高慢と偏見、そして殺人 (ハヤカワ・ミステリ)

  • 早川書房 (2012年11月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784150018658

作品紹介・あらすじ

ダーシーとエリザベスが結婚して暮らすペンバリー館で突如殺人事件が起きた。事件は一族の人々を巻き込み、波乱の法廷へ! ジェイン・オースティンの名作にミステリの新女王が挑んだ歴史的傑作

みんなの感想まとめ

物語は、原作『高慢と偏見』の六年後を舞台に、ダーシーとエリザベスが幸せな家庭を築いている中、突如として発生する殺人事件を描いています。彼らの生活に影を落とすのは、相変わらず問題を引き起こすウィッカムと...

感想・レビュー・書評

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  • P・D・ジェイムズって勿論名前は知っているけど、読んだことあったっけな。
    ないような気がする。。
    『高慢と偏見』の舞台、登場人物をそのままに、あれから6年後に起きた殺人事件を描くパスティーシュ。

    直近で原典を読んでいて良かった。
    最初にちゃんと原典の振り返りをしてくれてはいるけど、読んでいるのといないのとで感じ方がだいぶ変わるのではと思った。
    振り返りでは、あー、確かに筋だけ言うとそんな感じだけど、この文字面だけではない夢中にさせるドラマがあったんだよなーと、逆に原典の凄さを思い起こさせられた。

    6年後の本作では、ペンバリー(主役カップルのエリザベスとダーシーの住む館)での恒例の舞踏会前日にダニー大尉が殺される事件が発生。
    現場には酔い潰れ、「ぼくは彼を殺してしまった!ぼくが殺したんだ!」と泣き叫ぶ血にまみれたウィッカム。
    ウィッカムが容疑者として拘留されてしまうのは当然の成り行き。。。

    そう、『高慢と偏見』を読んでいる方ならお馴染みあのウィッカムに焦点が当たる物語。
    全体を通して考えると著者はここに決着を着けたかったのかなと思える。

    舞台こそ同じだけれど、「殺人」という味付けを施すことによってキャッチーさを上げることを狙っているのかなと思いきや、いやいやむしろ時代背景の堅苦しさばかりが強調されて、「真犯人は誰?」とか「捜査陣の苦悩」といったエンターテイメント性は薄い。

    ベネットもベネット夫人もコリンズさんも殆ど出てこず、ユーモア性不足は否めないし、エリザベスがその地位を得てしまったことにより、以前の大きなものにもたじろがない清々しさの輝きが鈍くなっている点も、これは別物感を感じざるを得ない。

    が、終盤いろいろ回収してくるところのミステリ作家らしさとか、身内に対するひいきとそれはそれこれはこれの拒絶感のないまぜたるもの、見えていなかった想像以上のスキャンダラスな事情など、最終的には与えられた舞台を巧みに使ったえぐいドラマがあったと感じた。

    とはいえ、やっぱりこれは原典読んでいないとキツい気がする。。。
    せっかくなので『『高慢と偏見』殺人事件』も読んでおくか。こちらは22年後設定。

    • 111108さん
      fukayanegiさん♪
      ネタバレ貼っていただきありがとうございます。
      薄目でレビュー拝見しましたwあんまりエンタメじゃないんですね。P....
      fukayanegiさん♪
      ネタバレ貼っていただきありがとうございます。
      薄目でレビュー拝見しましたwあんまりエンタメじゃないんですね。P.D.ジェイムズ、硬い文章で読みにくいけどそこがまたかっこいいという印象なので、難しさ受け入れて読んでいこうと思います。
      それから『『高慢と偏見』殺人事件』は知らなかったです!そっちも探してみます♪
      2025/09/13
    • fukayanegiさん
      111108さん

      言い過ぎてたらごめんなさい。
      すぐ忘れてしまうので、思ったことそのまま書くようにしているので是非薄目でお願いします。
      そ...
      111108さん

      言い過ぎてたらごめんなさい。
      すぐ忘れてしまうので、思ったことそのまま書くようにしているので是非薄目でお願いします。
      そう、意外にもどちらかというと元作品の延長の感じの方が強くて、元々硬い文章の作家さんてことを聞き納得な感じです!

