真珠湾の冬 (ハヤカワ・ミステリ)

  • 早川書房 (2022年12月6日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (488ページ) / ISBN・EAN: 9784150019860

作品紹介・あらすじ

1941年、ハワイで起きた白人男性と日本人女性の惨殺事件。容疑者を追う米国人の刑事は、辿り着いた香港で太平洋戦争の勃発に遭遇する――戦禍の太平洋諸国で真相を追い求める男の彷徨を描くエドガー賞(アメリカ探偵作家クラブ賞)最優秀長篇賞受賞の大作

みんなの感想まとめ

壮大なスケールで描かれるこの物語は、1941年のハワイでの惨殺事件から始まり、主人公マグレディ刑事が真相を追う中で太平洋戦争の波に飲み込まれていく様子を描いています。警察小説の枠を超え、スパイや恋愛の...

感想・レビュー・書評

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  • 鬼★5 戦争とは人間とは何か? 命のやりとりを壮大なスケールで描く歴史冒険ミステリー #真珠湾の冬

    ■あらすじ
    第二次大戦が始まる頃、ハワイにてある白人男性と日本人女性が殺害される事件が発生。主人公であるアメリカ人の刑事は、犯人を捜すため奔走するも、捜査はウェーク島や香港にまで及んでしまう。彼が香港で捜査を進めているとき、折しも日本は真珠湾を攻撃、第二次大戦が始まってしまって…
    予想だにしない運命と、事件の動機と真相を大きなスケールで書き記す、歴史冒険ミステリー。

    ■きっと読みたくなるレビュー
    またすごい小説を読んでしまった…
    これは日本人なら読んでおいたほうがいい。

    殺人事件の捜査から第二次大戦の背景に、人ひとりの人生がまるっと影響を及ぼしていく。あまりもスケールが大きい物語でした。

    ○戦争が人々に与える影響
    もちろん本作はフィクションではあるのですが、似たような現実があったのかもしれませんね。日本人外交官や関係者の考え方やセリフがやたらリアルで、重大な歴史への影響を感じ、じわりと手に汗を握ります。

    ハワイの事件から始まり、ウェーク島、香港、日本と太平洋をまたにかけ場面が展開、当然それらの国の人々と主人公が関わってくる。ただの事件捜査ではない、まさに命のやり取りが繰り広げていくのです。
    特にラストシーンは、この壮大な物語を締めくくってくれる至極の名シーンでした。

    ○攻撃される日本
    戦時下における東京、生活する人々の現実、そして大空襲。小さな幸せをすべて破壊する描写と叫びがあまりにも痛烈。
    どんな犠牲を払って戦争が行われるか、現代に生きる我々も覚悟して見ておく必要があります。

    ○人々の戦争に対する思い
    どこの国で生まれ、育った人も、戦争なんかしたくない。
    しかしそれが許されなかった時代に、日本人、アメリカ人で生きる人々は、それぞれに何を思っていたのか。きっと本作のように、当たり前の考えをしている人は多くいたのでしょうね。

    物語の後半、ある女性と事件を振り返る名シーンがあります。
    戦争がもたらす罪と罰が切々と語れれていきますが、特に強烈なのは日本刀の鞘に入っていた手紙。

    第二次大戦では日本は何百万もの戦没者がいましたが、そのひとりひとりに家族がいるんです。2022年、いまだに戦争をしている国があります。いますぐやめるべきです。

    ○恐ろしい動機と真相
    犯人の動機、事件と戦争の関係性があまりにも恐ろしい。
    たった一人の歪んだ価値観が、こんなにも悲惨な結果につながるのか。これから未来に生きる我々は反面教師にしないといけません。

    さて2022年、最後の一冊になりました。
    昨年末にも「同志少女よ、敵を撃て」を読みましたが、戦争をテーマにした小説は学びが多いですね。重厚感たっぷりの時代冒険小説、じっくりと読みたい作品でした。

    ■きっと共感できる書評
    朝起きて、仕事をして、仲間とお酒を飲み、ほんの少しのご飯をいただき、就寝につく。何処の国でも、人種でも、宗教であっても、みんな家族や恋人、友人たちと幸せに暮らしたいだけです。

