永遠の終り (ハヤカワ文庫SF)

  • 早川書房 (1977年11月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784150102692

みんなの感想まとめ

時間移動をテーマにしたこの作品は、SFの枠を超えた感動的な物語が展開されます。主人公が愛する女性のために世界と対峙する姿勢は、シンプルながらも力強さを感じさせ、物語を引っ張る原動力となっています。独特...

感想・レビュー・書評

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  • 原題 “The End of Eternity” 時間移動SFの傑作。タイムトラベルやらタイムリープやら、たくさんありすぎてもはや食傷気味な題材かなぁと感じていたけれど、そんな思いを吹き飛ばす、これは最高傑作の感動。独自用語が多い世界観のなか、愛する女性のために世界を敵にまわすという、主人公のシンプルな動機が好ましく、力強くストーリーを引っ張ってくれる。タイムパラドックスを広げてパラレルワールドにも切り込んだ巧みな設定、終盤のミステリー的な謎解きと怒涛の伏線回収に興奮MAX。壮大な結末と最後の一文にシビれた。図書館で昭和42年初版本を借りてきたけど、絶版なんて信じられない出来。これは紙の本で手元に置いておきたい。新訳とかで文庫お願いしますハヤカワさん~!

  • ふと思い立って約20年ぶりの再読。タイムマシンSFの紛うことなき傑作。こんな傑作が絶版なんて勿体ない…。

    「永遠(エタニティ)」という未来の歴史矯正機関を舞台にした物語で、「歴史は現実に矛盾を生じさせないように自己補修する」というアイデアのもとにアクロバティックなストーリーが展開するわけですが、伏線を一気に回収して、物語が壮大なエンディングを迎えるところのカタルシスが特筆ものです。本書がアシモフのロボットシリーズも銀河帝国シリーズのプロローグとしてつながっていくという仕掛けには胸が熱くなります。

    【初読】1997年12月9日

  • 読み始めはSF独自の専門用語の連続で、何を言っているのかわからない。
    わからないが、言葉のうまさや文章力、そして世界観で読ませてくる。そして読み進めた頃にはだいたいを把握している。さすが巨匠アシモフである。

    主人公が属する<永遠>そしてタイトルが永遠の終り、であるからして、主人公が何かしらの反旗を翻し、自身の属する組織をどうにかするんだろうな、ということは明白だ。最終的な結末は個人的にはすばらしいシメであった。

  • 時代を行き来し、人類の滅亡を防ぐ永遠(エターニティ)で従事する技術者のハーランは、ある日、エターニティに、女性の侵入者がいることを、上司トウィッセルから告げられる。ハーランは侵入者ノイエスを、元の時代に送り届けるが、その後ノイエスと未来に逃げることを企てる…。

    時間物のゆるいラブストーリーかな?と思っていたものが中盤で崩れ、終盤でまた崩れ、という、一筋縄ではいかないタイムトラベル小説である。

    特に中盤からの時間パラドックスの発想からエターニティの存在の危機、そもそもの矛盾、分岐していく未来と多少の分岐を収束させる現実など、さらりと表現されてはいるが、非常に綿密に練られたプロットの上に作られていることがわかり、とてつもない小説を読んだのではないかという読後感がある。

    アシモフの小説は、訳も恵まれているとは思うが、全体に理論をゴリゴリに押し出したり、すぐに読者そっちのけで宇宙の都市の世界観を押し付けたり、なんならドラッグということで逃げたりせず、丁寧にテンポよく行動を起こし、それによって事件が起こりという部分がわかりやすい。

    本作においても、時間のパラドックスを人為的に作り上げようとするものの、ズレが生じて…という部分など、他の作家ならうまく説明できないままになりそうな現象も、いとも簡単に理解させてしまうのだ。

    全体のストーリーとしては、タイムトラベル物としてはかなりシンプルな部類になるだろう。だからこその、人物の役割が生きてきていると言える作品だ。

    SFなれしていないと少し難しく感じるかもしれないが、多少の部分は読み飛ばしても大丈夫なので、万人におすすめである。

  • タイムパラドックスを扱ったSFの中で最高の出来だと思う。限られた人類が人類の歴史を書き換える世界。結果として人類は・・・
    科学の発展の善の悪とを考えさせれる。是非とも映画化して欲しい作品である。
    廃版になっているのが惜しい。
    25年前に買った自分は幸せ者。