      『『高慢と偏見』殺人事件』を目にして、そういえばこちらもあったし、興味が湧いて元から読んでみるかーとなった次第です。
      2025/09/13
  • ジェーン・オースティンを敬愛するミステリの巨匠が、『高慢と偏見』のその後をミステリ仕立てで描いた小説。

    代々引き継がれてきた家柄からくる高慢さと、自分の判断力への過信からくる偏見を乗り越え、ようやく結ばれたダーシーとエリザベス。あれから6年後、二人の息子にも恵まれ、地所の運営に追われながら幸せな日々を送る二人だったが、嵐は突然やって来た。
    エリザベスの末の妹で犬猿の仲であるリディアが、夫のウィッカムが殺された、と屋敷に転がり込んできたのである。現場に駆けつけたダーシーたちが見たものは、男性の死体と、そのかたわらで血まみれになって泣いているウィッカムの姿であった。
    殺人事件の容疑者として連行されたウィッカム。ダーシーとエリザベスは否応なく事件に巻き込まれていく。

    物語の多くがウィッカムの事件と裁判に割かれるため、本家では重要人物だった人たちも影が薄くなってしまったのはちょっぴり残念だったが、お騒がせ夫婦のウィッカム、リディア夫妻が今回もはでに引っ掻き回してくれて、そこは期待通り、という感じだ。

    それにしても、ウィッカムはよくもまあ次から次へと関わった人たちを不幸にしていけるものだ。あんたは不幸人間製造機か、とつっこみたくなる。
    クズ男の話(そして関わったせいで不幸になる女性の話)はつらすぎていつもは読むのを躊躇してしまうのだが、今回はウィッカムも痛い目に遭って少しは改心しそうだし、彼に関わった女性たちが意外にもしたたかだったのでほっとした。

    18世紀のイギリスが舞台ということで、警察もそれほど綿密に調査するわけでなく、派手な展開もないため、ミステリとして面白いか、といわれれば、うーんという感じだが、『高慢と偏見』が面白かった人なら、終わったはずの物語の続きを読めることにわくわくしながら楽しく読めると思う。

  • 英国ミステリの大家P・D・ジェイムズによる「高慢と偏見」の続編。
    みんなオースティンが好きなのね~。
    実力派なのでしっかり書き込まれ、19世紀初頭の捜査や裁判もありありと。

    「高慢と偏見」のあらすじが最初にまとめられていて、その辛らつさがとてもオースティンぽい。
    5人の娘を持つベネット夫人が4人までを結婚させられたのは幸運だったと思われていると。
    美しく優しい長女ジェーンの幸運な結婚は祝福されたが、次女エリザベスの不釣合いな結婚は驚きとやっかみを招いたと。
    ダーシーとエリザベスは当初反発し合っていたことを狭い世界の誰もが知っていたし、ダーシーは名門で格が違いすぎ、エリザベスが女主人となるペンバリー館はその地方随一の広壮な館だったから。
    さて、二人はその後どうなったのでしょうか?

    結婚後6年、子にも恵まれた二人はむつまじく暮らしていた。
    エリザベスは召使達を思いやることで心をつかみ、女主人役も何とかこなしている。
    姉のジェーン夫婦は近くに住み、今もよき理解者。
    ダーシーの妹には、縁談が持ち上がる。

    大規模なパーティーの前夜。
    末の妹リディアが突然馬車で乗り付けて、泣き叫ぶ。
    夫のウィッカムが殺されたかもしれないと‥
    男達は森を捜しに行き、倒れている男性を前に「僕のせいだ」と嘆くウィッカムを見つけることに。

    ジョージ・ウィッカムは、ダーシーとは幼馴染。
    ダーシーの遊び相手だったために甘やかされて思い違いをして育ってしまい、大きくなってから身分の違いを思い知り、ダーシーに反目するようになっていた。
    16歳のリディアと駆け落ちし、リディアの一生を台無しにするところを、ダーシーが金を出して説得し、正式に結婚させたという。
    無実を主張するウィッカムだが、裁判の状況は不利な展開に。
    エリザベスのためにもと悩むダーシーは、事件を解決に導けるか‥?