    凄惨な事件と辛い戦時中の物語ですが、読み終わってからあらためて本書最初の引用文を見てみるとよいでしょう。

    人を救うのは、人の優しさだけです。

    • 松子さん
      あきさん、こんにちは(^^)
      今年最後の一冊なんですね。
      戦争から目を逸らさない勇気と覚悟が必要な一冊なんだなと、あきさんのレビューを読んで...
      あきさん、こんにちは(^^)
      今年最後の一冊なんですね。
      戦争から目を逸らさない勇気と覚悟が必要な一冊なんだなと、あきさんのレビューを読んで思いました。
      いつか読んでみたいです。

      本年もたくさんの素晴らしい本のレビュー
      ドキドキしながら読みました。
      ありがとうございました!

      あきさんの心に語りかけるようなレビュー大好きです。また来年もたくさん素敵な本を教えてください(^^)
      2022/12/30
    • autumn522akiさん
      松子さん、いつもコメントありがとうございます。
      こんなにもお褒めいただくなんて恐縮です、照れちゃう、えへへ

      来年も松子さんにとって素...
      松子さん、いつもコメントありがとうございます。
      こんなにもお褒めいただくなんて恐縮です、照れちゃう、えへへ

      来年も松子さんにとって素敵な本に巡り合えますように!
      そして楽しく明るい一年になるといいすね~
      2022/12/30
  • とにかく壮大なストーリー
    いつの時代も私達は、大切な人とささやかな日々を過ごしたいだけなのに…
    戦争は人生を大きく変えてしまう…


    “ホノルル警察の刑事・マグレディを主人公にした警察小説”
    といった雰囲気で始まるこの作品。
    しかし、時は1941年11月26日。
    太平洋戦争を背景にしたこの作品は、警察小説の枠を超え、舞台もハワイから香港、東京へと移っていく。
    マグレディは戦争という大きな波に飲み込まれ、その人生は思わぬ方向へと転がっていく…

    原題は「Five Decembers」
    主人公と共に12月を5回経験した私は、まさに放心状態。
    フィクションと分かっているが、戦時下のリアルな描写に胸が苦しくなる。



    この本は皆さんご存知〈ハヤカワ・ポケット・ミステリ〉の一冊。
    このシリーズ、海外ミステリ初心者の私には敷居が高いと思っていました。上級者の方々が手に取る本だと…
    (あくまでも私の勝手な思い込みです^^;)

    でも約1年前、autumn522akiさんの鬼★5レビューを読ませて頂き、読んでみたい!
    と思っていました。
    読んで良かった!
    やはり日本人が登場したり、東京が舞台になったりで、入り込みやすいのかもしれませんね。
    そしてラストは圧巻です…

    私でも思いっきり楽しめました。⁠◕⁠‿⁠◕⁠。

    • autumn522akiさん
      そらさん、楽しんでいただいたんですね、嬉しいっ
      スケールが大きい作品で、まるで大河ドラマみたいですよね。

      ありがとうございました^^
      そらさん、楽しんでいただいたんですね、嬉しいっ
      スケールが大きい作品で、まるで大河ドラマみたいですよね。

      ありがとうございました^^
      2024/01/08
    • aoi-soraさん
      秋さん、ありがとうございます!
      ホント、大河ドラマですね。
      作者は外国の方なのに、この日本の描写には驚きました。

      今年もよろしくお願いしま...
      秋さん、ありがとうございます!
      ホント、大河ドラマですね。
      作者は外国の方なのに、この日本の描写には驚きました。