  • 永遠はただ口で飾り立てた牢獄に過ぎない事を知らないふりをして、人は何時も永遠を求め続けている。

  • 時間もの。ものすごく面白い。
    パラドックスネタあり、未来、現代、超未来の話に及び、さらにそこにかかわる人間のドラマと恋愛。
    話で世界も人も、窮地に立たされ、挽回し、めまぐるしく変わっていく。
    一言ではとても言い表せないほどの大作。
    俺が今まで読んだ時間物の中では、過去最高に面白かった。
    永遠の終りというタイトルがぴったりな話ということに、最後の最後で気がついた。

  • 多くの人が書くように、タイムトラベルテーマの大傑作だと思います。いやイライジャ・ベイリシリーズ3部作と並んで著者最高傑作だと思います。またイライジャべイリ物と同じく、恋愛ストーリーになっているのも良いです。

  • 荒木先生が何を書いてもジョジョになってしまうように、アシモフの作品が全てファウンデーションに結びついてしまうのは、読み手が勝手に結びつけてしまうからだろうなと思った。それほど普遍的で魅力的な舞台だということだと、自分には思える。

  • ブルース・モーエンさんが言うところの「計画センターの人たち」のことかなと思って読んだが、地球人の話だった。ミステリー仕立て。
    私たちが時間人で、時間を自由に行き来できる人間が永遠人。

    過去を変えたら現在はどうなるか、過去の自分に出会ったら自分はどうなるか。
    人間は得た知識を使いたがる好奇心の塊であり、「現実矯正」でコントロールしたがるくせに、恐ろしく無知なので思わぬ事件が起こる。大きな時間軸で見れば、危機や衰退も未来のための必然と思える。

    アシモフさんは、人類はもっと宇宙へ出て増えることをどの作品でも望んでいるように思える。

  • 小説

  • 時間を管理する組織を抜け出そうとする話だが、上には上がいる、という話。タイムパラドックスをどのように説き伏せるかに依存する本格ものだが、もうひと押し欲しかったという読後感だ。

  • タイムトラベルもの。
    世界観が独特すぎて、イメージをつかむのに時間がかかる。そんでもってなかなか本題が見えてこない。
    3分の1過ぎたあたりでやっと見えてきて、最後の方は怒涛。
    アシモフ・ワールドの壮大な繋がりを感じる。

  • アシモフ唯一の時間テーマSF。時間管理機構<永遠>(エターニティ)は人類が宇宙へ進出するのはエネルギーの浪費だと考え、それを阻止するよう各時代で工作を行っていた。<永遠人>(エターナル)であるアンドリュウ・ハーランはノイエスという女性に出会い愛するようになる。しかし、彼女が<現実矯正>により別人に変わってしまうと知り<永遠>の禁を犯して遠未来に隔離する。その後、ノイエスは行方不明になってしまう。

    そんな時、ハーランは上司のトウィッセルから自分たち二人が<永遠>の創設に係る重要人物であり、彼らの後輩クーパーこそが24世紀に渡り<永遠>の創設者になると告げられる。ノイエスを失った悲しみからハーランはこの時間の環を破壊してしまう。しかし、トウィッセルに説得されノイエスを探しだし、再び<永遠>の円環を完成させようとする。ノイエスとともに24世紀に渡ったハーランは、そこでノイエスから自分が<永遠>の管理できるさらに未来から来た人間だと告白される。そして人類の宇宙進出を速め、さらに発展させるように<永遠>の円環を破るよう求める。ハーランはノイエスを受け入れ、<永遠>の円環は断ち切られ<無限>(インフィニティ)が始まる。

  • アシモフの貴重なタイムマシン物 安定した面白さ  
    表紙   6点依光 隆
    展開   7点1967年著作
    文章   8点
    内容 600点
    合計 621点

  • タイムパラドックスもの。

    〈永遠〉に所属する〈永遠人〉たちが、
    〈現実〉を矯正していく話。

    うーん、
    誰かと話し合いたい。
    疑問がいっぱい。

  • アシモフの長編唯一の時間物らしいけど、その理由が垣間見える(つまらないって意味じゃなく)。ミステリとして見ても『黒後家蜘蛛』『鋼鉄都市』『我はロボット』よりも完成度高い。アシモフ、それらしか読んでないけど。結果⇒ファウンデーションシリーズも読まないといけない。

  • タイム・トラベル物。
    気軽に読み始めたが、思いのほか面白かった!