    ウィッカムの存在をほとんど忘れてましたね~。
    不愉快な人間だから(苦笑)
    でも確かにこういう結婚で義理の兄弟だと、後の人生に絡んでくる可能性はありましたね。
    そのへんの目の付け所はさすが。けっこう面白い人物になっています。

    エリザベスが才気煥発なところを見せるのがほとんどないのが、不満。
    それがもっとあれば、ぐっと印象が変わったでしょうに。
    ダーシーの育ち方や置かれた立場、そのためにエリザベスとの結婚が難しかったこと、深い愛情で今はどれほど幸福かといったあたりはしっかり描かれています。
    事件のための忙しさでろくに一緒にいられない夫婦が、最後にしっとり語り合うのが、幸福な余韻を残します。

    作者は1920年生まれ。
    ミステリ作家として巨匠賞など多数の受賞歴があります。

    • niwatokoさん
      「高慢と偏見」をうまく解説してもらっているみたい!と思いながら読んだのですが、確かに、エリザベスがもっと活躍してもよかったですね。sanaさ...
      「高慢と偏見」をうまく解説してもらっているみたい!と思いながら読んだのですが、確かに、エリザベスがもっと活躍してもよかったですね。sanaさんの感想を読んで気づきました。「高慢と偏見」でいまひとつ読み込めなかったダーシーの思いがよくわかったのはよかったし、ふたりが幸せそうなところもすごくうれしかったです。
      2013/10/03
    • sanaさん
      niwatokoさん、
      コメントありがとうございます!
      お読みになったのですね~。
      これは面白かったです☆
      ジェイムズはさすがによく読みこん...
      niwatokoさん、
      コメントありがとうございます!
      お読みになったのですね~。
      これは面白かったです☆
      ジェイムズはさすがによく読みこんで解説していますよね。
      エリザベスの結婚がやっかみを招いたとか、それがなぜどれぐらいなのか、日本人にはわかりかねるところ。
      当時殺人事件が起きたらどうなるかという展開も。
      ダーシーの内面は「高慢と偏見」にはあまり出ていないから、そこを一番書きたかったのでしょうね。
      エリザベスがちゃんとやっているのを力説したいあまり、きちんとした奥様になりすぎちゃったみたいな。
      でも二人が幸せなのは私も嬉しくて、満足しました~!
      2013/10/03
  • オースティンの描くオリジナルに雰囲気がとてもよく似ていて「高慢と偏見」が好きな方、しかもミステリーファン、という方にならお薦め。ただ、時代を感じさせる文章と独特のまどろっこしさがあって、スピーディに事が進まない。
    裁判から後の後半は楽しく読み進められましたが。
    真相、まるでオースティンが書いているようで、P・D・ジェームズさんというご高齢な作家さんに感服いたしました。

  • 時代考証がすばらしく、続編にふさわしい出来上がり。
    序盤から中盤が長ったらしく、結構あきかけてたけど、
    後半部の謎解きや心理描写がとてもすばらしかった。
    ジェーン・オースティンが乗り移った感じ。とても面白かった。

  • 原作の雰囲気ぶち壊しだったらどうしようと恐る恐る読み始めたのだが、さすがP・D・ジェイムズ。読み応えのあるミステリーになっていた。

    翻訳の力もあると思うが、18世紀から19世紀にかけてのジェントリ階級という『高慢と偏見』の世界にスッと入り込める。

    これは、原作から六年後、エリザベスは今や二人の男子の母となり、ダーシー夫人としての地位を確立している。

    そんな幸せなダーシー夫妻の生活に影を落とすのは、やっぱりウィッカム、リディア夫妻である。
    相変わらず人のお金を当てにするような生活を続け、挙げ句の果てに、自分が殺人事件の容疑者にまでなってしまう。

    事件が起こってからは、法廷もの的な流れにもなってしまうのだが、背後に隠されていた複雑な人間関係にムムムとうなってしまった。

    しかし、六年もたって、いまだに昔の自分の態度を反省してるとか、ジョージアナとわだかまりがあるとか、ミスター・ダーシー、どれだけ引きずってるのよ!とおかしくなってしまった。