      今年もよろしくお願いしますm(_ _)m
      2024/01/08
  • 2023私が読みたい本3選に選んだ1冊を読み終えました。

    読み応え十分な作品で、タイトル通りに第二次世界大戦の前後、ハワイで起こった凶悪な殺人事件を追うマグレディ刑事の視点で描かれたストーリーです。

    殺人事件と戦争?戦争のどさくさに紛れた殺人ではありません。

    犯人を追うマグレディが戦争という苦難に巻き込まれながら、最終的には犯人を追い詰めるというのがざっくりとしたストーリーです。

    開戦の色が濃くなってきたハワイ、犯人を追い訪れた香港の地で捏造された事件で勾留され、そのタイミングで開戦をむかえます。

    そして物語の舞台は日本へ。

    東京が焼け野原となっていく焼夷弾による絨毯爆撃、悲惨な戦争の姿からは残酷な殺人以上に目を背けたくなる。

    基本のストーリーは殺人事件の犯人を追うことですが、戦争がもたらす悲劇が本作に深みと重みをプラスしていきます。

    ハワイで殺された被害者の1人が日本人であった事、時代設定に第二次世界大戦を選んだこと、そこで日本の文化に触れ日本語を学ぶこと。

    全てが計算され尽くしています。

    休日に手にして正解でした。

    説明
    内容紹介
    世界最大のミステリ文学賞エドガー賞最優秀長篇賞受賞作
    太平洋戦争迫るハワイ、香港、そして日本。彼は真実を追い求めた――

    1941年ハワイ。アメリカ陸軍上がりの刑事マグレディは、白人男性と日本人女性が惨殺された奇怪な事件の捜査を始める。ウェーク島での新たな事件を経て容疑者がマニラ・香港方面に向かったことを突き止めた彼はそれを追うが、折しも真珠湾を日本軍が攻撃。太平洋戦争が勃発する。陥落した香港で日本軍に捕らえられ、東京へと流れついたマグレディが出会ったのは……。戦乱と死が渦巻く激動の太平洋諸国で連続殺人犯を追う刑事の執念。その魂の彷徨を描く大作ミステリ。解説/吉野仁

    《ニューヨーク・タイムズ》を筆頭に、各書評誌紙で年間ベストミステリに選出。歴代エドガー賞受賞作家が激賞した、屈指の傑作
    「とんでもなく面白い物語だ。圧倒された」――スティーヴン・キング(『ミスター・メルセデス』『IT』)
    「時代を超えた犯罪叙事詩である」――デニス・ルヘイン(『夜に生きる』『ミスティック・リバー』)
    「なんという作品だろう! 没頭させられ、文章も美しく、ときにショッキングで、とても感動的だ」――エリー・グリフィス(『見知らぬ人』『窓辺の愛書家』)
    著者について
    刑事事件調査員など様々な職種を経て、現在弁護士としても活動中の作家。ハワイ在住。2022年に本作でエドガー賞(アメリカ探偵作家クラブ賞)最優秀長篇賞受賞。

    • pさん
      ヒボさん

      こんにちは
      なんだか、すごい気になる本です
      すごい長編の様な気がして、読める自信があまりないですが
      ヒボさんの感想見て気になりま...
      ヒボさん

      こんにちは
      なんだか、すごい気になる本です
      すごい長編の様な気がして、読める自信があまりないですが
      ヒボさんの感想見て気になりました。
      2023/04/14
    • ヒボさん
      pさん、こんばんは♪

      コメントありがとうございます(^^)

      発売とともに気になっていた本書、なかなか読み応えがありましたよ。

      特に後半...
      pさん、こんばんは♪

      コメントありがとうございます(^^)

      発売とともに気になっていた本書、なかなか読み応えがありましたよ。

      特に後半、舞台が日本に移ったあとはのめり込むように読み進めました!

      楽しんで頂けると嬉しいですが、休日に読まれることをオススメさせて頂きます☆

      2023/04/14
  • 水面下では真珠湾攻撃が忍び寄る1941年11月のホノルル。
    軍上がりの刑事、ジョー・マグレディは上司から署長の知人宅離れで発見された惨殺死体の調査を命ぜられる。

    死体の身元を調べていくうちに、ぞんざいには扱えない縁故を持った被害者であることがわかると共に、犯人と思われる輩の足取りも思わぬ方向に表れて、俄然多方面の筋からの事件への注目度が増していく。

    猟奇殺人をめぐる骨太警察もののような出だしから、香港に飛び、運と巡り合いの力で戦時下を身ひとつで生き延びるアジアンテイスト色濃い戦争小説めいたものとなり、大戦が開けると喪失の果てに失うものはない冷めた心を携え、寄りつく女達にも芯の通ったスタンスを崩さない主人公然がもはやハードボイルドとなる目まぐるしいまでのジャンル融合小説だった。

