晩夏の墜落 (ハヤカワ・ミステリ 1921)

  • 早川書房
3.10
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本棚登録 : 71
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (506ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150019211

作品紹介・あらすじ

大西洋上に富豪たちの乗るプライベートジェット機が墜落。大半の乗客が死亡するが、乗り合せていた画家のスコットは男の子を救い、泳いで生還を果たす。しかし彼には疑惑の目が向けられ……はたして何が起き、何が起きなかったのか? MWA賞受賞の傑作サスペンス

感想・レビュー・書評

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  • 2017年発行のポケミス。墜落したプライベートジェットに乗り合わせた乗客、それぞれが抱える事情と乗り合わせることになる経緯、そして生き残った二人のその後…。とても興味深い設定だけど、海外ドラマ作品に関わってる著者は安易に一直線には物語を進めてくれないよ。まるでネトフリの連続ドラマみたい(褒めてる)。3.7

  • 2017年エドガー賞最優秀長編賞受賞作です。

     墜落したプライベートジェットの生き残りである主人公が疑われる。大富豪の遺産や相続が絡んで事故か殺人なのか、、ストーリーは、読み易くもう一人の生き残りである大富豪の四歳の息子が、孤独で寂しい状況に胸を打たれ真相発見するのに項を繰る時間がもどかしい。

  • 大富豪のプライベートジェット機が墜落する。たまたま乗っていた画家と、富豪の四歳の息子だけが奇跡的に生還する。はは~ん、これは墜落原因を究明していくミステリなんだなと思っていたら、その予想はハズレ。画家を中心に、飛行機に乗り合わせた人たちの人生の諸相が描かれていく。

    庶民にはうまく想像できないような大富豪たちの生活ぶりや、事件に群がるマスコミの様子、登場人物が抱える過去の悲劇など、いかにも人を惹きつけそうな要素が盛りだくさん。著者は脚本家だそうで、ツボを押さえた描き方だと思った。次々目先が変わるので、だれずに読める。

    楽しんで読んだのだけど、難癖をつけたくなるところも。途中で、これは墜落原因そのものは大した問題じゃないんだなとは思ったが、それにしてもちょっとどうなのか。「犯人」の行動に説得力がないんじゃないかな。テレビ司会者との対決のくだりも、都合が良すぎる気がする。読後振り返ると、これだけ墜落前の各人の姿が描写されているのに、どの人にも「内面(その人らしさ)」を感じなかったと思う。面白いけどすぐ忘れるハリウッドの娯楽作という感じかな。

  • アメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)最優秀長編賞受賞作。

    英語の原タイトルの方が意味深で良いと思います。
    墜落の真相は搭乗者のそれぞれの過去を描く群像小説から明かされていく縦筋と生存した画家に降りかかる世間の波が横筋で面白いサスペンスミステリーとして紡がれていると思います。
    墜落の真相に驚愕の大どんでん返しがなかったのはちょっと肩透かしでしたが、主人公とTVアンカーマンとの対決は溜飲が下がりました。

  • 期待以上の面白さ。邦題より原題の「Before The Fall」の方が内容に近いかも。飛行機墜落事故から生き延びたスコットが、もう1人の生存者である幼児を救った。彼が墜落の原因を探るヒーロー物語かと想像してたら全く違う。スコットが事故後に巻き込まれる異常なメディアの過熱ぶりと、事故の犠牲者たちが生前どんな人間だったかを、交互に独特の筆致で描き出す。もちろん事故の原因は何だったのか最後に分かるのだが、この話のメインはそこではない。人生をひっくり返すような大きな出来事に遭遇した時、人は急に特別な人間に変われるわけではない。結局、自分の人生を誠実に一生懸命生きることしか対処法はないんだなと思う。

  • どれだけ盛り上がるのかと思ったら、真相が明らかになるにつれて物語のほうも大失速…。でも最後でちょっと機首をあげたかな?評判が良かったわりにはもう一つという感想。
    大金持ちの世界、一夜にして誕生するヒーロー、盗聴するニュースキャスター、イスラエル生まれのボディガード…とアメリカ感満載。

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