  • 200年前に書かれたジェイン・オースティンの「高慢と偏見」の続編として、89歳になるミステリーの女王と言われる作者が2年前に刊行した新作。
    ハッピーエンドの6年後、幸せなふたりがある事件に巻き込まれるというストーリー。
    キャラクターが原作に忠実で、別の人が書いているとは思えませんでした。
    89歳という年齢も信じられない!
    ただ原作ファンとしては、続編はミステリーじゃなくてもよかったなぁとも思ってしまいました。

  • エリザベス、ダーシーらの人物造形を、きちんとオースティンの作品から受け継いでいるのが小気味よく、前作を楽しんだ感情をそのまま持ちながら読めたのは満足。
    ただ、途中からなんとなく怪しいと感じた人たちが、予想通り結末にからんできて、そして最後の大団円的な終わり方は、以前のジェイムズっぽくないような。
    まあ、他人のキャラクターだから、暗鬱とは終わらせられなかったと思うけど。

  • 『高慢と偏見とゾンビ』のときにも思ったが、やっぱり元である『高慢と偏見』を越えることはできないな……というのが正直な感想。ダーシー夫妻やビングリー夫妻、傍迷惑なウィッカム夫妻のその後が描かれたミステリーとしてそこそこは楽しめたが、筋立てとしては『高慢と偏見』の世界を用いていなければ、あまり魅力を感じなかっただろう。作者が自己満足のノリで書いただけのようにも見えるので、弾けきれなかった二次創作として受け止めるのがよいかも。

  • 「高慢と偏見」読者のための後日談=トリビュート。ミステリ部分は二の次です。ただジェイムズなので後半の裁判場面はさすがにぐいぐい読ませますね。コリン・ファース(ドラマ高慢と偏見のダーシー役)の苦虫噛み潰したような顔がずーっとチラチラしてました(笑)。

  • 高慢と偏見のダーシーとエリザベスのイメージが強すぎて、この作品になかなか慣れなかったが、後半はおもしろく読み進められた。ジェーンオースティンだったら、結婚後のペンバリーをどう書いたかなぁ。

  • 読み進めるのがなかなか苦痛だった…。そもそもが結構な分量な上、本筋と関係があるのかないのかわからない登場人物たちの詳細が次々と紹介され、殺人が起こるまでがまず長い。殺人が起こった後も、なかなかストーリーが進まず、ラストで一気に全容が明らかになる。推理も何もなし。■登場人物にも魅力がなく、サブキャラたちが次々に出てくるものの名前を覚えることすらできない。主人公たちも「高慢」も「偏見」もなく、ただの良い人で完全に空気。フィッツウィリアム大佐もなんだかいけすかなかったしなー…。

  • 本日の課題本。原題は“Death Comes to Pemberley(死がペンバリーにやってくる)”と、本歌である『高慢と偏見』に登場する地所を使ってうまくまとめてあるが、邦題のインパクトもかなり好み。

    原題のとおり、『高慢と偏見』でも重要な舞台になる土地、ペンバリーで殺人事件が起こる。それを知り、関わらざるをえなくなった『高慢と偏見』の主要メンバーが右往左往…というストーリー。

    プロローグでの『高慢と偏見』のまとめ方がコンパクトで、そちらを読んでいなくてもここで十分にケアできるのだけれど、やっぱり原作を読んでいるほうが、オリジナルのメンバーと追加メンバーの区別をつけられたり、オリジナルのメンバーの持つ、どの側面をP.D.ジェイムズが拡張し、展開しているのかが分かって追えるので楽しいと思う。もちろん、原作を知らなくても楽しめるものの、その場合にはイントロが長めで少々うっとうしいかもしれない。その代わり、中盤以降の、緊張感あふれる法廷劇はクリスティ『検察側の証人』的なドラマツルギーなので、こちらをメインに楽しめるのではないかと思う。

