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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784150102500
みんなの感想まとめ
未来の地球を舞台にしたこの作品は、廃退した世界での人類の贖罪と再生を描いています。物語は、かつての栄光が失われた後の世界で、主人公が美しい翔人の娘アヴルエラや変型人間ゴーモンと共に旅する様子を追います...
感想・レビュー・書評
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浅倉久志の解説が秀逸の本書は、ヒューゴー賞とアポロ賞(フランスのSF大賞)受賞の名作。
うん、名作です。
舞台は遠い未来の地球。ここでは、地球の歴史を3つの周期に区分している。すなわち、宇宙進出までを第一周期。宇宙での栄華を極めた第二周期。そして、第三周期は現在の地球。かつての繁栄は過去に沈み、ただ外敵の侵入に怯える零落の世界である。一方、そこでは、ギルドとよばれる職業集団が組織され、人類に生きる目的を与えていた。主人公は、侵略者の見張りに一生を捧げる老いし<監視者>。彼は、道中で出会った美しい<翔人>の娘アヴルエラと<変型人間>ゴーモンを連れて、古都ロウムを訪れるが…
このファンタジーな世界観がたまらなく好きだ。没落後の地球では、かつての大陸も海の底。だが、在りし日の名残をとどめるロウムやペリ、ジェルスレムといった都市の名前(各々がある都市のもじり)に、哀愁を感じる。
一方で、SF要素もしっかりしている。とりわけ、中盤で語られる地球の変遷は、なかなか刺激的です。
作中で最も印象に残ったやりとりを紹介。
本書は「再生」を描いた作品だが、その発端が次のやりとりにある気がしてならないのだ。
場面は中盤、主人公が自らの名前を、盲目の皇帝に対して、口にする(ギルドの掟で本来はご法度!)ところである。
「きみに秘密厳守を強制する制約はもうなくなったではないか。」(中略)
「あなたの人生の二倍にもわたる間、私は、法律上必要の場合意外ぜったいにわが名を口にせぬよう規定されてきたのですから」
(中略)
「では、今いいたまえ」
思いきって口にしてみると、なんともいえぬ解放感があった。
私の古い名前は、唇を出てしばしそこの空間に漂っているように感じられた。(中略)
そういうと、二人とも腹の皮がよじれるほど笑い、盲目の皇帝は、立ち上がって、親友同士であるしるしに、自分の手と私の手を打ち合わせ、それから二人して私の名を、ついで彼の名を交互に何度も何度もくり返しわめいた。二人は、思いがけなく魔法の言葉を覚えたものの、結局それらの言葉には実際に魔力などなかったのだと気がついた少年のようなものだった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
権威ある海外SF賞のヒューゴー賞とネビュラ賞を同時受賞した古典。
日本ファンタジー大賞の選考委員である
椎名誠氏が選評の中で推薦していたので読んでみた。
するすると物語に入り込めて、
主人公と一緒に未来の世界を旅しているような気分になれた。
廃退した世界で描かれているのは人類の贖罪と再生。
耽美な存在でタイトルともなった
翼を生やした人間である”翔人”が、
ほの暗い未来に光彩を放つ。
それこそ、一筋の希望のように。 -
夏バテで、思うように本が読めません(泣)そんな中、やっと読了。ロウムとか少しひねった都市名が印象的。最後の救済のところは、自分も感じるところなのでとても惹きこまれた。世界の一部になり、一部(一人)が全体になるという感覚のところ。とても印象的な表紙とともに翔人アヴルエラの事の印象に残ります。秋に読めばもっと良かったと思う。
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『ガラスの塔』『いまひとたびの生』『時の仮面』『内死』など、ロバート・シルヴァーバーグは「破壊」「再生」をモチーフにしたものが多い。
その中で「再生」を一番美しく優しいストーリーとして現したのがこれではと思う。 -
遠い未来、荒廃し疲弊した地球では生き残った人々は中世的なギルドごとに"監視者"、"記憶者"、"翔人"などに種族分化して、常に宇宙からの侵略者に怯えていた…。数万年後の異形な世界観を舞台に、贖罪と再生を描く古典SFの名作。
「夜の翼」(1969)ロバート·シルヴァーバーク
#読書好きな人と繋がりたい -
古書購入
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表題だけは強烈に覚えています。
山下達郎の曲名と同時に脳裏に焼きついています。
最近この作品の事を思い出します。
他所であいつとバッコンバッコンやで・・・
おっさん「知るか』
そうなんです。くだらん事言うなやと言うか
改めて読み直してみたいです。
人生の節目に必要だろうかと。
エロいことで頭満載の高校生でしたが、そんなケダモノレベルの人間が読むと
エロいことばかりに集中してしまいがちです。
老成された筆者の伝えたいことを誤解するだろうと。 -
愛の力で征服者を征服するのだ。
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シルヴァバーグの珍しく美しい作品
表紙 5点中原 脩
展開 6点1969年著作
文章 7点
内容 570点
合計 588点 -
勢いがあるなぁ。
皇帝がいい感じ。
登場人物が人間臭い。
解説がすさまじい。
ジョブチェンジってドラクエ、FFのはしりか。 -
SFというよりファンタジー・ロードノベル。目に浮かぶビジュアルがとても美しくて、どんどん読ませる。ラストは微妙に腑に落ちないが!