    結末は1945年12月(原題〈Five Decembers〉でもある五回目を迎える12月)。
    いくつもの出来事、関係を犠牲、置き去りにして今日に至る中で、結局のところ因縁のあの事件の犯人探しに帰結していく展開と、「もしもあのとき…」の歴史の分岐点の夢想を主軸に、戦争がもたらす混沌、悲運、空虚さが刺さる壮大なミステリ。

    この書きぶり、この目線の作品にエドガー賞が与えられるとは米国ミステリ文壇も捨てたもんじゃないですね。

  • 邦題が良くないな〜

    なんかお金儲け臭がね
    ま、お金儲けは当然のことなんで、そのために知恵を絞った結果なんだろうけど
    ちょっとセンスないかも
    「真珠湾」のネームヴァリューに頼りたい気持ちも分かるんだけどね
    中身にあってないと思うんですよね

    はいじゃその中身です

    第二次大戦中の物語なんですが、その割に日本人が好意的に描かれていて
    やっぱり好感を持っちゃいますよね
    なぜかというとこう見えてワタクシ日本人なので(どっからどう見ても日本人だろ!)

    別にナショナリストでもないし、特に第二次大戦に於いては、反省すべき点は多々あるにしても、親切で忠義に厚い日本人という描かれ方をしている海外の作品を読むと
    ふむふむよく分かっとるじゃないか!と鼻を膨らますと同時に、そんな日本人像を守っていかなければ!とも思うのです

    したっけ主人公のジョーはえらぐかっごいがったな〜
    しめぇもいがったがらおらぁまんぞくだ〜
    (急な方言と内容は一切関係ありません)

    • ひまわりめろんさん
      植物にも国籍はある!
      植物にも国籍はある!
      2023/05/01
    • おびのりさん
      ひまわりは、北アメリカかなあ。原産地。
      ひまわりは、北アメリカかなあ。原産地。
      2023/05/01
    • ひまわりめろんさん
      わかる〜
      文章のはしばしに北アメリカ感あるもんな
      にじみ出る北アメリカ感
      隠しきれない北アメリカ感
      納得の北アメリカ感
      わかる〜
      文章のはしばしに北アメリカ感あるもんな
      にじみ出る北アメリカ感
      隠しきれない北アメリカ感
      納得の北アメリカ感
      2023/05/01
  • スケールの大きさに圧倒された。
    犯罪だけを追う警察小説だけではない、スパイ絡みであったり、恋愛などの要素もある。
    それが戦争を挟んで繰り広げられる。
    国を行き来しながら…である。
    しばし、物語の世界に没入してしまい何も手につかないほど。
    まるで予想がつかないラストは見事。


    1941年、ハワイで惨殺事件が起きその真相を明らかにし、犯人を追うのがマグレディ刑事。
    だがその最中に太平洋戦争が開戦する。
    香港で身動きの取れない状態だったマグレディが、囚人たちと乗せられた船で着いた先は横浜。
    東京で匿われた理由も惨殺事件の被害者と関係がある。
    日本が敗戦し、マグレディ刑事が4年を経て戻ってからも事件を追ううちに明らかになった驚愕の事実。
    いのちをかけて繰り広げられる闘い。

    ラストにマグレディが向う先は雪景色で見えないかのよう…美しい描写。
    ことばにできないほど胸を打つシーンだった。

  • ヒデミス2023の中で読みたかった2作目ですが、こちらの翻訳は癖が無くて読みやすかったです。ただ、一つだけ文句を言わせて貰うと邦題が酷い…。素晴らしい大作なのに真珠湾攻撃を書いたチープな作品と勘違いされません…?お陰で友人に「まーたそんなん読んで!前世は兵士やったんか?!」と突っ込まれました。輪廻転生って何年サイクルなんだろう、と真剣に考えてしまったと言う話は置いといて。

    紹介では犯罪捜査の途中で真珠湾攻撃が始まるとの事でしたので、そんなてんこ盛りして大丈夫?!と気になりすぎて拝読したのですが、大丈夫どころか全て繋がる歴史大作ロマンと言って差し支えない作品でした。
    先ず、これを海外の方が書いて下さった事に感動。日本兵の事はフルボッコなんでしょう?と覚悟していたら、なんという中立な描写…どころか凄く泣けるシーンを作ってくれていて海の向こうのジェイムズさんに土下座しましたが、後書きを拝見するとアジアが大好きな方のようです。
    凄惨な描写も少なく、どちらかと言えばあとがきで吉野さんが仰っていたファシズムへの怒りと批判という表現に納得しました。

