- 早川書房 (2016年9月8日発売)
本棚登録 : 180人
感想 : 27件
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (464ページ) / ISBN・EAN: 9784150019112
作品紹介・あらすじ
〈英国推理作家協会賞ゴールドダガー賞受賞〉大金の行方を知るとされる受刑者は、出所日前日に脱獄を敢行した。一日待てば自由も金もすべて手に入ったはずなのに……。S・キング絶賛のミステリ
みんなの感想まとめ
この物語は、金と権力が絡む陰謀の中で、脱獄を選んだ主人公の葛藤と決断を描いています。出所前夜に脱獄したオーディ・パーマーは、現金輸送車強奪事件の犯人として服役しており、その理由が物語の核心となっていま...
感想・レビュー・書評
-
過去と現在を行き来して語られる形式。
出所前日に脱獄した説明としてはイマイチな気もするんだが。。。
Amazonより
出所日前夜に突如脱獄した男。たった一日さえ待てば、自由も金もすべてが手に入ったはずなのに……。その決断の裏隠された陰謀とは?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人を溺れさせる仕組み
「金と権力」。この物語は検事、警察、FBIが結託し、現金輸送強奪襲撃事件の真相証拠書類を改竄、不利となる確たる証拠を隠滅させ莫大な金を奪い取ったミステリー事件だ。その裏には大金を隠し持ったという嘘を仕立てられ犠牲者(犯罪者)となり10年の投獄を科せらる。だが、最後の日の前日に脱獄する。背景には家族と金が絡む。人は時代が変わっても「金と権力」には弱い。現代、世を創る、守る側がその一端に加担するケースが多く、世間に告発する者がいない限り闇の中だ。政治家を含め暗黒の世界に足を入れた者は永遠に安楽な夢は見ることができないだろう。 -
「出所前夜なぜ男は脱獄したのか?」
帯のコピーが読む気を大いにそそる。
主人公のオーディ・パーマーは、現金輸送車強襲・強奪事件の犯人として服役。
模範囚として刑期を終える前日に脱走した。
なぜ、前日だったのか、その理由が知りたくて、ページをめくる。
事件に関係する人達やオーディの生い立ち、事件以前の出来事などをおりまぜながら、徐々にその理由に近づいていく。
その理由は?
「人生は短い。愛は果てしない。明日がないつもりで生きよ」
ラストシーンがちょっと良い。 -
好きなタイプではないけど、最後は涙
-
刑務所入りする原因となった現金強奪事件の真相がじわじわと浮かび上がってくる過程が見事。それとともに何故釈放1日前に脱獄しなければならなかったのかという理由にも一応納得。さすがCWA賞。
主人公オーディがあまりにも鉄人すぎるのも、安心して読める要素の一つ。 -
テキサス州のスリー・リバーズ連邦刑務所から強盗犯オーディ・パーマーが脱走した。彼は4人の被害者を出した現金輸送車強盗の一味で10年の服役を終えてあと1日で出所という日に脱獄した。犯人グループは4人で強奪金額は7百万ドルだった。
オーディは裁判・服役中にもお金の行方は一切語っておらず警察・刑務官・囚人等がその在りかに興味津々だった。
オーディの兄カールは、定職に就かずドラッグと犯罪の常習者だったが、オーディは兄が原因で大学を中退させられ各地を転々としたが、兄や家族を慕って居た。賢く寡黙なオーディは、やがて最愛の人ベリータと知り合い駆け落ちする。
大金とあと1日で出所という日に、オーディに何が起きたのか自らの命を賭けてまでやりたかった事は、ベリータとの約束を果たす為だった。
本作は、2015年英国推理作家協会最優秀長賞(ゴールドタガー賞)を受賞した。著者のマイケル・ロボサムはオーストラリア出身1960年生まれ。 -
主人公の設定がありえないほどのスーパーマンで人間ができすぎていてありえない話なんだけど、最後まで読むのに苦労はしなかった。ストーリー展開が面白かったということ。最後はあっさりしていたけど、ハッピーエンドでよかったかな。
-
読メで評判がよいのも頷ける。面白かった!読んでよかったです。
-
-
長い話なので、途中で心が折れそうになる。これでもかとばかりに陥れられ、ひどい目に遭い続ける主人公サイドの先行きがあまりに不透明で危なっかしく、敵があまりに巨悪にすぎて、このまま救いのない結末を迎えたらどうしようかと戦慄した。英語圏のエンタテインメント小説である以上、「終わりよければすべてよし」以外の結末に落ち着くはずはない…という一念で読み通せたようなものだ。
いろいろと「痛い」し、特に燃える車内に閉じ込められて死んだ女性は悲惨のひとこと。冷静に振り返ってみると、いくらなんでも都合よすぎやろ、という部分もある。
