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Amazon.co.jp ・本 (480ページ) / ISBN・EAN: 9784150018467
作品紹介・あらすじ
霧に包まれたスウェーデンの孤島で、失踪した幼い息子の行方を探しつづけるユリアが直面する暗い影とは@@CWA賞、スウェーデン推理作家アカデミー賞受賞の北欧ミステリの新星、待望の邦訳!
みんなの感想まとめ
失踪した幼い息子を探す母親ユリアと祖父イェロフの物語は、霧に包まれたスウェーデンの孤島を舞台に、過去と現在が交錯する深い人間ドラマを描いています。登場人物の心情が丁寧に描かれ、特にユリアの苦悩は読者に...
感想・レビュー・書評
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「黄昏に眠る秋」(ヨハン・テオリン : 三角和代 訳)をよんだ。
北欧ミステリってやつはどうしてこんなにも凍えるような読み心地なんだよ。
忽然と姿を消した少年の母親と祖父の物語。
最後の最後に突きつけられる驚くべき真実に私は言葉を失ったけど。
これ著者のデビュー長編だそうだ。
完成度高すぎる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
四季シリーズの最後「夏に凍える舟」を読んだらとてもよかったので、改めて第1作の「黄昏に眠る秋」を読む。1年前に50ページ位でやめてしまっていたのがうそのようにずんずん読み進む。シリーズ最後の「夏に凍える舟」でイェロフ爺さんに親しみを覚えたので、老人ホームや別荘、ボートハウスが身近に感じたのかも。
前回はイェロフ爺さんと娘ユリアの関係がどうもなじめなかったのだが、今回はそんなことはなく、幼い息子が行方不明になってずっとそこから立ち直れないユリア、どうか何らかの道筋を、と願いながら読んでいったのだが・・
1972年9月、ユリアの幼い息子イェンスは霧の中、家から散歩に出てずっと行方不明のまま。20数年が経ち、イェロフのもとにイェンスのサンダルが送られてきた。そこでイェロフとユリアは心当たりの人物を訪ねて回る。当日、イェロフはいつもよりボート小屋で作業を長くしていた、ユリアの母は居眠りしてしまった、そしてユリアは本土へ出かけていた、と間が悪いことが重なった、その思いでユリアとイェロフの関係はずっと冷えている。そのユリアの心情が丁寧に語られる。
・・が、しかし。最後は、えっ? この人が? と思う着地。これは思いもよらなかった。自分のなかで決着をつけたかにみえたユリア、これからどうなるんだろう。
物語は過去と現在が交互に語られる。これは「夏に凍える舟」でも同じで、というかシリーズ最後から読んでしまったので、最初からこの手法だったのだと分かる。島の土地持ちのカント一家とイェロフの家族が主軸。カント一家の息子ニルスの動向がニルス10才の1936年から語られる。このニルス、土地持ちの息子なので、その傲慢さがニルス自身の道を逸らせることになったのか。でもちょっとした間の悪さなのかとも思う。途中1945年の部分もあり、スウェーデンの第二次世界大戦での立ち位置からのエーランド島の出来事と島人ニルスのかかわり、というのが興味深い。
訳文もいい。
「Skumtimmen」(2007)の英訳「Echoes from the Dead」(2008)からの全訳。
2007年発表
2011.4.15発行 図書館 -
順番を間違えた、こちらが第1作目。おじいちゃん探偵の登場。というほど華々しくはなく、関係者として暗く重く関わっていく。現在と過去が絡み合って未来へ進む。じっくり味わえた作品。それにしても日本語タイトルの素敵なこと。
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大切な人の死を受け入れるまでの心の旅
20年前突然の不幸で始まった「時」の重みが心の奥に染み付いた家族へ、片足だけの子供用サンダルが封筒で送られてきた時、再び迷いや悲しみが表に現れ、動き出す。
そしてもう一つの旅、ニルス・カントの彷徨える魂が、物語を一層深くする。
舞台となる「スゥエーデン エーランド島」は、バルト海に浮かぶスゥエーデンで2番目に大きな石灰の島で、観光と農業でなりなっている小さな地区
(Wikipediaヽ(´▽`)/)
物語にとって重要になる「石灰岩平原」は、日本の秋吉台(カルスト台地)を、
「岩棚のある海岸」は、日本海特に越前海岸のような台地から切れ落ちて直ぐにある岩場の海岸線を、
読みながら思い浮かべて、一緒に旅をしていた。
夏には石灰岩の「白」と草原の「緑」、空の「青」が美しい避暑地が、秋になり台地は「こげ茶」に変わり、漂う霧で「白」と「青」は交わって色を失っていく。
暗く冷たい北欧の冬の足音がひそやかに迫りくるころ、生を持つ者は油断するとすぐに死に呼び込まれる。