    『高慢と偏見』にはネガティブな描写はあっても、社交から恋愛に発展し、それが結婚で完結するという、人生の「きれいな」面を扱った小説なので、後半の盛り上げ要素として用意された「真実」が結構生々しいなあ…と思いながら読んだ。そこに違和感がないわけではないが、デュマの『三銃士』だって、生々しさを原動力として、貴族社会と平民社会を自由に行き来する悪役・ミレディーのような存在がいないと面白くないわけで、それにはペンバリーの外を持ちこむしかないし、それでいいんだろうと思う。

    筆致もオースティンをなぞって明晰で辛辣だし、冒頭の覚え書きから結末までの徹頭徹尾がリスペクトにあふれた作品で、楽しく読み終えた。どちらかというと、エリザベスよりもダーシーさんの見せ場が多いので、ダーシーさんのファンにおすすめかと思いますよ。

    • Pipo@ひねもす縁側さん
      とりあえず、参加者のみなさんには楽しんでいただけたようで、世話人のひとり(2人でやってます)としてはほっとしています。参加者のかたに、「学生...
      とりあえず、参加者のみなさんには楽しんでいただけたようで、世話人のひとり(2人でやってます)としてはほっとしています。参加者のかたに、「学生時代、オースティンやりました」という経験者が3、4人いらっしゃったので、強力な援護射撃もいただけました。そして、「これって、ジェイムズの手になる『オースティン、とりわけダーシーさんファンブック』だよね」という結論に落ち着きました(笑)。

      『ノーサンガー・アビー』はちょっと素っ頓狂なところがあるような気もしますが、私は結構好きなんですね。また感想をお聞かせいただけましたら。

      オースティン作品は「大した事件が起こらないのに、ページを繰らずにはいられない」とモームが評したらしいのですが、細部の巧みさなど、かみしめて読むと愉しいですね。大人になるとわかる面白さといいますか。

      2014/05/06
    • シンさん
      『ノーサンガー・アビー』読み終りました。レビューはちょっと悪凝りだったかな、という気もしますが(笑)丸谷才一さんが好きなので。

      近所の...
      『ノーサンガー・アビー』読み終りました。レビューはちょっと悪凝りだったかな、という気もしますが(笑)丸谷才一さんが好きなので。

      近所のゲオに置いてあったので、TVドラマも見ました。そうかバースでの入浴って服を着たまま入るのか、当時の帽子ってこんなんだったのか、など映像ならではの楽しみもあり。でもキャサリンがどういう風に妄想をふくらませていったか、というのは小説ならではの味ですね。

      読書会ではP・D・ジェイムズ論は出ましたか?
      P・Dを読んだのはけっこう前なので、いろいろ忘れております。
      2014/05/22
    • Pipo@ひねもす縁側さん
      『ノーサンガー・アビー』の愉しき逍遥、拝見いたしました。非凡なる平凡万歳。

      オースティン作品だけでなく、ほかの作品にもいえますが、映像...
      『ノーサンガー・アビー』の愉しき逍遥、拝見いたしました。非凡なる平凡万歳。

      オースティン作品だけでなく、ほかの作品にもいえますが、映像では原作の文章のボリュームの配分と微妙にずれるところがって、そこが「?」とたまになるときがあります。もちろん、別個に作品として楽しみますし、風俗や制度の勉強にもなりますので、よい悪いの問題ではありませんけれど。

      ジェイムズ作品については、物語運びがクラシカルの部類に入ってしまうからか、参加者のかた、特にミステリーとして読むかたの評価がやや厳しく、新しくファンを獲得するのは難しいっぽい?という印象でした。それと、ダルグリッシュ論が出ましたね。そこにジェイムズ自身の男女関係に関する考えを見るかたもいらっしゃいました。

      課題書まわりの作品もいろいろ紹介したのですが、いしいひさいち『女には向かない職業』が意外と知られていなくて好評でした。藤原先生はあんなに知名度が高いのに(笑)。
      2014/05/22
  • ダーシーは原作の雰囲気が出ていましたが、エリザベスらしさが感じられず残念でした。
    ミステリとしてもあまり面白さが無いように思いました。
    他のオースティン作品の登場人物が話題にのぼったりするのは楽しかったです。