それでも、読んでよかったと思える作品だった。
2017/8/27〜8/28読了 -
主人公オーディは、勉強もスポーツもできて、おまけに正義感の塊 自分とは正反対の不出来な兄貴の面倒も見る 刑務所内でも聖人さながらの立ち振る舞い 読んでいてだんだん「いくらなんでもこんな奴おらんやろ~」とつっこみたくなった
クズ兄貴の方がまだ生身の人間ぽくてリアルだと思う
モス&クリスタル夫妻 この二人の深い愛の結びつきは、よかった -
強盗で10年の刑期を勤めた男が、あと1日を残して脱獄した。その男オーディがこれでもかというくらいの悲運に見舞われながらも、なお気高く愛する人との約束を守り抜こうとする生きざまが、心ある者の人生までも変えてゆく。彼が脱獄して逃亡しながら振り返る生い立ちや運命の恋がとても鮮烈。悪がこれでもかという悪なのは分かりやすいけど、発端となった強盗事件の詳細が曖昧なままなのが残念。もう少し悪党側からの視点でも書いてほしかった。
-
突っ込みたい箇所もあるけど、全体的には良作。
-
CL 2017.1.30-2017.2.9
-
出所を翌日に控えた男が刑務所から脱走する。不可解な行動の背景から浮かび上がってきたのは、かなわなかった過去の夢と闇に葬られたはずの強盗事件の真相だった。現在と過去の出来事が不規則に記述されながらまったく戸惑わされることなくサスペンスを高め、救いようがない悲劇の先に覗くわずかな曙光が眩しい。
-
あらすじに惹かれて手に取った一冊。
物語の全容が見え出す中盤までは貪る様に読み進めて、
なんとなーく「あぁ…」と気付いてからも一気読み。
正直に言えば、色々な名作をキメラにしたような感もあり。
(頼りになる黒人囚人の親友と、冤罪でありながら希望を失わず刑に服する聡明な白人て『ショーシャンク~』っぽさがどうも…)後半のドンパチもハリウッド好みなんじゃないだろうかとかとか。
それでいて、筆致には淀みが無く引き込まれるのは、単に著者の力量なんでしょう。邦訳の越前さん(『解錠師』!)のザクザクした感じもとても良かったです。
シリーズ物を手掛けてきたそうで、それも主人公から脇役へ主役が移行するパターンで描かれているとか。是非、是非!モスやデジレーを主役に!!
邦題の『生か、死か』と
表紙のデザインは何とかならなかったんでしょうかね…惜しすぎる。 -
ニュージーランドの作家ベン・サンダースが地元ニュージーランドのシリーズから離れ、アメリカを舞台にした作品『アメリカン・ブラッド』でブレイクしたと同様に、オーストラリア生まれの作家マイケル・ロボサムは、永く住んだイギリスを舞台にしたシリーズから離れ、アメリカを舞台にしたこの作品で何ともはや、ゴールド・ダガー賞(英国推理作家協会賞)を勝ち得てしまった。
二冊の外国人によるアメリカの小説を立て続けに読んでしまったために、ぼくの中で混乱が起きているのは、どちらも三人の目線を主として書かれた小説であり、その一人は女性刑事、どちらも正悪入り乱れ、バイオレンスとサスペンスに満ちた伏線だらけの作品であるからだ。
『アメリカン・ブラッド』は二十代新進作家の若さに満ち溢れたラップテンポとでも呼べるリズミカル作品にウエスタン・ヒーローを配した娯楽作品であるのに対し、本書『生か死か』は、じっくりとスロウテンポで描かれながら、圧倒的な謎の深さで勝負する正統派ミステリであり、同時に純文学的描写力ですら読みごたえを感じさせる重厚無比な大作である。
刑期満了し明日は出獄を迎えた日に敢えて脱走したオーディという主人公像そのものが本書最大のミステリだ。その同僚であったモスは刑務所長により特例で釈放され、オーディの後を追う。さらにFBIの女性捜査官デジレーが別の角度から事件の真相に関わってゆくというトライアングルな視点で、本書は年月を超えた謎の気配を満たしたまま大河のように流れてゆく。
その中で過去の罪を隠蔽しようと現代に悪の手を再び振り上げようとしている権力社会に潜んだ一派らしき存在が次第に見えてくる。罪深い罠にかけられた無罪の主人公こそオーディであるのか? 多彩な登場人物が繰り広げる神話のような物語はどこでどう繋がってゆくのか? 迷宮を歩く不安と謎への探求心がページを否応なく繰らせてゆくパワフルなミステリ。
だからこその受賞である。イギリスを舞台とした臨床心理士ジョー・オローリンのシリーズ、またはそのスピンオフ作品も多く書いてきた作家である。日本語翻訳作品はオローリン・シリーズ第一作『容疑者』のみとなるが、今後注目を集める作家のひとりとなるのに違いない。良い作家と出会えた幸運を感じさせられる。
著者プロフィール
マイケル・ロボサムの作品
