- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150018573
作品紹介・あらすじ
まだ一篇の小説も世に出していない作家に取材の依頼が届く。それはアルゼンチンの美しい女子大生からだった(デイヴィッド・ゴードン「ぼくがしようとしてきたこと」)。田舎町の下水処理会社で働く青年は車を西へと走らせる、セクシー映画女優になった高校の同級生を連れもどすために(ニック・ピゾラット「この場所と黄海のあいだ」)。ベニオフ、フランクリン、クック、ハミルトンら、ポケミスの人気作家による豪華競演。ダグ・アリンのアメリカ探偵作家クラブ賞受賞作「ライラックの香り」も収録した最高の短篇集。
感想・レビュー・書評
-
いかにも海外短編集というラインナップ。ミステリー期待したらあてが外れた感じだが、アメリカ南北戦争題材の『ライラックの香り』は戦争に翻弄される人々の二日間の描写が生々しく物語の世界に引き込まれた。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
図書館より
年末のミステリランキングにも名前の挙がる海外作家の作品を含む短編8編収録のアンソロジー
読む前に注意してほしいのは『ミステリ・ショーケース』じゃなくて『ミステリアス・ショーケース』であるということ。読んでみるとミステリ色の強い短編はそう多くありません。
だからと言って面白くないというわけでもなく、各作家それぞれのミステリでは楽しめない味が楽しめるアンソロジーだと思います。
南北戦争時代を舞台にしたダグ・アリンの「ライラックの香り」が最も印象的。
話のスジは今一つ分かりにくかったものの、時代に翻弄され、過酷な運命を示されてもなんとか生きようとする人々の姿がしっかりと描かれていたと思います。
デイヴィット・ベニオフの「悪魔がオレホヴォにやってくる」は戦場の若い兵士が主人公で『卵をめぐる祖父の戦争』と同じ雰囲気の感じられる短編です。
『卵を~』と比べてコメディ色は薄目ですが、この作品が好きだった人は読んで損のない出来の作品だったと思います。
デイヴィット・ゴードン「ぼくがしようとしてきたこと」はデビュー手前の小説家が主人公。
創作する者の自嘲や叫びがありありと伝わってくる、またその主人公に会いに来る人がヘンな人たちばかりで、不可思議な雰囲気の作品でした。ゴードンの作品はもう一編収録されているのですが、こちらも少し幻想風味な小説です。
アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀短編賞「ライラックの香り」 -
『二流小説家』『ねじれた文字、ねじれた路』『解錠師』『卵をめぐる祖父の戦争』『緋色の記憶』あたりをどれも楽しく読めた方にはおすすめしたい、良質な短編集。
邦訳もとても美しいです!「クイーンズのヴァンパイア」「彼の両手がずっと待っていたもの」「彼女がくれたもの」がお気に入りです。
ハヤカワポケットですが、薄いので書架を圧迫しないのもよいです。 -
どの話も面白かった。その中でも「ライラックの香り」が特に気に入りました。
-
ディヴィッド・ゴードン以外は好みやなー
読んだことないダグ・アリンのが一番よかった。 -
最近の海外ものは完全に不勉強なので初読の人ばかり。デイヴィッド・ゴードン<ぼくがしようとしてきたこと>とデイヴィッド・ベニオフ<悪魔がオレホヴォにやってくる>はわりと好き。だけどそもそもやっぱりアメリカものは特に好きじゃない、かも…
-
ミステリーよりも、ホラー色の強い作品が多め。
-
収録作品は必ずしも推理もののミステリーではなく、どちらかといえば不可解なものや鬱屈したものが多かった。わりと好みの雰囲気だったのはゴードンの二作と、ベニオフの『悪魔がオレホヴォにやってくる』、アリンの『ライラックの香り』。作品を読んでみたい作家がまた増えそうだ。
<収録作家>
デイヴィッド・ゴードン、ニック・ピゾラット、トム・フランクリン&べス・アン・フェンリイ、デイヴィッド・ベニオフ、スティーヴ・ハミルトン、トマス・H・クック、ダグ・アリン -
海外のミステリーを楽しみたかったので、読んでみました。どの作品も独特な空気が漂って新鮮でした。
海外作品は「訳者のうんぬん」ということもあるようですが、私はよくわからないし、こだわりもないので、読みやすいと思った。。けれど、1編だけはどうしても先に進まなくて、飛ばしてしまった。。それが残念で。
「クイーンズのヴァンパイア」「「悪魔がホレヴォにやってくる」「ライラックの香り」の三編は特に好きな雰囲気でした。