  • 『高慢と偏見とゾンビ』を読む前に、『殺人』を読んでしまっていいのか?と、本を買う前に躊躇したけど、いいです。ゾンビはもういい。
    P.D.ジェイムズはきっと原作が大好きで、だから主要人物が犯人になることはないだろうと思っていた(だって作品に対する冒涜だし、原作ファンが怒るよね)。原作の雰囲気や世界観をそのままに、ミステリを展開。少し忘れている部分も、これを読み進めているうちにいろいろ思い出しました。
    ミステリにどっぷりはまる週末読書、たのしかった。

    3/14追記:ロンドンでの証言台に立ったダーシーはとても立派だったと思います。

  • はじめに「高慢と偏見」のあらすじがまとめられていて、これが素晴らしかったので大いに期待して読んだ。ベテランらしく細部まできちんと描かれている。最後に「エマ」の登場人物も出てきてオースティンファンへのサービスもある。しかし、面白くない。「高慢と偏見」を読んでいれば、人間関係やキャラクターを(この本ではじめて出てくる人物以外)覚えなくてもいいのに、全くそのメリットが生かされておらず、ミステリなのに謎解きに驚きもなし。
    こんないろんな新しい人物を登場させずに、エリザベス(ほとんど活躍しない)に探偵役をさせればよかったんじゃないの?
    「高慢と偏見」の続編はどれもつまらないというお約束は守られた感じ。
    オースティンファンは続編に期待せず、オースティン作品を繰り返し読むほうがいいようです。

  • 大好きなダーシーさんに会いたくって、読んじゃった。

    「高慢と偏見」のその後、なんとあのペンバリー館で殺人事件が!

    感想は、
    設定は別に「高慢と偏見」でやらなくてもよかった、
    でも、「高慢と偏見」の設定では無ければだれも読まないと思う!

    犯人が誰か知りたくて、
    最後まで頑張って読んだけれど。

    なんだかフィッツウィリアム大佐がさあ…

    まあ、もともと無理は承知、です、けど、ね。
    「高慢と偏見」の世界は、
    恐ろしいほど失われて、魅力的な人が不在になっている。

    終盤の展開は、無理やり・ごり押し・ねじ伏せ・振り切り、
    とにかくあっけにとられるばっかりだ。

    例えれば、
    修学旅行の荷物を作っていてかばんがいっぱいで
    無理やりチャックを閉めていて、
    「あ、あれも入れるんだった!」ってなって、
    それもギュウギュウ入れて閉めて、
    ふぃ~、やれやれ、全部入った、入った!みたいな感じ。

    やっぱりダーシーさんに会いたければ
    普通に会おう(オースティン版で)、と思った次第。

  • 最近の流行でしょうか?

    早川書房のPR
    「ダーシーとエリザベスが結婚して暮らすペンバリー館で突如殺人事件が起きた。事件は一族の人々を巻き込み、波乱の法廷へ! ジェーン・オースティンの名作にミステリの巨匠が挑んだ歴史的傑作」

  • WOWOWで、プライドと偏見の放映記念のプレゼントに当選した1冊。
    元ネタ未読の人にも役にたつはずの前置がなかなか読み進まず、10年積んでしまいました…ようやく読めました。

    相変わらず元ネタ未読、映画も未見、PDジェイムズも未読…でも、おもしろかったです。
    なかなかいくらなんでも…という部分も3つくらいあるんですが、火サスや土曜ワイドなどを楽しんだ世代なら、そんなこと気にしないで読めます(笑)