    ジャンル分けが非常に難しい本作ですが、基本的には最初に起きた猟奇殺人を追いかけるのがベースです。1941年、軍人上がりの刑事マグレディが納屋で逆さ吊りにされてお腹をパッカンされた事件の捜査を任されます。
    始めは正統派の刑事物語で進むのですがこれが第一章。ここに真珠湾の基地を守っているキンメル大将が絡んできてどんどん不穏な空気になって来ます。
    第二章になると舞台が中国へと移ります。当時は国を移動するのにこんなに時間と手間がかかったのかと驚きましたが(そりゃそうか)、ここで遂に真珠湾攻撃が行われ開戦。罠にかけられた上に異国の地で戦争に巻き込まれてしまうマグレディ。
    中国に日本軍が押し寄せて来た時には残り200ページ以上もあったのに「あ、終わったなこれ…」と私も絶望を感じた程。
    ここで素敵な日本人が登場。東郷大臣の第一秘書官の高橋。
    彼との出会いがマグレディの人生の転機となります。
    そして舞台は戦時下の東京へ。この東京の描写が日本人が書いたのかと錯覚する程丁寧で細かく、情景がありありと浮かんできて戦時中だと言うのになんて美しい世界なんだろうとこの辺りから読むのが止まらなくなりました。
    日本人が本来持っている筈の礼節をこんなに美しく書いてくれるなんてまたもや感謝の念が湧きましたが、第3章ではいよいよ終戦。
    眠っていた猟奇殺人事件の捜査が再び始まります。
    舞台は再度ホノルルへ。

    ここで先ず私が思った事。マグレディ…モテすぎだろ!!
    確かに女性に対して礼儀正しいですし頼りになりますけどフェロモンでも出てるのか?!
    ここでは戦時中から戦後にかけて、不遇な扱いを受けて来た女性達が登場します。
    彼女達のお陰でマグレディはどんどん事件の真相へと近づき帰ってきたサスペンス。ここにマグレディの切ない思いが重なっていよいよ読むのが止まらず寝落ちした後で読書再開。
    予想もしていなかった展開に驚いていたら、最初からは絶対に想像もつかないエンディングが。

    なんと美しい終わり方なんだろう…。まるで昭和時代の東宝映画を観ている感覚になり、暫く呆然としてしまいました。

    上下段の474ページですがあっという間でした。一つ一つ丁寧に練られていてマグレディが恋人のモリーと出会ったきっかけも計算されているし、刑事としての捜査方法もリアルだしこんなに長いのに何一つ無駄がありませんでした。
    この作品のお陰で翻訳本に対する苦手意識が薄れそうです。思い切って読んでみて良かった。
    それにしても何故私は突然翻訳本が苦手になったのか原因不明です。高校の時はダ・ヴィンチ・コードやアガサ・クリスティも平気で読んでたのになあ。

    そう言えば作中で山本五十六さんのお名前が出てくるのですが、もし1度だけタイムリープさせて貰えるなら山本さんに本当にギャンブルで一度も負けた事がないのですか?と聞きたいです。(私はそのまま海の藻屑となりそうですが)

    • yukimisakeさん
      一生終わらない!!爆笑
      しかも下の時は四つん這い!(≧∇≦)
      一生終わらない!!爆笑
      しかも下の時は四つん這い!(≧∇≦)
      2024/01/08
    • 1Q84O1さん
      たまにこっちもいれてみたりして〜w
      ホイ→
      たまにこっちもいれてみたりして〜w
      ホイ→
      2024/01/09
    • yukimisakeさん
      ひぃ!!笑
      ←-('ロ'- )-
      ひぃ!!笑
      ←-('ロ'- )-
      2024/01/10
  • みなさんの高評価に感化され、
    読んで見ました。

