で留守を預かる老女の元に、社会に適応できない中年男性と、出産間近の未婚女性がやってくる。疑似家族のような幸せに浸る3人の日々が、破綻していく様を描いたミステリー。
ケイト・モートンが、好きな作品のひとつとして挙げていたので、手に取ってみた一冊。
初めのうちは、こと細かにゆっくりとしか進まない話に眠くもなったが、徐々に引きこまれていった。
重厚な雰囲気と静かな狂気のなかで、じわじわと破滅へと向かうしかない3人が、哀れで悲しい。共通するのは、恵まれない境遇と貧しさで、愛情と手を差しのべてくれる身内がいなかったこと。無謀な彼らの行く末には、驚きと、でもこれしかなかったんだろうなという思いで読み終えた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
いつしか寄り集まって暮らすことになった4人の疑似家族。
イギリスの田園地帯コッツウォルドにある美しい古い邸宅マナーハウス。
実の親子よりも仲は良いのだが、彼らはひょんなことから一緒になっただけ…
留守番を仕事にしてきた女性ジーン。
64になって事務所に定年退職を言い渡される。
そこで何かが壊れてしまったのか?
初めて自分の物のように感じた美しい屋敷で、運命のように感じて取った行動は…
教会へ乗り込み、古い石膏の聖像を見せて欲しいと頼み込む中年男マイクル。
副牧師で研究していると名乗るが、実は盗んだ品でわずかに稼いでいるギリギリの暮らし。
俳優にはなれなかったが、いくらかその才能はあったのだ。
自分自身でいるときよりも、おどおどしないで、設定の人物になりきることが出来た。
妊娠している若い娘ステフ。
恋人に邪険にされながらつきあっていたが、祖母の家でも邪魔にされ、行き場をなくしていた。
偶然出会ったマイクルが紳士的に見えて、車に乗り込むが…?
彼らが関わる、一見普通の人々もかなり濃い。
とんでもないエゴイストだったり、妙な格好をしていたり、こだわりがあったりと…変な所も多くて、傑作。
ステフが後に、近所に住むサリーの赤ちゃんチャーリーの面倒を見るようになり、ベビーシッターとして才能を発揮。
流れによっては、それで十分に社会でやって行けたのだろうに。
サリーのほうは事務弁護士でキャリアウーマンなのだが、勝手にネパールへ行った夫とは別れるつもりの一人暮らし。
家では片づけられない状態で、すべてをとってある部屋に住んでいるのだった。
それぞれの室内の描写がなんともリアル。
寄る辺のない、だめだめな人間が追いつめられていくのは哀しい。
心の優しさはあるのにね。
夢想的なはかない幸福の美しさと、リアルでみみっちいような人間臭さ、それに加えてどう転ぶかわからない緊迫感が魅力ある作品です。
綿密な描写で、みごと英国推理作家協会賞シルヴァー・ダガー賞(2位ということ)を受賞しています。 -
KL 2010.7.26-2010.8.7
読んだことあるような気がしながらも、あるレビューを読んで
読みたくなってしまった。
細部とラストは見事に忘れていたからいいんだけど、
やっぱりわたし、こういうの好きだな、と。
バーバラ・ヴァインをまた読みたくなった。 -
何だかルースレンデル的。
それぞれに不幸な人たちが夢を紡いで幸せなひと時を過ごしたのだけど、私だったらやはり思い煩い本当に幸せとは思えないだろうなあ。やはり人の不幸の上には幸せは
築けないものだろうし。でもめいっぱい自分の身につまされて読みました。
猪俣美江子の作品
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