    時代の雰囲気も感じられ、なんだか良かったです。

    さて、ダーシーは、私にはコリン・ファースのイメージですが、みなさまはどうでしょうか。

    星3つじゃホントは少ない…でも、ちょっと強引な展開に4つじゃ多いかな。3.6ぐらいです。
    でも、時代を感じるためにも読んでほしいな、と思う1冊です。



  • イギリスの作家「P・D・ジェイムズ」の長篇ミステリ作品『高慢と偏見、そして殺人(原題:Death Comes to Pemberley)』を読みました。

    『皮膚の下の頭蓋骨』に続き、「P・D・ジェイムズ」の作品です。

    -----story-------------
    【ロマンス小説の古典『高慢と偏見』の続篇に、ミステリの巨匠P・D・ジェイムズが挑む! 】

    紆余曲折の末に「エリザベス」と「ダーシー」が結婚してから六年。
    二人が住むペンバリー館では平和な日々が続いていた。
    だが嵐の夜、一台の馬車が森から屋敷へ向けて暴走してきた。
    馬車に乗っていたエリザベスの妹「リディア」は、半狂乱で助けを求める。
    家人が森へ駆けつけるとそこには無惨な死体と、そのかたわらで放心状態の「リディア」の夫「ウィッカム」が……殺人容疑で逮捕される「ウィッカム」。
    そして、事件は一族の人々を巻き込んで法廷へ! 
    ミステリの巨匠が「ジェーン・オースティン」の古典に挑む話題作!
    -----------------------

    2011年(平成13年)に発表された作品で、「サマセット・モーム」が『世界の十大小説』に選び、「夏目漱石」も『文学論』で絶賛した「ジェーン・オースティン」の名作『高慢と偏見』の後日譚… 6年後を描いた続篇となっています、、、

    19世紀初頭の英国社会を描いたスリリングな歴史ミステリでしたね… なんと、「P・D・ジェイムズ」が90歳代になってから執筆された作品、衰えない創作意欲には驚かされますね。

     ■プロローグ ロングボーンのベネット家
     ■第一部 舞踏会の前日
     ■第二部 森林地の死体
     ■第三部 ペンバリー館の警察
     ■第四部 検死審問
     ■第五部 裁判
     ■第六部 グレースチャーチ・ストリート
     ■エピローグ
     ■訳者あとがき 羽田詩津子

    小口と天・地が黄色に染めてある、懐かしいハヤカワポケミス(ハヤカワ・ミステリ、HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOK)版です… 若い頃に読んだ海外ミステリ作品を思い出し、懐かしく、心ときめきますね。

    『高慢と偏見』から6年後の1803年10月、「フィッツウィリアム・ダーシー」と「エリザベス」、「ダーシー」の親友「チャールズ・ビングリー」と「エリザベス」の姉「ジェーン」の二組の夫婦は平和に暮らしていた… 「ダーシー家」の暮らすペンバリー館では毎年恒例の「ダーシー」の亡き母「レディ・アン」の舞踏会が翌日に予定されていた、、、

    そんな嵐のような強風が吹きすさぶ舞踏会前夜… ペンバリー館に馬車が乗りつけられた。

    馬車から飛び降りてきたのは「ジェーン」と「エリザベス」の妹で五女にして末娘の「リディア」… 駆け落ちして「ジョージ・ウィッカム」と結婚した彼女が狂乱状態で現れる、、、

    「リディア」は「ウィッカム」が森林地で殺されたと訴える… 「ダーシー」と「ダーシー」の従兄弟「フィッツウィリアム大佐」、それに客人で弁護士の「ヘンリー・アルヴェストン」は森に捜索に赴くが、そこで発見したのは無残に殺された「ウィッカム」の軍隊時代の友人「マーティン・デニー大尉」と、「デニー大尉」の死体にすがりついて泣きわめく「ウィッカム」だった。

    二人の間に何が起こったのか!? 犯人は!? 動機は!? 地元の治安判事「セルウィン・ハードキャッスル」等を中心として捜査が始まるが、深い森の中には、二人以外の存在を示す証拠はみつからず、「ウィッカム」は逮捕され、検死審問・裁判にかけられることになる… 一貫して無罪を主張する「ウィッカム」だったが、陪審員たちが下した判断は、、、

    ペンバリー館の元御者で森林地のウッドランド・コテージに居を構える「トーマス・ビッドウェル」の娘「ルイーザ」と「ウィッカム」の関係、「ルイーザ」の甥で幼い「ジョージー」の出生の秘密… そして、病に侵され死の床にある「ルイーザ」の兄「ウィリアム」の妹を護ろうとした行動と、その後の証言等から、裁判の結果は覆り、「ウィッカム」は無罪放免となるが、その真相は!?

