ディオゲネス変奏曲 (ハヤカワ・ミステリ)

  • 早川書房
3.82
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本棚登録 : 289
感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150019426

作品紹介・あらすじ

雨の大学教室で、学生たちにまぎれこんだ謎の人物「X」を探す推理合戦のスリリングな顛末を描いた「見えないX」、台湾推理作家協会賞最終候補となった手に汗握るサスペンス「藍を見つめる藍」など17の傑作ミステリ短篇を収録。陳浩基デビュー10周年記念作品。

感想・レビュー・書評

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  • 同じ作者の13.67が話題だったので読んでみたところ、びっくりするくらい面白かったのでこれも読むしかないと思い手に取ってみた。
    純粋なミステリーにとどまらずSF要素を取り入れた話もいくつかあり、作者の志向が垣間見れ興味深かった。収録作の中では「見えないX」、「作家デビュー殺人事件」、「カーラ星第九号事件」が気に入った。習作などもあり全てが傑作!とは必ずしも言えないが、13.67が気に入ったなら読んで損ではないと思う。

  • ミステリ短編集。だけれど、本格ミステリありSFミステリありサスペンスありホラーっぽいのあり、と読み心地はかなりバラエティに富んでいます。
    お気に入りは「カーラ星第九号事件」。SFミステリで、論理もきっちりとした固めのミステリだと思ったら。ラストで明かされる真実が!
    「頭頂」と「霊視」もホラー好きとしてはかなり好みでした。怖いけれどどこかしらユーモラスな「頭頂」、でもこんなの……見たくないなあ。「霊視」はラストでぞくりとさせられます。
    一番本格ミステリだったのは「見えないX」かな。ある意味の犯人捜しミステリだけれど、日常の謎としても最低レベルに魅力的ではないつまんない謎、だと思っていたのに。いやいやとんでもなく面白いじゃないですか! そして真相は見抜けませんでした。

  • どれもひねりが効いている

    あとがきの著作解説がとてもいい
    一作ごとに一曲を例えている

    藍を見つめる藍 作家デビュー殺人事件 見えないXあたりが好き

  • 『見えないX』が面白かった。ジャイアンや毛利小五郎、倖田來未が出てきて、日本の作品や人物のオマージュになっていて、日本愛が節々に感じられる。

  • 7/16/2020

    私は頭が硬いんだと思う、SFは苦手。(昔は眉村卓くらいは読んだんだけど。) なので2篇くらいあったSFは字面だけ追って読んだ感じ。逆にSF好きな方にはオススメかも。他にも異なったタッチのミステリー短編満載なので、陳浩基を読んでみるのにちょうどよい一冊。それこそ3ページ程度の超短編もあったりで、器用な人なんだと思う。

    追記 9/10/2020
    感情的になりそうだったので前回↑では敢えて触れなかったけど、読み始めようとして最初に目にした 「本書を謹んで天野健太郎氏に捧ぐ」。これは強烈すぎた。ここでしばらく止まってしまった。
    RIP

  • ミステリやSF、ホラーなど様々なジャンルでの短編集。なので、とても贅沢な感じ。似たようなモチーフ?が変化させつつ再び現れることもあり、タイトルの”変奏曲”のとおり。著者のあとがきにはおすすめされる曲のがあり、音楽と共に読書を楽しむのもまた良し。(YouTubeで実際に聞くことができるのでありがたい)

  • かなりおもしろい。早く次の長編を読みたい。

  • これは楽しい短編集。ミステリー、SF、ホラー、ドタバタ、何でもあり。
    一話一話が短いけど切れ味鋭くて秀逸。
    独立したお話たちなので、スキマ時間にちょっとずつ読み進めるのも良さそう。

  • 小気味良さが心地良い……。

    どの物語も読み始めると止まらなくなり、最後で必ず「エッ!」となる。
    そのたびに自分の脳が活性化される。

    しかも、ミステリーのみならず、SF風だったりホラーだったり…
    この人の引き出しの多さは、半端ではない。

    さすがですね。

  • ホラー、星新一風のSF、バカミス、バリバリの謎解きと、バラエティに満ちた作品集。いろいろな楽しみ方ができるけど反面、玉石混淆、ネタありきで広がりに欠ける作品も少なくない。しかし、作者があの陳浩基となると話が違ってくる。話題の華文ミステリの旗手にして、日本の新本格を引き継ぐ注目の作家なのだ。

    著者あとがきを参照しつつ作品を読むと、彼がとても実験的にこれらの作品を仕上げていることがわかる。個人的にお薦めは、金銭で時間をやり取りできる世界を描いた「時は金なり」、後の『世界を売った男』を思わせる「珈琲と煙草」。そして何と言っても「見えないX」。これは読み返すと、作者のフェアネスがわかり、さらに面白い。

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著者プロフィール

●著者紹介
1975年生まれ。香港中文大学計算機学科卒。台湾推理作家協会の海外会員。2008年、短篇「ジャックと豆の木殺人事件」が台湾推理作家協会賞の最終候補となり、翌年「青髭公の密室」で同賞受賞。2011年『世界を売った男』で第2回島田荘司推理小説賞を受賞。2014年の連作中篇集『13・67』は台北国際ブックフェア大賞など複数の文学賞を受賞し、十数ヵ国で翻訳が進められ国際的な評価を受ける。2017年刊行の邦訳版(文藝春秋)も複数の賞に選ばれ、2020年刊行の邦訳の『網内人』(文藝春秋)とならび各ミステリランキングにランクインした。ほかの邦訳書に自選短篇集『ディオゲネス変奏曲』(早川書房)がある。

「2021年 『島田荘司選 日華ミステリーアンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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