    事前情報は最小限に留めた為、タイトルと
    表紙からもっと太平洋戦争開戦に起因する
    事件かと勝手に想像してしまいました。

    個人的には戦中の香港〜東京の場面は
    どハマりしましたが、ホノルル〜結末は
    ちょっと微妙かなぁという感想です。



  • 『ヒデミス!2023 小島秀夫が選んだミステリー・ゴールデン・ダズン』に選ばれていたので読んでみました。

    1941年11月。ホノルルで残虐な殺され方をした男女の死体が見つかった。一人は海軍提督の甥。もう一人は東洋人の若い女。犯人の足跡を辿り、ウェーク島へ。ウェーク島でさらに犯人の人物像に近づき香港へ。香港で犯人の居所を突き止めたところ太平洋戦争が勃発し…

    ホノルル→ウェーク島→香港→東京、と場所を変え、殺人事件と戦争を絡めることで、ダイナミックで意外な展開になります。犯人と対面するシーンでは、思わず「今ここで!?」と言いたくなるほど。
    だれが味方かだれが敵か予想がつきにくく、やけに真面目なロマンチックもあり、最後までドキドキして面白かったです。
    すごく面白かったのですが、ドラマティックな演出のために空襲を利用して欲しくないという思いと、なんでこの家には使用人がいないの?という疑問が重なり、星は少なめです。
    ちなみに原作の表紙は星1つです。がっかり過ぎ。

  • 思っていた以上に壮大な物語で没頭してしまった。風景や人物、感情などどれも描写がとても細かく丁寧で、読みながら常に映像が浮かび上がるようだった。日本や日本人も多く出てくるのだが、最初は巧みな訳により違和感なく描かれているのかと思った。だが、風景描写などもとても細かく自然で、後書きを読むと何度も訪日したりインタビューを繰り返していたようで、丁寧に描かれているのは元々の著者によるものだと分かった。太平洋戦争の戦中や戦後に関しても、相当数のインタビューやリサーチに基づいているようで、最後まで臨場感溢れる物語であったことに納得した。

    感謝祭の前日1941年11月26日、オアフ島カハナ湾近くの納屋の梁から吊るされた男を発見したと、ホノルル署長に直接友人から通報があった。それを受けてホノルル警察のマグレディが駆けつけると、惨殺体となった若い男が逆さに吊るされていた。検めているとその場に不審な男が現れ、マクレディと争いになり射殺する。さらに納屋の奥から若い女性の死体も見つかった。同署のボールとコンビを組み捜査を進めるうちに、ウェーク島でも似た傷跡の死体が見つかり、容疑者は香港に向かったことを突き止める。マクレディが追って香港に向かうが、太平洋戦争が勃発する。そこから戦乱に翻弄されていく。

    冒頭の変死体の状況からかなり物々しく、一体どうなっていくのかいきなり物語に引き込まれる。さらに、太平洋戦争がどのように関わってくるのかと思っていたら、まさかの展開になっていきハラハラしながらさらに引き込まていく。この急転直下する状況が後半に繋がっていき、最後まで中だるみなく満喫した。戦中の状況はかなり詳細に描かれているので、混乱や恐怖がリアリティを伴って伝わってくる。日本兵の行動や心情がさらにそれを強くする。この過酷な状況もしっかりと描かれているからこそ、事件の複雑さや人と人の結びつきの深さが強調されて、物語を面白くさせていると感じる。すでに新たな構想があるようなので、次もぜひとも読んでみたい。

  • 執念の一冊。

    時は1941年。
    根底に太平洋戦争を描きながら猟奇殺人犯を追う骨太ミステリ。

    この時代背景を感じ取りながら主人公マグレディ刑事の連続殺人犯を追う年月はハワイ、香港、日本と舞台は移りながら想像以上に盛りだくさん。

    日本の戦乱は手に取るように伝わっては心に重く沈み込んだ。
    そしてストーリーが進むにつれて盛り上がり終盤は目が離せない展開に。

    犯人を追う執念からある意味せつなく狂おしい次なる執念へと変わる最高潮の盛り上がりがたまらない。 

    重々しいストーリーながらも情景描写と心情の溶け合いが雪のように心に舞う作品。

  • ミステリーというよりも冒険小説。スパイ小説かな。昔の007映画を見ているような気にもさせられます。
    真珠湾攻撃直前にハワイで起きた事件を追って東京に...。今なら15時間程度のフライトのハワイ⇒香港の移動や第二次大戦前・後の日本と日本人が描かれていて面白かった。

