六人目の少女 (ハヤカワ・ミステリ 1867)

  • 早川書房
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感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150018672

作品紹介・あらすじ

森のなかで見つかった六本の左腕。それは、世間を騒がせる連続少女誘拐事件の被害者たちのものだと判明する。しかし、誘拐された少女は五人だった。六人目の被害者は誰なのか。失踪人捜索のエキスパートであるミーラ・ヴァスケス捜査官は、高名な犯罪学者ゴラン・ガヴィラとともに特別捜査班に加わることになる。だが、警察の懸命の捜査を嘲笑うかのように、犯人は少女の遺体を次々と発見させて…。フランス国鉄ミステリ大賞、バンカレッラ賞など数々のミステリ賞を受賞した息もつかせぬ傑作サイコサスペンス。

感想・レビュー・書評

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  • 森の中に埋められていた6人の少女の左腕。捜査が始まる中、遺体が次々に発見される。しかもそれは犯人からの何らかの信号ともいうべき指令があった。捜査をするのは、連邦警察行動科学部の部長、メンバー3人に、犯罪学者ゴラン、子供の失踪を専門とするミーラ。主人公はミーラなのだが、これが何やら過去にあった様子。自分の腿を傷つけて意気高揚をするのだ。その理由は最後の方で語られるが、この捜査とも無縁ではない。

    残虐な死体、性格破綻な犯人像、そして犯人周縁の人たちもまた破綻している。残虐な描写は読むのに堪えないが、少し過ぎたあたりからどんどん筋に引き込まれる。ちょっと犯人関係者が多くて焦点が拡散している気も。

    どこの町と特定しない書き方。

    ミーラがかつて受けていた精神分析医の言葉
    ミーラが他人に共感できないことに対して、
    「心の痛みなど存在しない。ほかのあらゆる感情とおなじように。すべては化学の問題だ。愛というのは、ただのエンドルフィンにすぎない。全身麻酔を注射すれば、どんな感情的な要求も取り除くことができる。われわれは所詮動く肉体にすぎない」・・この言葉を聞いてミーラは心が軽くなった。

    2009イタリア
    2013.1.15発行 図書館

  • 本文512ページ。
    なのにこの膨大な量を読み終わった心地よい疲れは何?

    一冊の本の中に詰め込まれている驚きと深さと痛さ。
    『登場人物』として挙げられているだけの人数ではなくしかも、誰も彼も
    内に抱えているモノの鋭さが一行なんかではない。

    ストーリーは一言で言うと5人の誘拐被害者の少女、
    次々発見される痛ましい遺体。
    発見されたのは6本の左腕。6人目の生死はいかに?

    捜査官たちのプライベートな悩みもすべて呑み込んでゆく事件の深さ。
    読み終わったときには背筋がゾワゾワしました。

    また凄い本に出会ってしまった。

  • 切断された6本の少女の左腕をきっかけに明らかになったシリアルキラーを追うサイコサスペンス。
    とにかく二転三転する謎解き、なかなか辿りつけない真相、色々な闇を抱えた登場人物たち…先へ先へ読ませる力のある小説です。
    これはなかなかの本格ミステリか…とじっくり味あわせておいて、いきなり背後を突かれるような○○な展開も(←ここが賛否両論)。
    少し終盤の展開が前半の緻密さに対して雑な印象があるが、スピード感を重視するなら許容範囲。ここまで予想を裏切られ続けるのも気持ちがいい。
    そして最後の最後の仕掛けにはホント背筋がぞっとした。
    次回作が楽しみ。

  • 森の中で見つかった六本の左腕は誘拐された五人の少女のものだった。
    発見されていない6人目の少女を救うべく、失踪捜査のエキスパート・ミーラと公明な犯罪学者ゴランは特別捜査班に加わる。

    スピーディーな展開。
    途中までは想像の範囲内(六人目の少女の保護者はお約束)だったけど、きっちり話をひっくり返してくれてその辺は楽しかった。
    霊能力者が出てくる件は鼻白んだけれど、そのあとの展開に効果的に繋がっていてちょっと感心してしまった。
    ハッピーエンドで終わらず、尚且つはっきりしないラストも、作品の主題に沿っていてよかったと思う。
    ただ展開はかなり強引かなー。
    結構拍子抜けする部分があるよ。
    しかし子供が酷い目に合う話は読んでいて辛いな…。

  • はじめから著者は、リアリティなぞ目指してなどいない。特定の地名はいっさい出てこないし、捜査陣は犯罪学者をリーダーに瞑想室でミーティング。他者に共感できない主人公は、悲しみを分かち合うため自傷を繰り返し、瀕死の犯罪者からは霊能力者の手助けを借りて自供を得る。その犯行が可能かどうか、犯罪の動機が理解可能かどうかではなく、悪の根源、もしくは我々の身近に存在している黒い穴が作品のテーマだろう。平凡な人間であっても断ち切りがたい闇への誘惑。ひたすら残忍で、沈黙させるほど不条理な物語だが、読み終えても考えさせられる。

  • 外国の作品もたまには読んでみようと思い、手に取ったのがこの本でした。
    結構リアルな描写も多く、楽しく読めました。
    ですが、最後の方は話がごちゃごちゃしていて何を言いたいのか理解できませんでした。

  • 最後がなあ

  • 霊媒師は要らなかったのでは。。
    それがなくても盛り込みすぎ。
    面白い展開もあって読めたけど最後はなんだかな。

  • 序盤〜中盤は、面白くて続きが気になって仕方なかった。
    終盤〜ラストは…。勿体ないよ。
    捜査チーム、好きになれないキャラが多すぎる。
    主人公が一番よくわからない。

  • 何でもどんでん返せばいいというもんではない。
    伏線も何もなくバッタンバッタンひっくり返されても、ふーん、以外の感想を抱きようがなく、しまいにはお腹いっぱいである。あげく犯人は死に逃げ。そのくり返しに、いいかげんにしろと言いたくなった。
    つーかそもそも、協調性と思慮に欠け、冒頭いきなり単独突入をやらかし、リストならぬ太腿カットをくり返す主人公にまったく魅力を感じられなかった。ビタイチ応援できない主人公のピンチや濡れ場やトラウマ告白大会に、いったい何を思えと言うのか。
    きわめつけに、×××とは…。

    2019/1/17読了

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