パリ警視庁迷宮捜査班 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

  • 早川書房
3.63
  • (14)
  • (35)
  • (37)
  • (4)
  • (1)
本棚登録 : 268
感想 : 48
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150019433

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • パリ警視庁の厄介者たちで新たに結成された未解決事件捜査班。大酒飲み、ギャンブル好き、売れっ子小説家(兼警部)などくせの強いメンバーたちは、二十年前と八年前に起きた二つの未解決殺人事件の捜査を始めるが…
    捜査班のメンバーがみんなすごくキャラが立っているのが楽しい。特に組んだ相手が次々と不幸な目にあう通称「死神」が捜査班に入って変わってゆく様子がよかった。
    それにしても職場でパスタをゆでて食べたりとか、捜査中でも美味しいもの食べたりしっかり休憩をとるところがフランスなのかなと羨ましい。
    「特捜部Q」よりライトな感じだが、こちらの方が好み。
    ぜひ続編も訳してもらいたい。

  • 未解決事件を再捜査するお話はどこの国のでも面白い。
    窓際部署に追いやられた警察官たちだけど
    決して無能ではなかった(一部除外) そしてキャラが濃い(笑)
    次第にチームとしてまとまっていく様子は読んでいて楽しかった!

  •  パリ警視庁の特捜部Qという触れ込み。はみだしものを集めた捜査班がお蔵入りした事件を掘り起こすというところが共通点ではあるけれど、本家は4人の小所帯なのにこちらは今回出てくるだけで9人もいて、だいぶん趣きが違う。その一癖も二癖もある9人を覚えるだけでも一苦労だが、さすがに均等には活躍しない。最初の5人くらいにしぼってもよかったのでは。まったく別の事件だとおもったのが意外なつながりが見つかって、思わぬ真犯人に結びつくというストーリーはまあまあで、捜査の進展そのものは悪くない。のだが、班を束ねるカペスタンはともかく、それ以下の面々の人物造型が今一つこなれないのが読んでいて引っかかる。翻訳のせいもあるのだろうか。続編もあるのでもう少し読んでみよう。

  • パリ司法警察署で厄介者ばかりを集めた特別捜査班が組織された。同僚を不幸にさせる疫病神、アル中、スピード狂、ハッカー、脚本家もどき、ギャンブル依存症等、警察官として不適格な集団を一纏めにして蓋をした。
     その班長は、精神異常者を逮捕時に誤って射殺し6ヶ月の謹慎をくらったカペスタン警視正。

    ・厄介者達の掃き溜め特別捜査班
    ・オフィスも古ぼけたアパート
    ・扱うのは陳腐な未解決事件
    ガラクタの警察官達とガラクタオフィスにガラクタな事件。の筈が、事件資料の中に2件だけ殺人事件が混ざって居りカペスタン率いるガラクタチームは手分けしてこの2つの事件を再捜査する。

    今まで警察署で日陰の人生を送ってきた怠惰な警察官達が協力し合い犯人を追い詰めて行き2つの事件に関連性を発見した矢先に20年前のゲナン事件の未亡人が刺殺される。
     ・20年前の海難事故乗船の船員ゲナン殺害事件
     ・7年前の老女ソーゼル宅への押込み強盗事件
     ・現在、ゲナンの妻刺殺事件

    偶然に探り当てた2件の殺人事件は関連性が有った事で恣意的に資料が選別された可能性から件の犯人は警察関係者かもと思いはじめる。

    舞台はパリ。シテ島やノートルダム寺院、セーヌ川等の観光地の情景が思い浮かび、また街中のブラッスリーでカペスタン以下が散々に飲み食いする描写は仄暗いパリ下町のレストランやブラッスリーのしっとりとしたやさしい雰囲気が伝わってくる。

    作中には過激な殺人描写やスリル溢れる追跡劇、拳銃の弾が飛び交う戦場さながらの激しさは全く無く、穏やかに進み出来損ないの警察官達が警察官らしい自分を取り戻して行く姿を微笑ましく見届ける。

    本作はシリーズ化されており本国では3作目が出版されています。

  • さくさく読めるフランス捜査班シリーズ。
    個々のメンバーのキャラクターが立っていて、
    楽しい。
    事件も意外な展開でおもしろかった。
    次回作も期待!

  • 「落ちこぼれ刑事たちのアベンジャーズごっこ」

    主役は一見クールビューティ、実は「ブチ切れ」してエリート街道を脱落した30代後半の女性警視正。

    メンバーは「死神」「クールなゲイ」「ドラマの脚本家」「アル中」「ギャンブル狂」「スピード狂」「マスコミ通」「パンチドランカーの元サイバー担当」など今回登場者のほか、登録だけでも40名の大所帯。
    これまでどこの部署でも嫌われてきたリストラ寸前のメンバーが、持ち味を発揮して活躍するという……もうこれだけで面白そう。

    相方が必ず不幸になるという「死神」の伝説を知っている被疑者とわざとふたりきりきりにして尋問したり、「ビスケット三枚早食い」で盛り上がったり、赤ちゃん見守りグッズで盗聴したり、スピード狂に至っては「犬のフン回収車(道路清掃車)」をパワーアップして街中を暴走し、逃走者を捕まえたり……。

    事件は勧善懲悪ではなく「悲しみ」が根底にあるにもかかわらず、暗くならずにワクワクするストーリーで、肩の力を抜いた楽しい読書の時間は、あっという間でした。

    今回のメンバーの隠れエピソードや、まだ登場していないキャラクターなど、まだまだ続編やスピンオフが出来そうで、
    とっても期待大!

  • パリの警視庁(?)で休職してたり癖が強すぎて持て余されている人たちを寄せ集めてコールドケースを担当させる話。
    キャラ立ちが良くて好き。
    ミステリーなんだけれど、個々人のキャラがはまってて話が繋がるのが上手いなーと思った。

    そしてあまり馴染みのないパリ警察の内部も知れてよかった。

  • 停職復帰後のカぺスタン警視正が率いることになったのは、新しく結成される未解決事件捜査班。アルコール依存症、ギャンブル狂、スピード狂、作家、「死神」…実体は厄介者を集めた形だけの捜査班である。しかし彼らはただの厄介者ではなかった。それらを武器にし、元々持っていた能力を駆使していくつかの未解決事件に挑む。彼らはなんて個性的で魅力的なのか。時折はさまるドタバタ劇と犬のピルーの可愛さにくすっと笑いながらするすると読み進んだ…その先で、思わずoh!と声が出た。想像以上に綺麗なミステリで面白かった。次作も楽しみだ。

  • なぜか憎めいない、個性豊かな登場人物に、いつの間にか親近感を覚えて・・・
    後半は、早く事件の真相を知りたいような、痛快なやりとりをずっと読み終わりたくないような、そういう気分になる作品でした。

  • 厄介者扱いされたメンバーでつくられた特別班が未解決事件を追う話。

    メンバーがちょっと多い上にフランス名なので覚えられないかなと思ったけどキャラひとりひとりにしっかりした個性があるので大丈夫だった。
    キャラと読みやすさやテンポの点では良かったけど、謎の部分は大した驚きもなく案外すんなりと犯人が捕まった感はあった。
    終わり方は爽やかな感じで良かった。

全48件中 11 - 20件を表示

ソフィー・エナフの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ネレ・ノイハウス
アレン・エスケン...
ラーラ・プレスコ...
横山 秀夫
アンソニー・ホロ...
ケイト・モートン
スチュアート・タ...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×