  • 1941年11月オアフ島で、アメリカ人男性と日本人女性の惨殺体が発見された。
    陸軍を除隊したジョー・マグレディ刑事は、犯人の情報を追っていくが……。

    エドガー賞最優秀長篇賞受賞作。

    タイトルから、真珠湾攻撃の話かと思ったら、外交や軍人、太平洋戦争そのものはメインではなかった。
    あくまで殺人事件を追う警察官、というアプローチが新鮮。

    戦争の気配が迫りくる中、情報を次々と探し出し、一途に捜査していく第一部が面白かった。

    第二部からは、旅先でことごとく女性に好かれるという、ハードボイルドにありがちな展開に、ややトーンダウン。

    それでも、ハワイ、香港、東京と、スケールが大きく、読みごたえのある物語。

  • 色々と忙しく、なかなか感想を書く時間がない。読んだ先から忘れていくことが得意な私なので、あまり間があくと書くことが億劫になってしまう。

    ケストレルの著書は初めて読んだ。そういう人が少なくないと思うが、本書を手にしたのはタイトルが目についたからである。ただし、この邦題はミスリードで、ほとんど内容とマッチしていない。原題は「Five Decembers」なのだから当然である。おそらく、歴史好きの読者も取り込もうと、編集部が狙ったのではないだろうか。

    物語はある殺人事件に端を発し、原題の通り、5回の12月を経る。ハワイ、香港、東京と、時間のみならず、地理的にも壮大なスケールで展開する圧巻の物語である。主人公は元軍人の刑事マグレディ。タフで優しく、女性にモテる。フィリップ・マーロウの系統に属するキャラだ。私自身はあまりこの主人公に感情移入することができなかったが、とても面白く読んだ。他の多くの方が指摘されているようにラストが美しい。

    タイトルに真珠湾と入れたことで、逆に色がついてしまったようにも感じる。そこは惑わされずに、原題で興味を覚えた方は手に取ってみては? 抜群の没入感が味わえると思う。

  • 真珠湾とミステリー、どう繋がるのか。
    1940年代、ホノルル警察の刑事マグレディが
    戦争に巻き込まれながら、国を越え、時を越え殺人事件の真実に迫っていく。
    章が進むにつれ、来るぞ来るぞの開戦日、
    まさかの事態に。これどうなるの?と絶対絶命の詰み状態。ハラハラドキドキがたまらなく面白かった。
    アメリカ側から見た第二次世界大戦は、こうなのかと垣間見る事ができた。

    ハワイ、香港、日本など当時の描写が味わい深い。特に日本の描かれ方については、著者の思い入れを感じる。美しく描いていただきありがとうと、同じ日本人女性として勝手に思っている。(似ても似つかぬタイプだが…)
    ミステリーと歴史のコラボ。人間ドラマも相まって、読みごたえありの一冊となった。

  • 面白くて頭が痺れた。これは評判になっていただけあったし、いつか読まねばと思っていた甲斐もあった。単なるミステリーの枠には収まらない、歴史とロマンスも絡んだ壮大な物語に圧倒された。

    始まりはハワイで起きた若い男女の残虐な殺人事件で、主人公マグレディがその事件の犯人を追って香港に渡る。香港で犯人まであと一歩というところまで迫るが、折しも日本軍が真珠湾を攻撃したことで太平洋戦争が勃発。日本軍に捕えられたマグレディは東京に流れ着く。

    最初の捜査が立ち消えかけるほど、戦争によりマグレディは時間的にも地理的にも遠く流れていくが、最後まで執念深く犯人を追っていく。アクションあり、書類と向き合うだけの地道な捜査もあり、警察小説らしさを一貫させつつ、戦争と歴史の因果も絡まりながら思いもよらない結末へ向かう。

    読み終えたときにはマグレディとともに、5年分の長い旅を終えたような感慨深さに耽った。
    それだけに他の方も触れているようにやっぱり日本語タイトルがもったいないなと思う。でもこのタイトルからは想像もつかない壮大なストーリーを満喫できるという点では、いい意味で裏切られると言えるかもしれない。


  • 物語の始まりは1941年11月26日のハワイ・ホノルル!
    タイトルからも既にピンっ!とくるところ…
    陸軍を退役し、ホノルル警察の刑事になったマグレディは惨殺された男女の奇怪な事件の捜索を始める
    そしてマグレディは事件を追ってハワイを離れることになるが、あの奇襲攻撃により時代の激しい波に飲み込まれてしまう

    犯人は誰か、事件の真相は?
    マグレディの運命は?