    登場人物が多く、同じ人物が苗字で呼ばれる場合と名前で呼ばれる場合があり、慣れるまではもどかしさが強かったですね… ミステリ作品ではありますが、高慢と偏見に満ちた登場人物たちの心の機微、底知れない人間関係の深淵を愉しむ作品なのかもしれませんね、、、

    『高慢と偏見』を読んでいれば、もっともっと愉しめたんだと思います… 古典ロマンスらしいので、手は出さないと思いますけどね。



    以下、主な登場人物です。

    「フィッツウィリアム・ダーシー」
     ペンバリー館の当主。
     自身のプライドが邪魔をしてエリザベスへの想いを打ち明けられなかったが、
     紆余曲折を経て結婚した。

    「エリザベス・ダーシー」
     ロングボーンの地主であるベネット夫妻の二女。
     ダーシーへの偏見を乗り越えて結婚し、ペンバリー館の女主人となった。

    「ジョージアナ・ダーシー」
     ダーシーの妹。

    「レイノルズ夫人」
     ペンバリー館の家政婦。
     エリザベスの片腕となっている。

    「スタフトン」
     ペンバリー館の執事。

    「ドノヴァン夫人」
     ダーシー夫妻の子供たちの乳母。

    「トーマス・ビッドウェル」
     ペンバリー館の元御者。
     今は老いて銀器磨きなどの雑用をこなしている。
     屋敷そばのウッドランド・コテージに居を構える。

    「ウィリアム・ビッドウェル」
     トーマス・ビッドウェルの息子。
     病に侵され、死の床にある。

    「ルイーザ・ビッドウェル」
     トーマス・ビッドウェルの娘。ウィリアムの妹。
     ペンバリー館の下僕の一人ジョセフ・ビリングズと婚約中。

    「チャールズ・ビングリー」
     ダーシーの親友。
     エリザベスの姉ジェーンと結婚し、ハイマートンに住んでいる。

    「ジェーン・ビングリー」
     ベネット夫妻の長女。
     エリザベスのただひとりの姉であり、良き理解者でもある。

    「ジョージ・ウィッカム」
     元士官。ダーシーの幼なじみ。
     士官時代から大いに浮名を流し、エリザベスの妹リディアを誘惑して駆け落ちするが、
     ダーシーの説得で結局は結婚した。

    「リディア・ウィッカム」
     ベネット夫妻の五女にして末娘。
     奔放な性格で、ウィッカムと駆け落ちして家族を悩ませるが、
     そのまま結婚してウィッカム夫人となった。

    「ベネット夫妻」
     ロングボーンの地主。
     五人の娘をもうけ、その嫁ぎ先を躍起になって探した。
     三女はメアリー、四女はキティ。

    「ガーディナー夫妻」
     ベネット夫人の弟夫婦。
     エリザベスの叔父と叔母にあたる。
     ロンドンの商人。

    「レディ・キャリントン・ド・バーグ」
     ダーシーの母親の姉で伯母にあたる。
     ケントの大地主にしてロージングズの当主。
     下級貴族である。

    「フィッツウィリアム大佐」
     ダーシーの従兄弟。
     伯爵家の二男である。
     ハートレップ子爵の称号を受け継いでいる。

    「マーティン・デニー大尉」
     ジョージ・ウィッカムの軍隊時代の友人。

    「ヘンリー・アルヴェストン」
     弁護士。

    「パーシヴァル・オリファント師」
     教区牧師。

    「セルウィン・ハードキャッスル」
     地元の治安判事。

    「サミュエル・コーンバインダー」
     ロンドンのコールドバス拘置所付きの牧師。

    「エリノア・ヤング夫人」
     ロンドン、メリルボーンの下宿屋の女主人。

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著者プロフィール

翻訳家。お茶の水女子大学英文科卒。訳書に『アクロイド殺し』アガサ・クリスティー(早川書房)、『歴史の証人 ホテル・リッツ』ティラー・J・マッツェオ(東京創元社)、『フランス女性の働き方』ミレイユ・ジュリアーノ(日本経済新聞出版社)、『ナチスから図書館を守った人たち』デイヴィッド・フィッシュマン(原書房)など多数。

「2022年 『未知なる人体への旅』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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