ラストは悲しい、だからこそ人の強さが希望となる物語。
これから1年かけて「冬」「春」「夏」をそれぞれの季節で読もうと思います。
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『たぶんユリアは正しいのだとイェルロフは考えた。自分を突き動かすものがなにか納得できたことはなかった。「わたしはうぬぼれてるんじゃない」彼は言った。「物語はそれぞれの歩調で話すのがいちばんよかろうと思ってるだけさね。むかしは、みんな、いつも時間をかけて物語を紡いだが、いまではなにもかもが、さっさと済ませねばならなくなって」ユリアは返事をしなかった』
ヨハン・テリオンのエーランド島四部作の第一作。二作目の「冬の灯台が語るとき」から遡って読む。「冬の灯台が語るとき」ほどには北欧神話的な雰囲気は強調されてはいないが、一寸先も見えなくなる濃霧がかかる島の秋の雰囲気が、全編を通して全ての謎を包み込むように描写される。二作目と同じように、本書でも過去と現在の物語が並行して語られ、謎解きの最終盤に向かって収束していくように書かれているが、その筆運びは巧みだ。その構成がより本格的なミステリの雰囲気を本書にまとわせている。
探偵役である元船長の老人イェロフ・ダーヴィッドソンは老いと病気のため身体が不自由であり、さながらクリスティのミス・マープルのような役回りではあるけれど、鋭い洞察力で最初から事件の真相に向かって様々な人々に一見何気ないような質問を投げ掛ける。コロンボのような倒叙ミステリではないが、実はそれは隠されている事柄を一つひとつ明らかにする為の問いであったことが、読み進めると見えて来るという仕掛け。そして事件は常に身近なところにいる人々の過去と結びついているというヒントだけが読者に提示される。
当然のことながら過去に何らかの秘密を持たない人というのはいないので、イェロフが尋ね回る人々は各々問われたことに対して何かしら怪しげな雰囲気を漂わせつつ答える。そういう風に読者を誘導しておいて、主人公たるイェロフの娘ユリアとの関係性で怪しげな人々の人間性の回復を図って見せるのだが、それもまた別の誘導。そのような仕掛けが多数あり、過去と現在に登場する人々の関係の輻輳も相俟って、物語の重層感が巧みに醸し出されていく。
二作目の「冬の灯台が語るとき」と同じ舞台、同じような物語の構成、と言っても良いのだけれど、小説としての雰囲気はまるで違う。もしこれが同じような印象の本であったなら四部作の続きは読まないかも知れないと思っていたが、第三作で、この作家が見せているかも知れないまた異なる世界観を読んでみたいと素直に思わせるデビュー作。秋→冬の続きは、もちろん、春。邦題は「赤く微笑む春」。但しスウェーデン語の原題にはいずれも季節はあしらわれていない。 -
序盤はヘニング・マンケルばりのしっとりした感じで、結局スウェーデン作家って似たような感じかと思いきや、後半は期待以上に引き込まれてしまった。
失踪して戻ることのなかった少年は本当に、地域のはぐれ者ニルス・カントの手にかかってしまったのか。冒頭で実際に少年とカントの遭遇シーンが描かれているだけに信ぴょう性のある解釈だが。。。
現在の素人調査の進行と過去からの描写がいつどんな形で交わるのか非常にうまく盛り上げ、その上まとめもきっちりできていたと思う。星5に近い。 -
途中までペースがつかめず
後半になるにつれピッチがあがって最後まで途切れなかった
春夏秋冬の四部作らしいので、このあとが楽しみ! -
派手さはないけど、読後、じわ〜っと心に染み入る良さがあった。おもしろかった。
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何年か前に読んだが再読。
全体のぼんやりした所以外、細かいところをかなり忘れていたので、また新鮮な気持ちで読んだ。
秋だから相応しいかと思いましたが、エーランド島の秋は既に冬に近いものがありますね。
このシリーズの全体に漂う静謐さのようなものがとても好きです。自分がせかせかしがちな人間なので、イェルロフのような人が身近にいてもらいたい。 -
20数年前に失踪した少年、その祖父であるイェルロフの元に少年のサンダルが郵送されてきたことから事件が掘り起こされる。息子の失踪からまだ立ち直れていない母親のユリアとイェルロフの間には溝があり疎遠になっているが、事件を追うことで徐々にわだかまりが溶けていく。スウェーデンの架空の島で起こった悲惨な事件と親子の交流が叙情的に描かれていて、人間ドラマとして楽しめましたが、ミステリーとしては「こんなもんかな」くらいに思っていたところに、ガツンとやられました、と同時に切さが……北欧ミステリーやはり侮れません。
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図書館で。
この頃北欧のミステリーを本屋でよく見かけるけどなんだろう?特集でもされているんでしょうかね?