    もうこれ以上は無理…(笑)

    とにかく丁寧な調査のうえに書かれた歴史小説であり、スパイ小説でもあり、マグレディ刑事自身の人間物語でもあり、壮大なスケールで描かれたハードボイルドミステリーでもあり…

    なんといっても、私はマグレディ刑事に魅力されたのよ!
    眼球を突かれたり、神経を切断されるかもしれないけど…(笑)
    もちろん愛する女には紳士だわよ…イヒッ!
    だからラストは私が望むもので良かった
    あっ!そうすると恋愛小説でもあるかな??

    とにかく
    納得の!納得の!
    エドガー賞最優秀長篇賞受賞作なのでした

  • ジェイムズ・ケストレル初読。おそらく初翻訳?
    別名義の作品があるらしく、もしかしたら別名義の作品はあるのかも。

    ミステリ、警察小説、ロマンス、戦記、ロードノベルなどなど、色々な要素がこれでもかと詰め込まれた贅沢で重厚な作品。
    根っこにあるのは、ホノルルで若い男女が拷問されて殺された事件が起こり、その犯人を追うもの。ただそれだけでは終わらず、日本軍の真珠湾攻撃により様相がガラリと変わる。
    最初と最後はしっかりとした警察小説かつミステリ。中盤が戦争に絡んで色々な姿を見せる小説となっている。
    ラストは結構意外な着地点。綺麗なエンディング。

    色々な人が書いてますが、やっぱり主人公のマグレディがモテすぎるのは気になる笑。ロマンス成分があるのも嫌いじゃないけど、みんな一目惚れしすぎだろうて笑

    正当な続編ではないけど(説明しづらい)、関連作を書くらしいので期待。

  • 2022年エドガー賞受賞
    ヒデミス紹介本

    1部ホノルル/香港
    ジョーマグレディはホノルルの刑事
    むごたらしい白人男性と日本人女性の死体
    事件の捜査、犯人を追う…


    傑作!
    THE ハードボイルド、文句なく面白かった
    2段組のわりにはすいすい読め、読む手が止まらなくなった
    カッコいい姿だけでないマグレディを応援したくなる話だった

    1941年11月~1945年12月の3部作
    舞台はホノルル、香港、日本だ
    警察的目線、戦争の歴史の目線を知ることができる
    日本人、日本語、山本五十六の名前も登場する
    戦勝国アメリカの視点だけではなく、戦後日本の状況を汲んだ内容で、客観的中立さもあった

    初っぱなから酷い描写
    すぐ検死になるため気持ちの切り替えられた
    その事件を捜査中の香港で、日本がパールハーバーに仕掛けたとニュースか飛び込んでくる
    情勢がすぐ変化する
    人生を翻弄されたマグレディ
    執拗な性格は警察官だからだろうか
    すごい展開に満足の読みごたえがあった
    あらすじ以外書くと面白味がなくなるのでここまでに
    おすすめです!

  • 読む前に、「主人公モテ過ぎ」という感想を複数見ていたのだけど、読んで確かにと笑ってしまった。
    でも女性たちに敬意があるのが主人公くらいなので、そりゃまあ好意も寄せられると納得でもある。
    単純に日本悪にできるところをそうはせずに、でも反ファシズムをはっきり出しつつエンターテイメント性もばっちり、とよくできた作品だった。
    ただ、あの状況で数年は無理じゃない…??というのと、動機がわかったところで、だったら連続性がわかりようなやり方しなくない??という引っ掛かりが抜けず、ちょっとスッキリしない後味。
    日本女性に夢見すぎてる感じも気になった。

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