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ヒューゴー賞とアポロ賞というアメリカ、フランス両国でもっとも権威のあるSFの賞をそれぞれとっているので、ジャンル的にはSFらしい。
でもまがいもなくファンタジーでもありました。
『緑のヴェール』も面白かったけど、
ちょっと文体の高貴さに胃もたれをおこした者としては
これくらいサクサクと読みやすい文体がちょうどいいです。
文体がたんたんとしていても、
中に描かれる世界はめくるめく想像世界だから、じゅうぶん楽しめるのです。
主人公の老人のキャラクターがいいです。
老いたぶんの苦みも出しつつ、誠実な主人公で応援したくなりました。
「支配者」「記録者」「監視者」「翔人」「夢遊心霊師」などなど、
生まれた時から職業ギルドに属し、中にはその容姿までギルドに添うことになる未来の人間たちの世界が描かれています。
中篇が3篇で、1つの叙事詩ができあがる方式。
ラストに主人公達が目指す世界の在り方には
なんだか感動すら覚えたよい本でした。
作者はおそるべき量産型の人らしいです。 -
入院中に先生にいただいて
出会えた本です。
一人の老人の一生を主軸に
どんどんと展開していく物語。
描写が具体的で
主人公と共に旅をして
この目で見て、経験したような感じがあります。
こういうSFに出会ったことがなかったので
私としては新鮮でした。 -
SFは苦手なのですが、この本は幻想的な雰囲気がとても素晴らしく、ファンタジー小説のように読み進めることができました。
一番印象的だったのは、やはり第1部の「夜の翼」。
──舞い上がれ! アヴルエラ! 上がるのだ!
<翔人>アヴルエラに心の中で語りかける老いた<監視人>の思いがとても印象的で、それがまさか第3部の結末に繋がっていくとは予想もしておらず感動的です。
人生の目的や義務を失った老<監視人>の再生が、第2部、第3部と書かれていきます。
「地球」が征服された後も、次の目的を探しながら旅を続ける<監視人>の姿は寂しくあるものの、とても頼もしかったです。 -
2011年9月鬼怒川に行く車中でなくしたようなので買いなおし。
行き過ぎた文明の発展。
地球に対する、人類に対する、異星人に対する傲慢が招いた崩壊と侵略。
遠い未来にして遠い過去に逆戻りした世界での老人の流転と再生の物語。
エイス、アフリーク、アイロプ、ストラリア、ユサ-アムリク、スド-アムリク、
ヒンド、ロウム、アグプト、ペリ、ジョルスレム、クリスタ教、ミスラム教
地名など名詞が微妙に変化 -
SFの中では、僕の一番のお気に入り
この想像力溢れる世界観
登場人物達も最高です -
題名、<巡礼者><監視者><翔人>など人々(?)が分類化された社会という設定、
枯れた文体どれも魅力的。
展開も無駄が無く、300ページ内にまとめられているのも良し。最後はキリスト教風な終わり方?
解説に書かれている著者のエピソードのひとつひとつが凄すぎて、
生まれついての作家気質にちょっと憧れのようなものを感じる。
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