という訳でこれも北欧系ミステリ。息子を失くした母の嘆きはわからなくはないけれども20年会うたびに辛気臭い愚痴をこぼされたら義兄はイヤになるとは思う。まあわからなくはない。でも確実に死んでしまったという証拠が無いのはどこかで生きているのでは、という思いが残るから反対に引きずるのかもしれない。そして折角前を向こうとした時にそのラストですか。人生ってうまく行かないものだなあ…。
ニルスさんは極悪非道の悪人かと思ったんですが一番怖いのは世間の目だった、という事なのかなあ。彼も帰ってこなければよかったのに。とは言え望郷の念ってのは何物にも代えがたいものなのだろうか。そういえば宝石はどうなったんだっけな?読み落とした気がします。 -
小島秀夫監督が薦めていたので購入。実際に読むまでにはかなり間が空いたが。
サスペンス的に普通におもしろかった。ただ、勝手な感想ではあるが、スウェーデンということで「ミレニアム」シリーズと比較してしまい、地味な印象を終始持ってしまった。 -
スウェーデンの地方のジャーナリスト出身作家のデビュー作。スウェーデンのかなり大きな島で、20数年前に起きた少年の失踪事件の後遺症が癒えない母親とその年老いた父親が、謎の手がかりを求めていく中で、さまざまな人間の人生が交差しあって、その島の歴史とも微妙な絡み方をしていくかなり長期に渡る歴史的な背景をもった事件の謎解き。自然の風景の描写が美しい。スウェーデンのオリジナル版はおどろおどろしい想定なんだが、日本の装丁の方が手に取りやすい気がする。
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本書は著者のデビュー作で、スウェーデン推理作家アカデミー賞最優秀新人賞及び英国推理作家協会賞最優秀新人賞受賞作です。
また本書に続く「冬の灯台が語るとき」では北欧五か国のミステリを対象とする「ガラスの鍵」賞を受賞しており、著者はスウェーデンを代表する実力派ミステリ作家の一人と言えるでしょう。
権威主義と言う訳ではないのですが、有力な賞の受賞作だけあってか重厚感のある読み応え十分なストーリです。
では前置きはこの位にして以下であらすじをご紹介。
小説の舞台は1990年代のエーランド島。
日差し豐かなスウェーデンきっての夏の休暇地であるこの島も、オフシーズンは暗く凍てついた灰色の地と化す。
本作は、20年前にこの地で起きた6才の男の子の失踪が、長い歳月を経て新たな事態を引き起こして行く様を描いており、男の子の母親や祖父が失踪の真相を解き明かすにつれ、この'失踪'と深い関わりがある第2次大戦当時から現在までの秘めた'結び付き'が明らかになっていく。
我が子を失い、その苦しみの中、身近な人々とも疎遠になり孤独を深めていった母親。
そして娘に孫の失踪について攻められ続けた祖父。
彼らの想いが凍てついた冬のエーランド島に重なり、全編'灰色'の世界を産み出しています。
ハッピーエンドが待っている訳ではない。
最早変えることが出来ない過去に向かい合っていく父娘に、読者も自然と自らを重ねていく。
その様な小説です。
心に重い衝撃を感じながら読了。 -
二十年前にいなくなった息子。
今になって出てきた、息子のサンダル。
凶悪殺人犯の生存説。
誰かが忍び込んでいる空家。
そして思い悩む母と
奮闘するおじいちゃんたち。
すごく、すごく面白かったです。
おじいちゃんすごいです。
そして、すべてが一つになるラスト。
驚愕の事実。
いいミステリを読みました。
次の作品も間違いなく読みます。 -
エーランド島シリーズ、他の作品の翻訳を切望します。
ヨハン・テオリンの作品
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