  • SFの祖とか タイムマシーン系テイルの大家とか、
    そんな評判がある?アイザック・アシモフの傑作。
    (ロシアっぽい名前だけどUSの作家)

    タイムマシーンを駆使し、
    時空を自由に移動するミッションに就く代償として、
    identityの喪失に苦悩するハーラン。

    なんだか 学生時に観たTwelve Monkeysを連想してしまう。
    ガチガチのSFモノなんだけど、
    とても真摯なラブストーリー

  • 過保護の功罪

     未来社会。未来人の一部は《永遠人》となって時空を駆け巡り、《時間人》の現実を微修正することでそれに続く未来を改変し、人類を核による破滅から守っている。

     主人公は《永遠人》。しかし、ある《時間人》を愛することにより、世界全体の時間の歯車が狂ってくるというのが表向きの筋書き。

     設定として、時間を旅することを可能にしたのは過去のとある人物の発見がきっかけとなっている。しかし、その発見は未来から過去へと旅した《永遠人》その人によるものだったという展開になる。物語は、その《永遠人》が過去に旅する少し前からはじまる。

     物語における「現在」及びそれに続く「未来」があるということは、《永遠人》が無事に過去へと旅立ったことを示す。しかし、過去へ旅立つのは物語における「現在」である。

     もし旅立ちが阻害されたら「現在」や「未来」はなくなるのか。基本的なタイムパラドックスのテーマが見えてくる。そしてこのテーマで物語が進むと思ったら大違い。タイムパラドックスものと考えると大いにがっかりする。また、愛だのなんだのという話と期待するとまた裏切られる。

     この物語は、アシモフのスペース・オペラのプロローグである。アシモフは過去の修正による理想的な未来創造を否定する。物語はラストになってスパートする。ミステリー調のタッチで進むのだが、あるとき突然に主人公が気づくことがある。「超観察者(注:いなえの表現)が存在する」

     すなわち、よりはるかな未来から「《永遠人》に過去の修正をやめさせる計画」が進められていることを知るのである。そして、その役割を担っているのが《時間人》と思われていた、主人公が愛する女性である。

     女性が属する「はるかな未来」では人類は絶滅している。宇宙への旅がことごとく失敗するからである。人類が宇宙に出るのが遅かったために、宇宙はすでに異星人が支配しているのである。あとちょっと早く人類が宇宙に出ていたら・・・。こう考えたはるかな未来人は、より過去の人類に試練を与え、歴史の修正を禁じ、宇宙への旅立ちを早めるためにその女性を送ったのであった。

    <現実>から災厄を除こうとして、<永遠>は同時に勝利をも排除しているのです。人類が大いなる高みへのぼるもっとも効果的な方法は、おおいなる試練に遭遇することにこそあります。危険とたえざる不安定感のなかからこそ、人類を新たな、より高度の征服へと押し進める力が生まれます。
    (中略)
    人間が自らの力でよりきびしい、より高遠な解決策を見いだすのを、困難を回避するのではなく、それを克服することから生まれる真の解決策を見いだすのを、妨げているのだ。

     女性の言葉である。過保護の功罪であろう。エンディングで示されるのだが、はるか未来から来た女性と《永遠人》たる主人公は過去の世界に居座り、《永遠人》と《時間人》が存在する未来を消去する。この結果、はるかな未来では人類は苦難を乗り越えて宇宙を支配するようになるという筋書きである。(もちろん、これはファウンデーションへと続く→だからプロローグなのだ)

     面白い。タイムパラドックスに関するいくつかのほころびが見られるが、ミステリー部分がそれを補って余りある。

     すべての種は環境に適合するように進化するというのがダーウィンの進化論の一つの捕らえ方である。そうだろうか? 少なくとも、異常なまでの生への執着から、環境に戦いを挑みつづけることで進化をする人類のような種はダーウィンでは説明できない。いずれ、宇宙を人類とは別の知的生命体が支配する頃になれば、人類はダーウィンの特殊進化論と分類されるのだろうと私は思う。

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著者プロフィール

Isaac Asimov (1920―1992 )。アメリカの作家、生化学者。著書に『われはロボット』『ファウンデーション』『黒後家蜘蛛の会』等のSF,ミステリーのほか、『化学の歴史』『宇宙の測り方』等の科学啓蒙書やエッセイが多数ある。

「2014年 『生物学の歴史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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